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おじいちゃんおばあちゃんにプレゼントしたい『祖父母手帳』。今と昔で違う育児の常識

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時代とともに変わる育児に関する情報。育児をしてきた時代が違うために、今の親世代と祖父母世代の持つ育児情報が真っ向から対立するようなこともありますよね。赤ちゃんをめぐって悪化しがちな親と祖父母の関係を良好にするため、これまで埼玉県さいたま市を始め、いくつかの自治体が『祖父母手帳』を発行して話題になりました。

そして2017年4月、自治体にかかわらずどんな方でも手に入れることができる『祖父母手帳』が、書籍として発売されました。育児中は周りの協力が何か必要になることがあります。おじいちゃん、おばあちゃんに協力をお願いする前に、こちらの本を読んでもらうと、とってもスムーズですよ!

自分から言うよりスムーズ!? 今と昔ではこんなに違うんです

この本では親世代と祖父母世代の育児方法の違いを具体的に紹介、最新の医学情報を元に解説されています。

例えば、「キスや口うつしで虫歯菌がうつる」という問題。ママたち親世代には広く知られていますが、祖父母世代は自分が噛み砕いたものを子どもに食べさせていたこともありました。祖父母の家に遊びに行ったり、子どもを預けたりしたときに、おじいちゃんが自分のお箸で子どもにご飯を食べさせていた……! なんてことは避けたいところです。

また、3歳までは母親が働かずに子どもと一緒に過ごすことがいいとされている“3歳児神話”と呼ばれる話。子どもを預けて働こうとしたときにおばあちゃんから「3歳までは一緒に過ごしたら?」という言葉をかけられたことのあるママもいるのでは? この問題についても、今は厚生労働省が『厚生白書』で合理的根拠がないと言及しているとのこと。子どもの幼少時期に母親が働いているか否かと、子どもの発達や社会性、学業などとの因果関係はなかったそうです。

このような祖父母世代と今の育児情報との違いを、ママ・パパの口から祖父母世代へ訴えるのはなかなか難しいこと。しかし最新の情報と医学的な観点から解説しているこの本で同じ情報を共有していれば、言いたいことも角を立てずに伝えることができますね。

孫のお世話の仕方から、もしものときの応急手当まで網羅

自分の子育てが落ち着いてから何年も経ち、赤ちゃんの抱き方すら忘れてしまったというおじいちゃん、おばあちゃんのために、この本では抱っこの仕方やオムツの替え方、赤ちゃんの月齢別の遊び方が紹介されています。

また、誤飲ややけどなどの応急手当も詳しく解説されています。月齢によって違う赤ちゃんの動きを知っておくことで事故が避けられるケースもありますので、この本はとても参考になりそうです。

この本の監修は、小児科医で2人の女の子のママでもある森戸やすみ先生。医学的な見地から分かりやすく解説してくれているので、ママにとっても読みやすく、とてもためになります。筆者自身も信じていたことが、実は迷信だったことに気づかされました。

自分の子育ての仕方が基準となって、違う方法を受け入れるのが難しいということは、祖父母世代に限らずよくあることです。赤ちゃんに関わるみんながこの本を読むと、正確で新しい情報を共有できてトラブルもうまく避けられるかもしれなません。

赤ちゃんにとって一番いいのは、パパやママ、おじいちゃんおばあちゃんなど、たくさんの人にかわいがられて育つこと。赤ちゃんの周りの人たちがトラブルでギスギスした関係にならないよう努めたいものですね。

祖父母手帳

監修:森戸 やすみ
出版社:日本文芸社

文・山内ウェンディ

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