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はなわ:第4回 子どもができたことは、嬉しい反面プレッシャーもありました

どんなに反対されても芸人としてのはなわさんの成功を疑わなかった奥さまと、見事にその期待に応えたはなわさん。
金銭的な余裕のなかった時期に誕生したお子さんに対しては、どんな想いがあったのでしょう?

三男ができたのは予想外。でもいざ産まれたらかわいくてしかたがない

はじめて妊娠したのを告げられたときは、どんなお気持ちだったんですか?

もちろん嬉しかったですよ。ただ、それがプレッシャーにもなるというか。つねに「この先どうしよう」っていう悩みを抱えていた時期でしたからね。とはいえふたり一緒に産婦人科にも行ってエコー写真を見たりもしていたし、やっぱり喜びのほうが勝っていたのかな。
里帰り出産だったので、長男が生まれたのは佐賀です。僕は仕事で、渋谷でやっていたコンベンションライブみたいなのに出ていたんですよ。品川庄司とかスピードワゴン、エレキコミックなんかも出ていたんですけど、ちょうど僕がネタをやっているときになぜか鐘が鳴ったんですよ。12時とかのキリのいいところじゃなくて、時計の調子が狂っていたみたいでヘンなタイミングで鳴ったんです。「なんで鳴ってんだ? 邪魔すんなよ!」なんてことを言ってウケていたんですけど、出番が終わって楽屋に戻ったら電話が来て「今、産まれた」って。一緒に出ていたみんなから「産まれたのを鐘が教えてくれたんじゃないの?」なんて言われたのを覚えています。

すごい!じゃあ、出産には立ち合われなかったんですね?

はなわ

うちの嫁さんは、そういうのを見せたくないタイプなんですよ。僕は立ち合いしたかったんですけど、「絶対に来ないで」って。なので3人とも立ち合っていないです。

お子さんたちが産まれたとき、それぞれに違う感覚のようなものはありましたか?

僕の仕事状況が違ったので、それぞれに思ったことは違いますね。さっきも言ったみたいに長男のときはうれしい反面、どこかで不安もありました。まだ若いし、まわりもみんな同年代の芸人ばかりだったから”子どもを持つ”という感覚がよくわからなかったというか。それに当時はファンの方に公表できない状況もあったので、そこもモヤモヤしていたし。
でも次男のときは仕事がすごくよい状況だったから、不安はまったくなくて。手放しでうれしかったです。で、三男は……まさか3人目が産まれるとは思っていなかったんですよ。ふたりいたことで十分満足していたので、予想だにしていなくて。

ということは、驚きが先にあったという感じですか?

びっくりしましたよ。長男とは10歳くらい離れていますから。「あと何年かしたら子育ても落ち着くから、それまでがんばろうね」とか、嫁さんともよくそんな話をしていたんですよ。なので「あ、また始まるんだ」みたいな感じでした。
でもいざ産まれてみたらもう……ちょっとかわいすぎますよね(笑)。ほんとうにかわいいんですよ。今こうやって話をしているだけで、会いたくてたまらなくなるくらい。

はなわさんご自身も三兄弟だそうですが、ご自身をお子さんたちに重ねることはありますか?

すごくありますよ。僕は真ん中だったんですけど、“間っ子”ってちょっと変わっているんですよ。発想も独創的だし、自分の好き勝手にやるところとか。そういう意味でいうと、真ん中の次男のことが心配なんですよ。

あ、でもよく“バランスをとるのがうまい”とも言われますよね

たしかにそうですね、気を使ったりしますし。
いろいろ調べてみたら、最初の子は親からの期待も多くていろいろやらされるんですよ。我が家もそうなんですけど(笑)。でも「これはやらなくてもよかったな」っていうのが、けっこうあって。
写真もビデオも撮りまくりますけど、次の子になると「そんなに撮らなくてもいいな。要所要所で」と、なるんですよね。さらにその下が生まれちゃうと、かわいいからすべての中心が下の子になるんです。だから真ん中は本当に中途半端なんですよ。ただ、それが自分ひとりでも生きていこうという自立心につながるみたいで。

はなわ

はなわさんご自身にも心当たりがあるわけですね(笑)

ありますね。とはいえうちの子たちは性格が3人とも違うので、ひとりっ子が3人いるくらいの感覚で育てていこうとは思ってます。3人とも柔道をやっていますけど、「兄ちゃんがやっているから、おまえもやれ」とは一度も言ったことがなくて。自分で「やりたい」と言い出すまではやらせるつもりもなかったし、今でも「やめる」といえばすぐやめていいと思ってますし。

「お兄ちゃんを見ているとカッコいいから、自分も」っていう感じなのかな?

それもあるかもしれないですね。じつは長男はずっと「柔道イヤ」ってやっていなかったんです。でも身体がどんどん大きくなってくるし、学校でも目立つようになってきて。「柔道をやったら、すごく強くなると思うけどな」みたいなことは、いろいろ言ってました。「もったいないね~」とか。
東京から佐賀に引っ越ししたのも大きかったと思います。東京の道場はすごく厳しかったんですけど、佐賀の道場は楽しさを重視するところだったので。それで本人もだんだん柔道が好きになってきたんですよ。


お子さんたちそれぞれがかわいくてしかたない様子のはなわさん。弟さんたちがお兄ちゃんにあこがれて柔道をがんばるというのも、微笑ましいですよね。次回はそんなお子さんたちへのしつけについてうかがいます。

(取材、文・鈴木麻子 撮影・chiai)

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