ママ関係が悪化する「私だけが呼ばれていないパーティ」問題
こんにちは、斗比主閲子です。
私は、ママ友との間でトラブルが起きるのは必然だと考えています。というのも、住んでいる地域が近い、子どもがいるという共通点があるにせよ、それ以外は特に共通点があるわけではないので、親同士に物の考え方・優先順位に違いがあるからです。そして、子どもは子ども同士でよくトラブルを起こすものの、親はそのトラブル解決のプロでもない(育児のプロでもない)。
男女でも価値観が大きく違う者同士が付き合えばトラブルは起きがちです。二世帯住宅に住めば、実の両親や義理の両親とトラブルはよく起きる。人間関係トラブルというのは、お互いのわがままを当人同士が調整できない時に起きます。当人同士の価値観が近く、お互いが非常に成熟しているのであれば、妥協点を早期に見出すことができますから、トラブルにまで発展しません。
というわけで、共通点も少なく、利害関係者に子どもというトラブルメーカーがいて、その上(本人たちの希望なく仕方なく)顔を突き合せる機会があれば、ママ友トラブルというのは起きて当然だと考えています。
ちょっと余計な話を書きすぎました。本題に入ります。今日書くのは、「私だけが呼ばれていないパーティ」問題です。
「私だけが呼ばれていないパーティ」問題とは?
子ども同士の交流があると、親同士でも親睦を深めようと、ママ会であったり、パパ会であったり、そういった催しが時々開催されます。今は時期的にクラス替えや卒業シーズンですから、こういう親同士の親睦会に参加した/参加予定の方も多いはず。
しかし、この親睦会がトラブルが起きるきっかけになることがあります。その親睦会で揉め事が起きるということもないわけではありませんが、いい大人ですから、それほど大したことにはならないでしょう。せいぜい会費が事前に周知されておらず主催者の懐に結構多くの金額が残ることが後で知らされた、子どもがお店の設備にいたずらをしたとか、そんな程度でしょうか。
それより、危険なのが「私だけが呼ばれていないパーティ」問題です。要するに、親睦会なのに呼ばれていない人がいるというもの。
「意図的に呼ばなかったわけじゃないよ~」とは言うものの
クラスの大半の親が参加している、同じ環境(例えばPTAである特定の役職をしたもの同士)の人が大半参加している、そういった親睦会に呼ばれない人がいることがあります。主催者としては意図的に外すつもりがなかったと言うでしょうが、大体は意図的に外されたものです。
親睦会に招待しない理由は親睦したくないから。コミュニケーションを取りたくないから外すわけです。外された人は、自分だけが参加していないと知ったらショックが大きいですよね。コミュニケーションを取りたくないと宣言されたようなものですから。
こうなると主催者に対してネガティブな感情を抱き、これがトラブルの温床になります。自分に対して悪意がある人間に対して、好意的に接し続けられる人というのは決して多くない。
人の口には戸が立てられません。何十人も集まれば、「あれ、○○さんってこの前のママ会参加してなかったっけ?」とか「この前のママ会でさ~」などと呼ばれていない人の前で、うかつなことを言いだす人は出てきます。
逆に、親睦会には参加したけれど主催者に悪意を持っている人からすれば、これは主催者に対する恰好の攻撃材料とも言えます。意図的に、呼ばれていない人にこの話を漏らす。
「ごめん!この前のママ会、あなたのこと呼べなくて!!」「え、知らなかった。そんなのあったの?」「そうなの。この前の金曜日ね。私はあなたのこと呼んだ方がいいと思ったんだよ。でも、主催のAさんがお店のキャパがあるからって言って反対して」「ええー、そうなんだー……(Aさんめ……!)」と嘘にならない範囲で伝えることで、主催者の評判を簡単に落とすことができます。
巧みな人は事前にオーディエンスを集めておくでしょうね。この状況で、この話をすれば、オーディエンスは呼ばれていない人に対して同情してしまうので。人間、目の前に被害者がいると、その人がどんな人でも何となく味方になってしまうものです。
「私だけが呼ばれていないパーティ」問題を起こさないためには
では、こんな事態になるのはどうやったら避けられるでしょうか。
簡単なのは、親睦会を開くなら、ほぼ全員を呼ぶ予定ならちゃんと全員を呼ぶ、もしくは、呼ばれていない人が意識しないように呼ぶ人をそれほど多くしないことですね。何十人も呼んだところでどうせまともに会話できるのは5人ぐらいですから。どうしても「人数が集まるイベントを開催したい!」なら、誰を呼ぶかを他人にお願いするか、他人に後で何か言われても気にならない鋼の心臓を持つか、不満の残らないイベント運営をするかです。
あえて、特定の誰かを外したいなら、その特定の誰かが参加したくない環境を事前に用意して、招待はするけれど本人に断らせるのがいいですね。例えば、その外したい人が嫌っている人が参加することが決まっていることを事前に伝える、その外したい人のスケジュールが合わない日時に巧妙に親睦会を開くなどです。感じ悪いこともないことはないですが、呼ばれていないより断然マシです。
おわりに
こういう親同士のイベントは、気が置けない人同士ならまったく気にならないんですけどね。冒頭に触れたとおり、共通点がほとんどないからこそ、人数を集めれば集めるだけ、トラブルの火種を生むことになる。
くだらない揉め事に関わりたくなければ、多少相手のことを知って価値観の違いを感じたら、それ以上深追いしないことです。子ども同士が何かあった時のために最低限話をするぐらいでいい。
子ども同士が友達だからといって、親同士が友達になれるわけじゃないですからね。
文・斗比主閲子