<親の離婚イコール……?>私は選ばれなかった子「良い子でいなくちゃ!」母の本音は?【後編まんが】
前回からの続き。私(マコ)は現在33歳です。数年前に結婚して2人の娘がいます。両親は私が小学校高学年の頃に離婚しました。両親の離婚を機に私と4つ下の妹(ミイコ)が2人とも母に引き取られ、私が進学で家を出るまで3人で暮らしました。
自分が親という立場になったからか、最近、両親が離婚したことを振り返るようになりました。ケンカが絶えない両親や、それに怯える私たち姉妹のことです。ある日の深夜、酔った父が母に暴力を振るおうとしました。激しい物音で目を覚ました私は、母の危機を感じ「お父さん、やめて!」と間に入りました。母はこの出来事で、離婚を決意したそうです。
母は私の意見を尊重するために聞いてくれたのだと思います。
しかし妹はすでに母について行くのが決まっている雰囲気。(え? 私はお母さんに連れて行ってもらえないの?)とすごくショックでした。
私は「ミイコ(妹)と離れたくない……」ととっさに言いました。妹と離れなければ、母と一緒にいられると思ったのです。
こうして私も妹も母に引き取られて3人での生活がスタートします。無事に母に引き取られたものの、私には常に「選んでもらえなかった方の子ども」という気持ちがつきまといます。
離婚前も離婚後も、私は母から強い愛情を受けていました。でも「いつか私は捨てられてしまうかも」「私はお父さんのもとに行かないといけないかも」という不安と隣り合わせの毎日です。「いい子でいないといけない」そう思った私が考えた策は、「母に金銭的な負担をかけないこと」でした。
ひがんだ私は、思春期の頃、たまに妹の靴を隠して遊びに出かけられないようにしたり、突っかかってケンカをしかけたりすることも。今思えば、妹をストレスの吐け口にしていたのかもしれません。そのうち「こんなことをしても意味がない」と気づき、妹への嫌がらせをやめました。
その後、私が家を出るまで母と妹と仲良く平穏に暮らしました。今も母と妹との関係は良好です。
「ミイコはまだ7歳だか8歳でしょう? お母さんが連れて行かないと育てられないと思ったから」母の本音を知りました。
私は「3人で暮らしてからもいろいろガマンもあった」と、重くならない感じで伝えると、「まったく気づかなかった。ゴメンね」と言ってくれ、私も母になってからようやく過去の気持ちに一区切りがつきました。
私の場合、乱暴な父と離れたかったので、両親の離婚自体には賛成でした。母と妹と3人で仲良く暮らせて、今も関係は良好。妹は当然母についていくという雰囲気のなか、私だけ「母についていくか」を聞かれる状況に「母に選ばれなかったのかも」というショックを受けました。それと同時に「いつか母に見放されるかも」という不安もずっと心に残りつづけてしまいました。今は私の思い過ごしだったとわかり安心しています。私も親になって、子どもに「これくらいは言わなくてもわかるだろう」と思いがちです。でもわが子を大切にしている気持ちはしっかり伝えようと思っています。
原案・編集部 脚本・rollingdell 作画・春野さくら 編集・塚田萌