<両親へのお金は?>「虐待されていた」「感謝できない」隠していた真実【第9話まんが:姉の気持ち】
前回からの続き。これは最近のお話です。私は3きょうだいで育ったアユミです。母親の違う5才年下の弟(サトル)と、8才年下の妹(コハル)がいます。弟と妹は母から愛情を注がれて育ったため、私が実家への仕送りを渋っていることを「信じられない」と言います。きょうだいでの話し合いの場では、第三者である夫(ケンジ)が「金銭援助は最終手段だと思う」と冷静なアドバイスをしていました。
「最終的にお金が必要になったときは?」そう質問するサトルに私は「出せない」と答えました。
「お姉ちゃんは昔からそう! 私たちから声をかけないと何もしてこない。今回のことだって同じ!」「俺たちはそのことが納得できないんです」
「同じ子どもなのに、どうしてお姉ちゃんだけ親を支えてあげようって思えないの? お母さんは本当の娘じゃないお姉ちゃんをここまで育ててくれたじゃない!」妹からの言葉に、私は黙っていることができず、
コハルは「親は感謝すべき存在だ」という考えを前提に生きてこれたから、親を支える気持ちを持つことができない私を責めるのです。でも……「私が泳げないの、知っているよね?」
「まだサトルが生まれて間もないくらいかな……。私、食事のときにお味噌汁をこぼしちゃってね。育児でイライラしていたお母さんがすごく怒って……」「味噌汁が飲めないなら、風呂の水でも飲んでろ! ってお風呂の水に頭を押さえつけられたの」
私の辛い記憶……。コハルやサトルに話すつもりはなかったのですが……私は話すのを止めることができませんでした。
「あとは……ここの額の傷。これもね、お母さんが怒って私を思いっきり突き飛ばして……ぶつかって切れた傷なの」お母さんが私に向かって怒鳴る声と傷の痛み、忘れたことはありません。
「あなたたち2人が物心つくようになってからは、お母さんからの暴力はなくなったけれど……。でもお父さんやお母さんから何かしてもらった記憶はないの」「洋服だって私はいつも親戚のおさがりだったし」
私にはサトルやコハルのような、親に感謝する……そう思える記憶がないのです。そんな私が親を支えたいと思わないのは……私は「冷たい」人間なのでしょうか?
私の言葉に、弟と妹の顔色がどんどん曇っていくのが分かりました。本当は話さない方が良かったのかもしれない。弟と妹たちにとっては「優しいお母さん」のままでいてもらった方が良かったのかもしれない……。けれど「仕送りをしたくない」気持ちを分かってもらうためには両親との本当の関係を打ち明けるしかなかった、今はそう思っています。
【第10話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子