<無視する旦那・すれちがい夫婦>仕事で疲れ「実家もどる」置き手紙?【第2話まんが:旦那の気持ち】
前回からの続き。今から15年前のお話。俺(アキト)は20代だった。妻(カナ)と生後9ヶ月の娘(ミサ)と暮らしている。俺は普段から物静かな人だと言われることが多い。一方、カナは物事をはっきり主張する性格だ。俺とは正反対のタイプだったが、明るくて自分の意見をしっかり言えるカナにいつの間にか惹かれていった。
カナと付き合って半年経ったころ、仕事の関係で遠距離になってしまった。そのときに、カナのほうから「一緒に暮らそう」と提案してくれたことがきっかけとなり、俺は結婚を決めた。“結婚は勢いが大事”と周りから聞いてはいたが、本当にそうかもなと思った(笑)。
カナ「アキト、あのね。子どもができたみたいなの」
俺「本当に? うれしい……!」
結婚してすぐに妊娠がわかった。子どもが出来たのは本当に嬉しかった。けれど、出産後……ミサが産まれてからは忙しくて俺もカナもバタバタしていた。
夫婦2人きりで過ごす時間は少なくて、新婚気分なんて味わえていなかった。(育児ってこんなに大変だったんだな……)はじめての育児はわからないことだらけ。俺は仕事をこなしながらも、子育てに参加するよう常に心がけた。四六時中ミサに付きっきりのカナのほうがずっと大変だと思ったから。
仕事が立て込んで休日出勤をした土曜、勤務を終えた俺は疲れきっていた。
なにか食べ物を買って帰ろうと閉店間際のスーパーに寄るとお刺身が売られていた。カナも喜ぶかもと買って帰った。
帰宅するともうすでに部屋はまっくらで、カナとミサは寝ていた。2人の寝顔を見て、仕事の緊張もほぐれていく。カナが用意してくれた夕飯をレンジであたためながら「疲れた……」と一息ついた。
食事をすませてお風呂に入った俺は、カナのためにと買っておいた刺身を冷蔵庫に入れるのをすっかり忘れてしまっていたんだ。まさかこんなことが原因でカナを怒らすことになろうとは――。
次の日、色が変わってしまった刺身パックを持ったカナがどんどん不機嫌になっていきます。
カナ「自分で買ってきたなら、最後まで責任持ちなさいよ! お刺身だって安いものじゃないし……もったいない!」
俺「……」
(俺だって仕事で忙しいけど、家事も育児もやってるのに……)疲れ切っていた俺はもう何も言いたくなかった。変に反論して、カナとケンカになるのも避けたかった。今日は日曜で仕事はない。そのまま自分の部屋に入ってこもってしまった。
その日は言い返す気力もなかった俺は、あまりに疲れすぎていて部屋でぐっすり眠ってしまった。ミサが部屋の前で泣いていたことにも気づかなかった。しかし俺に「無視された」と思ったカナはミサを連れて出て行ってしまったんだ。どこで間違ってしまったんだろうか……。俺はカナからの置手紙を眺めながら、その場に立ち尽くすことしかできなかった。
原案・ママスタコミュニティ 文、作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子