<毒実家の強要>【後編】実の家族に長年冷遇されて。祖母の介護を断ったら「頭おかしい」と言われた
前回からの続き。手術がきっかけで、介護が本格的に必要になってきた92歳の相談者さんの祖母。仕事を理由に介護を押し付けてきそうなお母さんの様子にも不安を感じているようですが、その一方で相談者さんは「介護を拒否したら冷たいと思われるのではないか」との葛藤もあるようです。
相談者さんがここまで悩むのには理由があった
相談者さんは、「自分が主となった介護はできない」とハッキリ気持ちが決まっています。しかしお母さんを説得しきれないのは、幼少期から続くお母さんやお祖母さんとの関係性が影響しているようです。
『今まで頼まれたことは文句を言わずに引き受けてきました。それなのに一度母に頼みごとをしたら、母は「なんでこっちに頼ってくるんだ。あんたは嫁いだ身なんだからあっちの母に頼め」と言ったんです。それから私も気持ちよく頼みを聞くことができなくなってしまって』
自分の頼みだけ相談者さんに押し付けて、相談者さんの頼みは面倒そうにしながらきいてくれなかったお母さん。このことをきっかけに、相談者さんも快く頼みごとを聞けなくなってしまったようです。お母さんやお祖母さんのことを相談者さんは、「小さい頃から自分のことを好きではなかった」と辛い過去でありながらも教えてくれました。
『小さい頃から祖母も母も兄が好きでわたしはいつも外にいるみたいでした。たまの贅沢も2つ入りのパックのケーキで、「お前のじゃない。お兄ちゃんとお母さんの分」と言われ、私はいつも食べられなかったです。私の前で美味しそうに平気で食べていました』
今まで家族から感じた悲しい感情を思い出すと、介護に関わりたくないと思えてしまう。けれど今、家族が困っている状況なのに見捨てるようなことをすれば……
『本当はもう顔も見たくない話もしたくないけれど、今そんなことしたら……わたしは一生裏切り者のレッテルをはられます』
それに、相談者さんの意思表示を、お母さんたちは聞き入れてくれないそうです。
『でも介護はできないと言うと「頭おかしいんじゃないか?」って言ってくるんです』
愛されたいけれど愛されない現実に葛藤しているのでは?
相談者さんの過去を読んでいると、とても悲しい気持ちになりましたよね。ママスタコミュニティでは、「介護はしたくないけれど、ハッキリと言えない」と悩む相談者さんを、「嫌われたくなくて強く言えないのでは?」と分析しました。
『相談者さん自身が母親に依存してしまっているのかもしれないね……。こっち向いて欲しい、嫌われたくない、愛されたいって思っているんじゃないかな。相談者さんにも家庭があるんでしょう? 母親たちのことはお兄さんに任せて、相談者さんは今ある家庭を大切にして欲しい。このままいくと相談者さんのメンタルがやられて自分の家庭まで崩壊しちゃうよ』
「母も祖母も自分より兄が好きなんだ」「自分は愛されていない」と考えて育った相談者さんは、お母さんたちの要望を少しでも拒否したら捨てられてしまうと、感じてしまっているのかもしれません。けれど相談者さんを不幸にするだけの人たちに嫌われたところで、何かダメージはありますか。それに相談者さんにはいま、大事にしてくれる旦那さんやお子さんたちもいて、自身の居場所だってあります。今の状況で介護を拒否してお母さんやお祖母さんに嫌われたとしても、実際のところ何ら問題はないのかもしれませんよ。
相談者さんの要望を聞き入れないのなら、要望を聞き入れる必要もなし
『自分の家庭のほうが絶対大事ですよ。家庭を疎かにしてまで面倒みる義理もないし、全然冷たくない。私なら見ないし施設に預ける』
『相談者さんにはこれからの自分たち家族(母親や祖母は入れないよ)のことだけを考えて幸せになって欲しいな』
人が困っているのなら助けてあげたいと思うのは当然のこと。家族ならばなおさらです。しかしどこまで助けてあげるのかというのは、自分で決めること。強要されてすることではありません。自分がどこまで助けられるか提示して、それに対して嫌味を言われたり、叱られたりしてしまうような関係であれば、一切のことから手を引くのもひとつの解決策となります。相談者さんも今の家族と相談をしたり、自分の気持ちと向き合ったりして、自分がどうしたいのか正直なところを考えてみてくださいね。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko
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