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<毒実家の強要>【前編】なんでも私を頼ってくる母と祖母。介護を断る私は冷たいですか?

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人ひとり介護するのは、なかなか大変なことです。赤ちゃんを1人見るのとは異なり、大人には意思もプライドもあるし、体重もあります。けれど今までお世話になった身内に介護が必要になった場合、「私にはできない」と言うことは、不義理なようにも思えてしまいますよね。今回の相談者さんは祖母の介護で悩んでいるようです。

『孫にあたる私が面倒を見ないのっておかしいですか? 祖母が癌になり入院して手術をしました。現在、私は結婚をして家庭をもっている状況です。祖母と母は2人暮らしで、母はフルタイムで働いています。今までは、母が「仕事を何度も休めない」という理由で、ほぼ私が祖母を病院に連れて行っていました。祖母は頑固者なので人の言うことを聞こうとせず、最初は病院にもいかなかったため、病気が発覚したときには手術が必要な状態でした。母からはもう頭がおかしくなるなどメールが何度もくるしで……。正直「私に言われても」と思ってしまう私って冷たい人間ですか? 母と祖母はなんでも私に頼ってきます。それはそれでもう仕方ないと思っていますが、どちらも自己中過ぎてさすがに私がつらくなってきました』

相談者さんのお祖母さんは現在92歳。お母さんはお祖母さんの手術の説明日でさえ、「仕事が忙しい」と相談者さんに病院への付き添いを頼んできたそうです。しかもお祖母さんは頑固者ということで、補聴器をつけたがらないためにお医者さんの話も理解できず、周りは困り果てているとのこと。相談者さんにはお兄さんがいますが、お兄さんも家庭をもっていて何もしていないそうです。

今回の手術をしたことをきっかけに、今後相談者さんは仕事で忙しいお母さんに代わり、なし崩しに介護を要求されるのではないかと考え心配しているそうです。

決して「冷たい」わけではない!介護の問題は情で簡単に決められない

相談者さんは、「介護をしたくないけれど、断ったら冷たいのか、断ってはいけないことなのか」と悩んでいます。確かに民法第877条には以下のように記載があります。

『第八百七十七条
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる』

そのため相談者さんにもお祖母さんを介護する義務はあります。しかし義務があるのは相談者さんだけではありません。娘であり同居しているお母さんにだってあります。そんなお母さんが「仕事のため介護ができない」と意思表示をしているのであれば、相談者さんが「自身の家族を優先しなければならないから介護はできない」と意思表示することも問題ないように思えます。

『全然冷たくないです。むしろ優しい人なのだなと思いました。私は仕事なので割り切れていますが、本当に介護は(特に身内の)大変だと思います。あまりご自身を責めないでください』

『相談者さんには相談者さんの生活があるんだから、自分の生活を犠牲にしてまで祖母の面倒を見ることはない』

『見たくないなら拒否すればいいじゃない。普通かどうかは家庭によって違うんだよ。考え方も違うんだし。相談者さんはそれをちゃんとお母さんに伝えなきゃいけない。できることとできないことをハッキリさせとかないと』

家庭にはそれぞれの事情があるのですから、介護を断ったからといって、一概に「相談者さんは冷たい」とは言えないはず。それを言うのであれば、何もしないお兄さんも冷たい人ということになりますよね。「母と祖母はなんでも私に頼ってきます」と言っていた相談者さんは、きっとそれまでお祖母さんやお母さんの頼みごとを叶えてきたのでしょう。そんな人が「つらい」というのはよほどのことのはずです。

また相談者さんが介護を拒否したからといって、お祖母さんやお母さんを見捨てることにはなりません。

主たる介護者にならないと意思表示することで、選択肢が増えることも

介護ができなくても、「相談者さん以外の人に介護をお願いする」「金銭面でサポートをする」という選択肢があります。相談者さんがいなくなったとして、お母さんが必ずしも1人で介護をするとは限りません。もし1人で困難ならば、市区町村に設置されている地域包括支援センターや病院の医療ソーシャルワーカーに相談をして、少しでも負担を軽減することを考えるはずです。

『できる人が1人でもいたら家に置いておけるけれど、居なければ施設に入るしかないという選択になる。相談者さんもできないとしっかりと主張することは大事だよ』

『相談者さんが主たる介護者としていろいろやる必要はないよ。けれど性格的に手伝ってしまうなら、母親を主介護者としてサポートする的なポジションにいたらいいと思う』

『距離を置いていいと思うよ。罪悪感を減らしたいなら、少しお金を渡しておくといい。お疲れ様。親たちに人生食い潰されていい理由なんてなにもないよ』

もし「介護は無理だけれど、家族の力にはなりたい」と感じているのなら、買い物などのサポートを申し出る方法もあります。旦那さんと相談をして、お金を支援することだってサポートのひとつでしょう。

自分はどこまでサポートができて、どこからか先ができないのかハッキリ意思表示しておくことで、相談者さんにとっても家族にとっても良い変化が出てくると思いますよ。

後編へ続く。

文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko

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