<超難問>遺産相続の申告は自力でやる?それとも専門家に頼む?初心者が覚えておきたいはじめの一歩
両親のどちらかが亡くなると、葬式の手配や役所の手続き、相続……と、悲しみのなかでさまざまな手続きが必要で、何から手をつけていいかわからず困惑する人も多いのではないでしょうか。誰しも経験することですが、人にも相談しにくいこともあるかもしれません。ママスタコミュニティにも、あるママから遺産相続にまつわる投稿が寄せられていたので紹介します。
『遺産相続を受けたことがある方に質問です。相続税など自分で手続きしてやりましたか?』
投稿者さんは、遺産相続の手続きを自分でやるか、税理士や司法書士、弁護士などの専門家にお願いするか、お悩みのようですね。複雑な手続きを自力でできるかどうか判断基準がわからず投稿したのかもしれませんね。
相続税とはなんでしょう。国税庁が発行する「相続税のあらまし」によると、相続税とは個人が亡くなった人から相続などの財産を受けた場合に、その財産に課される税金を指します。遺産総額によっては相続税がかからない場合もあり、まずは相続税がかかるかどうかの判断が必要そうです。ママスタコミュニティのママたちはどのような手続きをしたのでしょうか。ママたちの声を紹介します。
相続税がかからない遺産総額とは?
『たいした資産なかったし全部自分でやりました』
『相続税が掛かるほどの金額じゃなかった』
『実父が亡くなり、相続税のかからない額だったので、口座の解約手続きだけでした』
相続税のかかるほどの遺産がない場合は、相続税の申請はいりませんので、ママたちは専門家に頼まずとも対応できたようですね。国税庁によると相続税は、亡くなった人から相続を受ける財産の合計額が基礎控除額を超えた場合にかかります。相続税の基礎控除額は
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
の式で求められます。
たとえば、両親の1人が亡くなり、子どもが2人いた場合は、3,000万円+600万円×3人(配偶者+子ども2人)=4,800万円が相続基礎控除額です。おおよその計算ではありますが、遺産総額(課税対象の価格)が4,800万円以下であれば、相続税はかからないということになります。まずは相続税がかかるかどうかを、おおよそでいいので調べると良いのではないでしょうか。国税庁では、相続税の申告が必要か否かを判定できるシート、相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分以降用)を公開しています。まずこちらを利用してみるといいでしょう。
税理士など専門家にお願いしたママたちの声
『相続手続きは税理士さんメインで、税理士さん経由で一部弁護士さんとも関わった。死亡保険金や入院保険金は、書類を提出したら3日ぐらいで入金されて早くてビックリした』
『相続したのが20代前半だったから、家の顧問弁護士さんと会計士さんと母親で手続きをしてくれて相続額も何も知らない』
『うちは身内が契約している税理士さんにお願いしたよ。駐車場も贈与されて収入になるけど、毎年の確定申告もわからないからその税理士さんにお願いしている』
『姉が税理士だけど、手続きの手間を考えたら頼んだ方がいいって以前、言っていたよ。相続税がかからない額であれば別だけど。弁護士が必要な場合は、紹介してもらえるし』
『一口に相続と言っても現金から土地建物、株式等いろいろあります。相続するのが現金のみであれば税務署で確認すれば税理士までは必要ないと個人的には思います。ただ素人に価値の算出が難しいものは専門家を通した方がスムーズだとは思いますよ』
専門家に相続手続きをお願いしたママたちの声です。ママの声にもあるように、相続といっても預貯金や現金、土地、建物、株式や公社債などの有価証券など相続財産にはさまざまあり、すべての資産について計算しなければなりません。費用はかかりますが、専門家にお願いすれば、すべて書類の手続きを行ってくれるため間違いも少なく安心かもしれませんね。とくにトラブルに発展しかねない遺産相続の場合は、自力で手続きをするよりも、専門家の手を借りたほうがいいといったママのアドバイスもありました。その際、誰にお願いすればいいかも悩みそうです。
国税庁の資料では、税理士をお探しの人向けに、税理士情報検索サイトを紹介しています。税理士でないにもかかわらず税理士業務を行う「ニセ税理士」にお願いしてしまったなどといったトラブルに巻き込まれないためにも、信頼ある人にお任せしたほうが良いですね。
自力で相続手続きを行ったママもいる
『自分で手続きをしたよ。大変だったけど、相談できる場所はいくらでもあるから、素人の個人でもできないことじゃないよ。期限があるから、タイムスケジュールはちゃんとした方がいい』
『うちは旦那がソフト買って全部自分でやったよ』
なかには自力で相続手続きを行ったママたちからも声が寄せられました。ママの情報をもとに自力で相続手続きをするためのポイントを紹介します。
相続税ソフトを利用し自分で相続手続きをする
ママの声にもあるように、相続税の申告書を作成するソフトを使って自力で行った人もいました。ソフトはIT大手企業や会計事務所が開発したものが出回っています。利用料金も無料のものから10万円弱のものまでまちまちです。相続税の申告書は全部で15種類もあり、素人がすべて一人で作成するにはかなりの労力がかかりそうですよね。こうしたソフトであれば、自動計算をしてくれるため、手続きの軽減につながりそうです。
無料相談を受けてみる
無料で相談を受けられる方法もあると教えてくれたママもいました。たとえば、国税庁には、国税に関する一般的な相談として電話相談センターを設けています。近くの税務署に電話をして、音声案内に従い、1番の電話相談センターを選択すると、国税局の職員に相談できます。また、面談相談も受け付けているようですので(予約が必要)、対面で相談したい方は、お近くの税務署で相談してみましょう。また市町村の役所で無料税金相談を受けられる場合もあります。税務署や役所など相談を受けやすいところでまず相談してみるといいでしょう。
相続の申告には期限があるので要注意
相続の申告で注意したいのが、期限があることでしょうか。国税庁の「相続税のあらまし」によると、相続税の申告書の提出期限は、通常被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月目の日までとなります。10カ月だとまだ先と思われるかもしれませんが、全ての相続人を明らかにするために、戸籍謄本を取り寄せるなどの手続きもあるため、かなり時間を要します。余裕をもってタイムスケジュールをこなす必要があるでしょう。
両親が亡くなると、悲しみや喪失感が拭えないなか、手続きをこなす必要があります。精神的な負担も大きいので、無理せず自分にはどの方法がいいのか、ママたちの声を参考に相続手続きを行ってくださいね。
文・安藤永遠 編集・山内ウェンディ
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