働く母をもつ娘は専業主婦になり、専業主婦の母をもつ娘は働くようになる?これって母の生き方への反動?
結婚しても、母になっても働くという人は珍しくない時代になりました。「労働政策研究・研修機構」が発表した調査によると、2020年の専業主婦世帯は571万世帯。対して共働き世帯は1,240万世帯と2倍以上の開きがあります。ママスタコミュニティに、そんな「働く母と専業主婦」についての投稿が寄せられました。
『専業主婦って自分の親が共働きだった人多くない? 私は兼業なんだけど、母親は専業だった。反動かな』
投稿者さんは専業主婦の母の元で育ち、自分は働くママになることを選んでいます。その理由は明確ではありませんが「反動かな」と書かれているところをみると、母親に対する反発もあるのでしょうか。投稿者さんの周りには、同じように「母とは反対の道」を選んだママが多いようです。実際にはどうなのでしょう。
母が専業主婦。私は共働きの兼業主婦
まずは投稿者さんと同じように、母は専業主婦、自分は兼業主婦になったという人たちの声です。
『母親専業、私兼業。うちの場合は専業なのに子どもと遊ばないし、子どもの話も聞かなかった。ああはなりたくないと思って育ったから。私は完全に反動』
『親が専業主婦で暇すぎて監視しまくりだし、世間からズレていたから、反面教師で働いてるよ。お金はあっても働いてない親は嫌だった』
『自分が成長して世間を知り始めると、専業だった母親の言ってることがズレてる気がし始めた。「家でのんびりしてるだけの生活を送ってるこの人には分からないだろうな」って思って何も相談したくなくなった。友達のお母さん達は、働いててきれいで話が面白くてすごく羨ましかったから、私は絶対に復帰する!』
周りの働いているお母さんがキラキラと輝いてみえたり、自分の「一挙手一投足」に関心をもつ専業主婦の母を窮屈に感じたりしてきたママたち。自分はそうなりたくない! との一心で働くことを選ぶようですね。
働く母の姿をみて専業主婦に
一方で、働く母をもつ人たちはどう考えてきたのでしょうか。
『母親は仕事から帰ってくると、愚痴しか言わない人だった。鍵っ子は私くらいしかいなかったから、惨めだった小学生時代。専業主婦になるのが子どもの頃の夢だった』
『家に帰って誰もいないのは本当に寂しくて怖かった。家の中に1人だとトイレにも行けなかった。親には言ってないけど我慢してたことがたくさんある。自分の子どもには同じ思いをさせたくないと思った』
『親が仕事であからさまに疲れてて話を聞いてもらう雰囲気じゃなかったから、進路相談とか全くできずにずーっと不安だった。子どもの頃から、時間にゆとりのある専業主婦になりたいって思ってた』
『鍵っ子って当時少なくて、自分だけ寂しかった覚えがある。今は専業主婦だよ』
『自分が寂しかったから、自分が母親になったら絶対に家にいてあげたいと思ってた』
母親が働いていて「寂しかった」「辛かった」という思い出をもつママたちの率直な意見です。今では働くお母さんも珍しくありませんが、コメントを寄せたママのなかには「鍵っ子は珍しかった」と語る人もいます。帰宅時に母親がいない寂しさや、忙しい母親に遠慮して相談できなかった過去から「自分の子どもには同じような思いをさせたくない」と専業主婦を選んでいるようです。
私も母も専業主婦です
母親の生き方とは違う道を選んだママたちがいる一方で、同じ道を歩むママもいます。
『うちは母も私も専業。母がずっと家にいたから、母親が働いてるイメージが湧かなくて自然と』
『私の曽祖母も祖母も母も私も専業。他の親が仕事してるとか気にもしないで育った』
『母親が専業主婦でとてもよかった。だから私も専業主婦』
『母が専業で家にいるのが当たり前だったから、自分も同じように専業』
母親が専業主婦で自分も働く選択肢はなかった、というママたちです。「働くイメージが湧かなかった」ということもあるようですが、「母親が自宅にいたことがとてもよかったから」という素直な気持ちも寄せられています。帰宅時に母がいる安心感はやはり大きいのかもしれません。働く母の元で育った人たちの「子ども時代は鍵っ子で寂しかった」という思いと重なってきますね。
働くことに抵抗がないのは育った環境?
『我が家は代々兼業だよ。女性が働く姿を当たり前のように見聞きしているから、働くことに抵抗がない』
『母が兼業。キャリアウーマンみたいな感じに憧れて、私も兼業を選んだよ』
『うちは母が幼稚園の先生でフルで働いてた。それが当たり前だと思ってたし、兼業だけど家事もぬかりなくやってたし、仕事の愚痴を言ったりもしなかった。母が働いて、私たち子ども3人の教育費を一生懸命貯めてくれてたから、私も子どもに同じようにしたいと思って、フルタイムでがんばってます』
『うちは親が共働きで、私も妹も共働き。実母も両親共働きの家庭だったし、うちはみんな兼業家庭かな』
「女性が働く姿が当たり前だった」「母と同じように一生懸命に働きたかった」という前向きな意見もありました。「母に憧れて自分も働くことを選んだ」というコメントに、勇気をもらう働くママたちも多いのではないでしょうか。
母の背中をみて子は育つ
今回のトピックでは、投稿者さんの「働く母の元で育った娘は専業主婦になり、専業主婦の母をもつ娘は働きに出る」という考えに共感するコメントがいくつもありました。母の生き方への反動が少なからずある、ということでしょう。
けれど母親も専業主婦で自分も専業主婦を選んだママ、代々、共働きを選択しているママもいました。いずれも「自身がこうありたい」と願って選んだ生き方です。
興味深いのはどちらの回答も「母親の子育てに少なからず影響を受けている」こと。子ども時代に感じた思いや経験、母親の子育ての仕方を自分の子育てにも生かしたいと考えています。母がそうであったから自分も同じようにしたい。母がこうであったから自分はしなかったと、どちらを選ぶにしても「母の背中」は大きな存在なのですね。
しかも、それは母と娘の関係に限ったことではなく、
『義母はフルで働いていた。だから旦那は私に専業でいさせたいみたい。反動だろうね』
というように、母と息子の関係にも同じことがいえるのです。
母親自身の生き方は、知らず知らずのうちに子どもの将来の生き方を左右しているのかもしれません。筆者も子をもつ母として、改めて襟を正していかなくては、と思わされました。
文・すずらん 編集・千永美 イラスト・きたがわ なつみ
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