カジサック第3回:「子どもを叱ったあとは必ず笑顔にします、なぜなら……」
毎年10月19日は“イクメンの日”。毎年10月半ば頃に開催される「イクメン オブ ザ イヤー」では、その年に育児を楽しみ、頑張ったパパたちが部門別に表彰されます。「イクメン オブ ザ イヤー 2020 イクメン動画クリエイター部門」は芸人として、YouTuberとして活躍するカジサックこと、お笑いコンビ「キングコング」の梶原雄太さん。「子どもが悪いことをしたら正座をさせて叱ります。ただそのあと必ず笑わせます」と語ってくれました。
現在5人のお子さんのパパとしても、忙しい日々を送っています。今回はカジサックさんに子どもの叱り方について、また長女とママの心温まる出来事について、話してくれました。
叱ったあとの子どものケアまでしっかりとやります
――子どもがいたら、叱らなければいけないことも出てくると思います。そんなとき、カジサックさんはどのような叱り方をしていますか?
子どもに対しては正座をさせて叱ります。でも叱ったあとはそのままにせず、必ずふざけます。というのも気分を明るくしてあげないと、叱られたままだと子どもは暗い気分のままになってしまいます。
――叱ったあとにふざけてしまうと、子どもは叱られているのかどうかわからなくなりそうですが……。
叱るときは叱る。子どもはわーと大泣きしますよ。ただそのあとに「はい。話はこれで終わり」といったん切ります。それでハグか握手をして、子どもの気持ちをリセットします。それがないと子どもは叱られたのか、ふざけているのかわからなくなると思うんですよね。
「パパももうこれ以上叱りたくはないんだよ。絶対だめだからな」といったあと、子どもをぎゅっとハグしてあげる。そのあと「よし、ふざけます!」といいます。
(一同笑い)
ほらね! そうやってみんなつい笑っちゃうんですよ。それだけで場の雰囲気が変わりますよね。これを続けていくと、今のような「ふざけます」という一言だけで思わず子どもは笑っちゃうんです。叱ったあとは、きちんと子どもを笑顔にしてあげる。それが大切です。
「ながら叱り」はしない。子どもの目を見てしっかりと伝える
――子どもがどんなことをしたら叱りますか?
嘘ついたり、食べ物を粗末にしたりしたときかな。でも子どもが嘘をつくのはよくあることだと思っています。宿題をやっていないのに「やった」といったり、他のきょうだいを叩いたりとか、細かいことはたくさんあります。
叱り方については「ながら叱り」はしないです。たとえば、食器を洗いながら、テレビを見ながら注意をすることはありません。叱る際には、必ず正座させてやります。「今から叱ります。ダメなことをお伝えします」といいます。
ただ叱るのではなく子どもとの対話を大切にする
――叱るときって、つい親が一方的に子どもにいってしまいがちですがどうですか?
僕は常に子どもに質問を投げかけるようにしています。叱るときも「なぜそれをしたらだめか」をいうのはもちろんのこと、できるだけ子どもに質問を投げかけ、子ども自身が答えられるようにしています。僕の場合は子どもとの対話をとても大切にしていますね。同時にどんなに忙しくても親子2人の時間は作るようにしています。
――親子2人の時間はなにをしているのでしょうか?
たとえば僕と長男2人でお風呂に入る。そのときは親子ではなく友達になる。「なんでも話していいんだよ。フランクにしようぜ」と伝えます。それを続けていくと子どもたちも話してくれるようになります。そして話してくれたことに対して心から感謝する。「話してくれてありがとう」という。これが大事です。
ありがたいことにみんなが「パパ好き。パパと遊びたい」と来てくれます。ただ、うちの場合は子どもが5人いるため、一人ひとりに時間を均等に取ってあげることが難しいんですよ。
いつもきょうだいに譲ってしまう。上の子の本音は?
――上の子は、甘えることを我慢しちゃいますよね。本当はパパと一緒に遊びたいのに、下の子が「パパがいい」といったら、譲ってしまうこともあります。
本当にその通りです。上の子はいろいろなところに目が行くし、気遣いもできる。年上だから「自分が我慢しなくちゃ」と思ってしまうんです。僕としてもそれは十分わかっているつもりなんですけど、どうしても我慢させてしまうことが多くなります。あるとき突然、堰を切ったように泣き出してしまって……。
だから最近は意識して2人で外に出る時間を作るようにしています。仕事をしながらなので、なかなか子どもが満足いくまで相手をしてあげられなくて難しいですが。ただ今YouTubeを撮影するようになったこともあり、以前に比べて家にいる時間は長くなっています。
子どもがママの誕生日にお小遣いを貯めてプレゼント
――最近あったことで嬉しかったことを教えてください。
いろいろありますが、1つは長女が嫁にスプーンをプレゼントしてあげたこと。いつも嫁の誕生日には子どもたちを嫁の妹に預けて、夫婦2人で外出していたんです。でもあるとき「ママの誕生日、みんなで一緒にお祝いしたいね」と子どもたちにいったら「一緒にお祝いしたい!」となり、家族全員で誕生日会をやることになりました。
そのとき子どもたちはそれぞれ自分のお小遣いでママにプレゼントを買ったり、肩たたき券を用意したりしました。当時、9歳だった長女はママにスプーンをプレゼントしたんです。
――なぜスプーン……?
当時、2歳だった次女が食事をあまり食べなくて、よくスプーンを見えないところに隠したり、勝手に捨ててしまったりすることがありました。長女はそれを見ていて、スプーンが必要だと思ったのでしょう。長女はずっと貯めていたお小遣いを使って、ママが助かるだろうスプーンをプレゼントしたんです。その気持ちがとても嬉しかったですね。それには嫁も僕も感動しました。
子どもの成長に伴い、心が動かされる瞬間はたくさんあります。子どものエピソードは尽きませんね(笑)。
(編集後記)
現在、家族全員でYouTubeに出演しているカジサックさん。一緒に動画を作ることで、家族のきずなが深まっているそうです。同時にYouTube出演にあたり、子どもたちにはあることを伝えているといいます。インタビュー最終回では、そのYouTubeについてお聞きします。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶