高価なランドセルがほろ苦い思い出に?大人になっても忘れられない、ランドセルにまつわる体験談
多くは小学校に入学するタイミングで購入するであろう、ランドセル。最近は選んだり購入するための活動を指す”ラン活”なる言葉もあるほど、入学を控えた親子の関心は年々高まっているようです。
”ラン活”をしている人はもしかしたら、自身が昔使っていたランドセルを思い出すのではないでしょうか。うれしかった思い出、楽しかった思い出、そしてちょっとほろ苦い思い出もありそうです。
大人たちが「よいもの」と口を揃える、本革のランドセル。でも?
小学生時代の思い出を綴った投稿が、ママスタコミュニティにもありました。今は30代後半という投稿者さんが、当時ほしかったのは「ツルツルでピカピカのランドセル」。
『私のランドセルは、父の友人が入学祝いに贈ってくれたもの。ワニ革を使ったオーダーメイドのものでした。当時はワニ革独特のシワがイヤで仕方なく、「なんでこんな古いものを使わなくちゃいけないの?」と思っていた。でも親には「ツルツルピカピカなのがほしい」とも言えず……。シワが恥ずかしくて、6年間ずっとカバーをして使っていました。どんなに高級なものよりも、自分が気に入ったもののほうがよかったです。みなさんはご自身のランドセルを、気に入っていましたか?』
同じように「ピカピカなランドセル」にあこがれた人たちもいました。
『私も牛革の高級ランドセルを買ってもらいましたが、イヤでしたね。使ううちにへたった感じになりシワっぽくなって、高学年の時期は本当にイヤでした。人工皮革などのツルッとした、形崩れしないランドセルがよかった』
『私のランドセル、兄が踏んづけていたからペチャンコになった。潰れたのは本革だったから。丸みを帯びてツルンとした、友達のランドセルがうらやましくて仕方なかった。ランドセル自体はよいものだったけど、よい思い出はない』
今は改良されているでしょうが、ママたちが子どものころの牛革ランドセルは、シワ感が目立ったのかもしれません。価格でいえば、人工皮革よりも本革のものは高額だっただろうと、大人になった今なら想像できますが……。子どもにはそんなこと、さほど重要ではないですよね。シワ感があることで、「友達に”お古”とからかわれた」という声も。
『私のランドセルは、祖母からの贈り物。使い込むうちに革だからシワシワになるし傷がつきやすく、それでいて重いことに気づいてイヤになった。雨の日なんか湿気で臭うから、最悪。親は「高級でよいもの」と言っていたけど、子どもだから理解できなかったよ。当時は軽くてお手入れ簡単な、人工皮革のランドセルの子がうらやましかった』
『同じく。祖父が革のよいものを買ってくれたらしいんだけど、当時はそんなことわからなかった。友達のは何年たってもピカピカで形も崩れないのに、私のはザラザラしてるし潰れてきて、イヤでイヤでしようがなかった。今ではありがたいことだったと思えるんだけどね』
高級なので大人は「よいもの」と言うけれど……。皮革のランドセルを使っていた人たちに、共通したほろ苦い思い出です。「よいもの」を買ってくれた人のことも、ちゃんと記憶に残っているのですけどね。
子どもに選択権はない?「ほしいのは、それじゃない」
最近は”贈り物”であっても、使う子ども本人と一緒に選ぶことが多いかもしれません。ただ、かつては子ども本人に選択権がなかったご家庭もあったようです。
『ランドセルを買いに行った記憶がない。いつのまにか家にあった。きっと誰か(祖父母?)が買ってきてくれたんだと思う。気に入ってもないし、イヤだったわけでもない。ただの赤いランドセル』
『うちなんて幼稚園で買った。幼稚園でみんなのぶんをまとめて注文。こだわりがある人は個人で買ったんだろうな』
『買いに行くのを後回しにされたから、めぼしいものはほぼ売り切れ。さらに近所の小さい店にしか連れて行ってもらえなかったので、選択肢はほぼなし。お友達はみんな刺繍を入れたりかわいいランドセルだったりしたのに、自分だけオプションゼロの安いやつ。「使えればなんでもいいでしょ」みたいな、母の考え方がずっとイヤだった』
投稿者さんと同じように個性の強いランドセルだった人は、さらに思い出が強烈になるようです。
『親類が贈ってくれたランドセルは、投稿者さんと同じくワニ革でした。はじめて見たときはイメージとのギャップがショックで、悲しくて泣きそうになるのをガマンして「ありがとう」と言うので精いっぱい。それを背負って登校するようになるとクラスメイトにからかわれ、泣いて帰って「ツルツルピカピカのランドセルがほしい」と親に頼んだことも。でももちろん買い直してはもらえず、学校の規則で雨の日以外はカバーもダメ。今でもランドセルのCMを観ると、心がキュッとなります』
『まだ赤と黒が主流だった時代に、母の独断でピンクのランドセルを用意された。高かったみたいだけど、当時は目立つのが本当にイヤだった。高学年になるとカラフルなランドセルが登場し出して、あまり気にならなくなっていたけど』
子どもによっては、ランドセルの使い始”みんなと同じ”ものがよいと思うものなのかもしれません。しかし、こんな前向きな思い出もありました!
『私のは、ばあちゃんがどこかから当ててきた景品で、ランドセルの背面上部に「特賞」って金ピカの文字が印刷がされていたよ。金ピカの「特賞」がすごく気に入っていた。幼いころからポジティブだったんだな、私(笑)』
苦い思い出のある人ほど、ランドセルへの思い入れも深い?
さまざまな思い出が寄せられる中、トピックに集まった人たちをキュンとさせたのが「当時は貧しくて希望のランドセルが買ってもらえなかった」エピソードでした。
『うちは母子家庭だったこともあり、市から支給されたもの。安物だから表面はすぐにはげはげボロボロ、ぺちゃんこになった。他の母子家庭の子も同じだったわ。ランドセルを見れば、すぐに家庭事情がわかるくらい。悲しかったわ』
『たしか、小学校にランドセルを売りに来てたんだよね。みんなほぼそれを買うんだけど、うちはビンボーだったから別のところで買った。みんなボタンのワンタッチで開くやつだったけど、私のは手動で開閉するタイプ。色もビミョーに違っていて、イヤだったな。親は「ボタンはすぐ壊れるから、あんなのダメだよ」とか言っていたけど、壊れた子は知っている限り卒業するまでいなかったよ』
さらに「オチがなくて、ごめん」と注釈付きの、こんなコメントも……。
『うちは貧しい家庭だった。それでも母がふつうにランドセルを買って、準備してくれた。それが入学直前になって、突然お金持ちの父方の伯父さんが、お祝いにと高級ランドセルを郵送してきた。母は「こっちのほうが立派だから、こっちを使おう」と言い、伯父さんのほうを使うことに。そのときの私は、どちらのでもよかった。入学から半年後に「あのランドセルは?」と尋ねると、「同級生のお母さんが”ほしい”と言ったので、あげたよ」と。それ以来、その子が使っているランドセルを見るたび「本当は私のものなんだなぁ」と、ぼんやり思うようになった』
「せつないね……」という感想が、いくつかあがりました。
『もし自分だったら、大人になった今では「あの時なぜ、”お母さんが買ってくれたやつがよい!”と言ってあげなかったんだろう」と思いそう。せつない』
「学校の指定バッグ」という私立小学校通学者や、「なにも考えたことがなかった」という回答も少なくありませんでした。
ランドセルへの苦い記憶を持つ人ほど、思い入れは強いものになっているのでしょうか。しかし苦い思い出もきっと、今の自分にとってプラスになる、ひとつの大切な経験となっているはずです。
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ
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