イジメ現場で声かけした子に担任は「見て見ぬふりをして」。そんな指導でいいの!?
よいことは、よい。悪いことは、悪い。どれがよいことでどれが悪いことなのか、子育てする中でしっかり教えているママたちは少なくないでしょう。そこから育まれていく我が子の正義感は、忘れずにいてほしいと願うもののひとつなのでは?
とはいえ現実には、その正義感がアダとなる場合もあります。ママスタコミュニティにあがったのは、我が子の正義感から起きたトラブルに悩むママからの投稿でした。
子どもらしい正義感が、トラブルに巻き込まれる原因?
投稿主のお子さんは、小学2年生。お友達数人と下校中、同級生に意地悪をする5年生のグループに出くわしてしまったのだとか。
『ターゲットになっている子はかぶっていた帽子を取られたり、投げられたりしていたそうです。その帽子が水路に落ち、我が子が思わず「だいじょうぶ?」と声かけしたところ、5年生グループのひとりから「うるせぇ! 消えろ!」。我が子が今日その話を担任にしたそうで、先ほど担任から電話があり「今、状況を確認中です。◯◯さん(我が子)には、今後は見て見ぬふりをするよう教えました」と。
たしかに関わらないのが一番かもしれませんが、”見て見ぬふり”はおかしくないですか? 先生が言いたいこともわかりますが、子どもはそのままの意味でとらえているようです。こうした場合、子どもにどんなふうに教えればよいのでしょうか?』
世の中にはちょっと注意しただけで逆ギレしてくる人も存在するでしょう。我が身を守るためには、たしかに“見て見ぬふり”が得策なのでしょうが……?
似たような経験を持つ、ママたちもいました。
『うちの娘も小学校低学年のころ、高学年の問題児によく注意していたらしい。そのたび「うるせーババァ!」と言われると言っていたから、「ほうっておきな」と教えたよ。このくらいの年齢の子って、やっちゃいけないことを「注意しなきゃ!」ってなっちゃうんだよね。言ってもわからない人には関わらないほうがいいと、だんだん理解できるようになる。問題児は隣の通学班の子だったから、「あの子に注意するのは班長さんだよ。あの子が悪いことをしても、あなたにはなんの責任もない。ほうっておいてだいじょうぶ」と何度も伝えた』
『うちの娘は中学生のころ、部活の後輩(男)がヤンキーの同級生や卒業生にボコボコにされているところに、女友達とふたりで止めに入った。その後、先生に報告。被害者の親が警察に被害届を出して、我が子は聞き取り調査みたいなのをされた。いつか”お礼参り”されるんじゃないかと思って、私はしばらく生きた心地がしなかったよ。「たしかにりっぱなことをしたけど、ときには見て見ぬふりも大事だよ」と、我が子には言った』
”見て見ぬふり”の言葉が、子どもを混乱させる?
多くのママたちが引っかかったのは、”見て見ぬふり”という言葉そのものでした。
『”見て見ぬふり”という言葉がよくない。言いたかったのは「手や口を出して相手を刺激するな」ってことだよね? その場でなにもしなくても、先生やまわりの大人に報告するのは”見て見ぬふり”にならないよ。きちんとできることをしていると思う』
『先生が言いたかったのは、「逆に危害を加えられるといけないので、その場では見て見ないふりをしなさい」ってことかな? ”その場”というのが抜けている』
『その場ではなにもしないで、報告しろってことだと思うけど。なにかすると標的がその子になってしまう可能性高いし。上級生ならなおさらね』
我が子には自分の良心にしたがった正しいと思うことをしてほしい。でもママがそれ以上に大切にしてほしいのは、自分の身の安全なのではないでしょうか?
思いやりのある子どもの行動を、まずほめてあげよう!
ではこうした場合、ほかのママたちは我が子にどんなふうに教えているのでしょう?
『うちの子たちにも、”見て見ぬふり”と教えてるよ。うしろから来る人のためにドアを開けておいてあげるとか、その場で完結するような手助けはしたらいい。でも、それ以外は「しなくていい」と。自分の知らない人、学校でも面識のない上級生には自分から関わらない。「なにかあれば大人や兄に言え」と、教えてる』
『うちの娘は昔から注意しては暴言を吐かれ落ち込む、ということが何度もあった。だから「なにかあったら直接注意せずにお母さんにまず報告して。先生にも報告したほうがいいことなら、お母さんから学校に連絡するから」と伝えています』
また自分が正しいと思うことができた子どもを、ほめてあげることも大切かもしれません。トピックスにも投稿主のお子さんを称えるママたちからのコメントが、少なからずありました。
『まずは「だいじょうぶ?」って声をかけてあげられたことを、ほめてあげたい。今回は相手もやられた子もかなり年上だから、巻き込まれないためには”見て見ぬふり”が安心だけど。でも”見て見ぬふり”っていう言葉では、教えたくないな。やさしくて勇気があって、しっかりしたお子さんだと思うよ!』
『声をかけたのは勇気があってやさしくて、すばらしい行動だと思う。私なら「お母さんは〇〇(子ども)が巻き込まれてケガをしないかが、心配。次からは意地悪した人が見ている前では、声をかけてほしくないのが本音だよ。でも、本当にえらかったね」って、ほめてあげる』
やったことそのものはとてもよいことだったと、まずは子どもをほめてあげる。さらに「ただ、次からは……」と、心配するママの気持ちを伝えておきたいですね。
文・鈴木麻子 編集・しのむ
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