古坂大魔王:第3回「目指すのはイクメンじゃなくて“妻サポ”」
世界134カ国で配信され大ヒットとなったピコ太郎さんの楽曲『PPAP』。そのプロデューサーである古坂大魔王さんは、2017年にタレントの安枝瞳さんとご結婚され、2018年6月にお子さんが誕生しました。奥様が妊娠中のときから妊婦検診に付き添い、出産後もお子さんを積極的に面倒みているといいます。そんな姿が評価され、2018年にイクメンオブザイヤーに選ばれた古坂大魔王さんですが、ご本人が実践しているのはイクメンではなく“ツマサポ”だといいます。古坂さんのいう妻サポとは一体何でしょうか?
奥さんは育児総監督。監督の仕事をやりやすくするのが“妻サポ”の役目
――2018年にイクメンオブザイヤーを受賞されたそうですね。おめでとうございます。
ありがとうございます。イクメンということで選んでいただいたのですが、僕がやっていることは、イクメンというより、“妻サポ”なんですよね。
――“妻サポ”とは?
妻のサポートをすることです。僕からしたら、イクメンは、ママから主導権を与えられてやっているという感じですが、僕の場合は奥さんが育児監督で、僕は監督の指示にしたがってサポートするという感覚なんです。育児において主導権をにぎることはないと思います(笑)。
――どんなサポートをしていますか?
たとえば、奥さんがお湯を沸かしていたら、ミルクを作るんだなと思ってお水を用意する。おむつを替えようとするときに、そばにおむつとウエットシート、ワセリンを置いてあげるなど、奥さんがしたい事をスムーズに出来るよう、先回りしてサポートをする事を心がけています。
――そこまでやるなら代わってしまったほうがいいのでは?
そうなんですけどね(笑)。ただ、僕が子どもの世話をしているとき、奥さんは、口は出さないものの僕のやり方を見ていて「そうじゃないでしょ」と思っていたりするんですよ。彼女のほうが子どもと一緒にいる時間が長いから子どものことについてわかっていることも多いし、手際もいい。だから、僕も育児は積極的にやるけど、基本はサポートする側にまわるのがいいかなと思うんですよ。
「やらない」のではなく「何をしたらいいのかがわからない」
――パパによっては何もしない人もいるから、サポートしてくれるだけでもかなりありがたいと思います。
これを読んでくれているママたちに伝えたいんですけど、基本、男は気が利かないし、だらしがないから、ママはすごく大変だと思うんです。だから、パパがおむつを替えるだけで奥さんが助かるってことを知らないパパも多いんじゃないかな。旦那さんがおむつを替えてくれたり、子どもをお風呂にいれてあげたりしたときに、「ありがとう。嬉しい」と言われて、初めて「え? こんなことで喜ばれるの?」って思う人もいるんですよね。
男は単純だからほめられると嬉しい。だからやるんですよ。「やってよ!」といわれると反発したくなるけど、「おむつを替えてくれてありがとう。助かったよ」といわれると、それだけで「あぁ、助かったんだ~」と、ちょっと気分がよくなっちゃうんですよね(笑)。
パパが育児を手伝わない!そんなときはどうする?
――育児に関して何もしないパパの場合、どうしたら手伝うようになりますか?
主導権を1日パパに与えてみてください。そしたらパパもやらざるをえなくなりますよ。
――主導権を与えても何もしないパパもいるかもしれません。
ママは赤ちゃんのおむつも替えない、赤ちゃんが泣いていても放っておく。そしたら旦那さんはやらないですか?
――やらないパパはいると思います(笑)。その前に、子どもが泣いているのを見たらかわいそうになるから、結局ママが自分でやることになると思います。子どもが泣いているのに、「なんでスマホを見ているの?」と、旦那さんに対してイライラするかもしれません。
旦那さんがモテるタイプの人だと、「手伝って」といわれるまで手伝わないということがあるかもしれない。子どもの頃からモテまくった人は、どこかで「オレはモテる」と思っているんです。あ、これはすべてモテない男のひがみ、やっかみですから(笑)。モテていても育児やママのサポートをしっかりとできる人はいますからね! 僕らモテない人間は、女性に対して強くいられないんです。妻のサポートに徹しますよ。
――サポートしてくれる旦那様がいて、奥様も幸せですね。
僕は、奥さんのことが世界で一番かわいいし、タイプです。彼女は僕よりも15歳も年下なのに結婚してくれたので、ありがとうという気持ちがずっとあります。だから育児のサポートくらいしないとだめだよね、と思っています。
育児を手伝わない旦那さんが手伝うようになるためには、具体的な指示と感謝の気持ちを伝えることが大事なんですね。「旦那はゲームばかりして何もやらない」というママたち、今日から実践してみては? 旦那さんが“妻サポ”に成長するかもしれませんよ。次回は、「古坂大魔王、文科省の広報大使になる」についてお話を伺います。
文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ