ほめることが苦手な人は子どもの「部分をほめる」方法を。実践するときの3つポイント
子どもが頑張ったときや何かに挑戦してやりきったときなどに、子どもをほめたり認めてあげたりすることは大事なことだと分かっていても、なかなかできないという方はいませんか? ママスタには、子どもをほめてあげられないと悩むママの声がありました。
『子どもが昨日運動会のかけっこで3位になりました。
「ずっと1番になる!」って子どもが宣言してたけど結局3位。
普通ならすごいねぇとか褒めてあげるはずなのに私は「1番じゃなかったねぇ」と言ってしまいました。普段から私はほめることは滅多にありません。だからか子どもに対しても同じ感じになっちゃいます』
なかなかほめることができないという投稿者さん。子どもが頑張ったときにほめてあげることが大事なことはわかっていても、なかなかできないのだそう。ほめることが苦手な人が無理にほめる必要はないですが、どのように子どもを認めてあげたらいいのでしょうか? 教育評論家の親野智可等先生の言葉をご紹介します。
子どもを褒めるのが苦手な旦那や実母
投稿者さんの言葉に、ほめない母親に育てられ、寂しい思いをしたというママの声が寄せられました。
『うちの母はほめるのが苦手な人だった。
私は社会人を経て専門学校に行ったのですが、首席で卒業したときですら、「同級生はみんな年下なのだから、お前が首席で当たり前」と。
子どもの頃は本当に寂しかったですよ』
投稿者さんのようにママだけでなく、旦那さんが子どもをほめないと悩むママたちもいました。もともと口下手な方もいると思いますが、子どもをけなしたり揚げ足をとったりする姿勢に悩むママも。
『本当に本当に人のことを褒めません! あげ足とったり、いじったりけなすことは言います。何でこんな人と結婚したんだろう。子ども達もかわいそう』
『うちの旦那も褒めない。いじったり、けなしたりもない。常に反応が薄く、何に対しても無関心』
『我が家も褒めることなんて一切ないよ』
『うちもです。人をディスることはピカ一』
教育評論家の親野智可等先生によると、このようにほめることが苦手な人にオススメなのが「部分をほめる」という方法だそう。一体どんな方法なのでしょうか?
子どものいい部分を「見つけ出す」
例えば子どもの日記を見たときの例を見てみましょう。
『文字の雑さや表現の間違いが目につくことが多いと思います。でも、それを叱るのではなく、ほめられる部分を「見つけ出す」という意識で探してみてください』
全体的に字の汚さが目に付いたとしても、まずはよく書けている字や相対的にマシな字を「見つけ出し」ます。ひどい字には目をつむって、ほめられる字をピンポイントでほめて、1つ1つ花丸をつけてあげるのだそう。
『また、正直に気持ちが書けている部分や、おもしろい表現のところも見つけ出してほめます。これを続けていると、日ごとに文字は丁寧になり、表現もよくなっていきます』
子どもの悪い部分だけを指摘するのではなく、できているところを見つけてほめてあげると、「しっかり書きなさい」と言わなくても、自然にできるようになるとのこと。
子どもに直させたいところはほめた後に
もし、どうしても子どもに直させたいところがあるときは、たくさんほめてから最後に「じゃあ、ここだけ直そう」と言えば子どもは喜んで直してくれると親野先生はおっしゃいます。親はいろいろと言ってしまいそうになりますが、ある程度は目をつむり、少なめに伝えるのがいいそうです。
算数や勉強以外の制作については、どのように子どもに伝えるのでしょうか?
『正解でなくても、図を描いて考えた、式を書けた、筆算は合っていた、繰り下がりが書けたなど、ほめられる部分を見つけ出してほめてあげましょう。』
『勉強以外でも同じです。子どもの絵を見て「下手だなあ」と思うこともあるかも知れません。でも、部分に注目すれば「山の色がきれいだね」「このネコ、かわいいね」「足がたくましくて迫力があるよ」などとほめることができます。』
運動をしている場合は、「思い切りバットが振れたね」「全力で走る姿がかっこよかった」「すごくいい声が出てたね」などとできていた部分に注目するのだそう。
子どもの勉強や作品などを見て、言いたいところも多々出てきますが、まずはほめるところを見つけ出し、言葉にしていくことが大切です。親も「すごい」「うまい」というのではなく「この部分がこんな風にできたね」という言葉の表現力がいるのかもしれません。
至らない部分や苦手なことには目をつむる
子どもも性格によっては、何度言ってもできないと嘆くママもいるかもしれません。そんなときには目をつむることが必要だと親野先生は言います。
『性格や行動の面でも同じです。至らない部分や苦手なことには目をつむって、ほめられる部分をほめましょう。
でも、実際は、その反対にほめられる部分には目をつむって、至らない部分を見つけ出して咎めている人がほとんどです。親がこのような粗探しの名人だと、子どもはたまりませんね』
片付けがどうしても苦手な子に、どうしてできないのと怒ってもできるようにはなりません。苦手なことや子どもができないことに多少目をつむり、ほめられる部分を見つけ出すことが大切なのだそう。
文部科学省の国立教育政策研究所の資料には、
『褒めて ( 自信を持たせて ) 育てる』 という発想よりも、「認められて ( 自信を持って ) 育つ」という発想の方が、子どもの自信が持続しやすい』
という記載もあります。子どもを「すごい、えらい」とほめるのではなく、子どもの努力や姿勢を口に出して認めてあげることは、子どもの自信につながります。ほめることが難しい場合は、子どものいい部分を見つけ出し、口に出して認めてあげることが大切なのですね。
この「部分をほめる」方法は、子どもだけでなく、あらゆる相手や状況において使えるのだとか。ぜひ参考にしてみてくださいね。
文・山内ウェンディ 編集・横内みか
関連記事
※「成績」「将来の目標」「親の考え方」が関連!子どもの自己肯定感を高めるために知っておきたいことは- 参考トピ (by ママスタコミュニティ)
- 褒めてあげられない
- 他人を褒めない旦那