体育祭で負けたのは「不登校の子のせい」と悔しがる息子……ママがかけるべき言葉とは?
子どもが汗にまみれて練習に励む運動会や体育祭。がんばっている様子を家で聞いているママとしては、当日に練習の成果を発揮できるようにと願ってやみませんよね。でももしも、お子さんが一生懸命取り組んできた体育祭で満足のいく結果が出ず、しかもそれをクラスの誰かのせいと言い出したら……あなただったらどうしますか? ママスタコミュニティに、そんな難しい悩みが投げかけられました。
『体育祭の後、「あいつのせいでオレらは負けた」と息子が言います。
そんなこと普段は言わないのに、クラス別対抗戦で下位に終わったのがよほど悔しかったようです。
教師生活最後の年になる先生に優勝をプレゼントしようとみんなで練習を頑張ってきたのに、体育祭の練習に一度も来なかった、いわゆる不登校の男の子がその日に限って参加しました。練習で何十回とクリアしていた大縄飛びは彼が引っ掛かり3~4回でアウト。トップだったリレーも彼が走ると次々と追い抜かれ……。「○○くんも勇気出して頑張って学校に来たんじゃないかな、彼なりに一生懸命やったんだよ」と話しても、「あんなに練習頑張ってきたのに」「なんで当日だけ来るんだよ」と何度も言って悔しさが晴れない様子。
気持ちを落ち着かせるために何と言えばいいのか分かりません』
とても複雑な相談ですが、誰かを喜ばせようと頑張ってきたのに他の誰かのせいで台無しになったと子どもが思ってしまう出来事は、他の家庭でも起こりそうですね。こんな時にいったいどんな言葉をかけたら良いのか、ママたちのアドバイスをご紹介しましょう。
頑張りを認めて、気持ちに寄り添う「共感の言葉」を
『息子さんの気持ち痛いほど分かるよ。相談者の気持ちも分かるけど、今は正論を伝えるんじゃなくて子どもの気持ちを「そうだよね」と汲んであげた方が良いかも。落ち着いたら大丈夫だよ』
『本人の前で「お前のせいだ!」とは言わないですよね? 家で学校での出来事や愚痴を話せば、気持ちもだんだんと落ち着いてくると思います。今は体育祭が終わったばかりで引きずってるんでしょうね。「そうかそうか」と聞いてあげるしかないと思います』
『うちの中学生の娘も似たようなことがあったから「悔しかったね」って慰めてあげたよ。「集団でやることだから仕方ないね。本番はそうなってしまったけど、みんな頑張ってたわけだし、周りはそれを見てるから大丈夫。立派だったよ」って』
子どもが家で愚痴を言っているということは、それだけ気を許しているからでしょう。外では言えないことでも本音を吐き出すことで気持ちの整理ができるものです。ママたちも、旦那さんにグチを言ったときに「こうしたらいい、ああしたらいい」と解決策を口にされるよりも、「大変だよね、頑張ってるね」と辛い気持ちに同調して寄り添ってもらうほうが前を向けることってありませんか? それは子どもだって同じ。まずはよく頑張ったことを認め、悔しい気持ちを持つことは仕方ないことを受けとめてあげてはいかがでしょうか。
先生や不登校の子の気持ちを考えさせる「他者の気持ちを想像させる言葉」を
『「それぞれが頑張って練習してきたことは、先生が一番わかってると思うよ。不登校の子が当日だけでも来てくれたこと、先生は嬉しいと思うな。不登校の子も勇気出して参加したんだから、責めるのは可哀想だよ」って言うかな。
不登校の子の立場にも立てる人間になってほしい』
『どんなに練習を頑張っても、結果が伴わないこともある。きっと練習を頑張ってるのを知ってる友達がミスしたら、そこまで思わなかっただろうけど。不登校の子も頑張って出てきて、頑張って競技した結果だろうし……気持ちを受け入れたいね。「先生にとっては、みんなが揃って頑張ったことが何より嬉しいと思う」って諭すかなー』
『「先生にとっては、クラス全員で運動会に参加できたことが嬉しかったと思うよ。もちろん、優勝をプレゼントしようとたくさん練習してたことも喜んでると思う。思った通りのプレゼントができなくて悔しいのもわかるけど、その気持ちを誰かにぶつけたら八つ当りにしかならないよ。そんな八つ当たりして、クラスの雰囲気が最悪なまま先生の最後を飾るの?」かなぁ』
先生にとって本当に喜ぶプレゼントとはなんなのか、体育祭に参加した不登校の子の気持ちはどんな思いなのかについて、想像をうながすという意見も届きました。相談者がすでにやっていることではありますが、自分にはなかった視点を知ることで、考えが変わって気持ちがおさまる子もいるかもしれません。
これをひとつのきっかけに……「成長につなげる言葉」を
『今回は残念だったけど、「本番で何があるからわからないからこそ練習も手を抜かず、あらゆるトラブルを想定して備えなければならない」ことを子どもが理解できるように話すかな。「それで残念な結果になっても、人のせいにしない、人を責めない」って』
『一生懸命練習してきたのにパーになってしまった悔しさは分かる。でも、その子を責めて悪口いったところで済んだことは仕方がない。その不登校の子も、周りの大人に説得されて決死の覚悟で運動会に臨んだのかもしれないし。「来年の運動会は、その子も含めて全員で優勝できるように頑張ろうね」と諭して、心の大きな男になるよう願う』
今回の出来事には、「もっとこうすれば良かったのでは」というママたちのアドバイスもたくさん届きました。もしも次に似たような経験をしたときに今回の経験を活かすことができれば、次こそは本人も満足する結果に近づくかもしれません。今後の成長のきっかけに出来れば、悔しい思い出も価値のある経験に変わるはず。嫌な思い出を自分の力に変える前向きな考え方は、強く生きていく力になりそうですよね!
ママの言葉ですべてを解決できるとは思わないこと
『子どもには子どもの世界がある。親は聞いてあげればいいんじゃないの。まずは受け止めて否定することなく頑張っていた事を認めてあげればいいじゃない』
『担任に相談して、話してもらったら? みんなで意見を出しあういい機会かもよ。家庭の教育だけの問題じゃないからね』
幸い相談者の息子さんはママに心情を打ち明けたことで気持ちがスッキリしたのか、その後は体育祭のことに触れることもなく、次の行事や日々のやるべきことに向き合っているそうです。 やるせない気持ちを子どもから打ち明けられたら親としてはなんとかしてあげたいと思うもの。でも、子どもは言うだけ言って次のステップに一人で進んでいけることもあるようです。ママの言葉だけですべてを解決できるとは思わずに、子どもが持つ乗り越える力を信じることも大切ですよね。成長して世界を広げている子どもだからこそ、外の世界の手助けをかりることも考えてもよいかもしれません。
今回の相談には、“一番先生が喜ぶプレゼントは何なのか”、“勝つことだけが全てなのか”、“不登校の子の参加の仕方について”など、ママスタコミュニティの議論は熱をおびました。ここではご紹介しきれなかったので、興味のある方はぜひママスタコミュニティものぞいてみてくださいね。
文・小栗あゆみ 編集・しらたまよ イラスト・Ponko
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