クレジットカードを使って「海外旅行保険料」を節約する方法
海外に行く際は、万が一にそなえて海外旅行保険に加入しておきたいもの。とはいえ、家族全員分の保険料を支払うとなると、けっこうな額になることも。そんなときに役立つのが普段使っているクレジットカードに付帯された海外旅行保険です。利用方法と注意点について、生活コスト削減コンサルタントの生方さんにお話を伺いました。
自動付帯と利用付帯、その違いは?
クレジットカードには「海外旅行付帯保険」がついている物もあります。カードに付帯されているものであれば、特別な料金を支払うことなく保険が使えるので、金銭的にはとってもお得です。
クレジットカードに付帯されている海外旅行保険には、利用付帯と自動付帯があります。
年間費の高いゴールドやプラチナカードの多くは自動付帯で、旅行に出かけるだけで自動的に保険のスイッチがonになります。これに対して一般カードの場合は、ツアー代金や航空券の購入をする。もしくは空港までの公共交通機関の支払にクレジットカードを使うことで初めて保険のスイッチがonになる利用付帯の物が多いそうです。
妻と子どももカバーされている?家族特約の注意点
通常、クレジットカードの海外旅行保険で補償されるのはカード所有者のみ。これに対して、家族特約とは所有者以外にも、配偶者、子ども、親が保証範囲にはいるというものです。ただし、カード会社ごとによって保証内容が異なりますが、基本的には生計を共にしている家族。つまり扶養に入っていればOK、働いていたら対象外となったりします。ご主人の扶養から外れている奥さんの場合は、海外旅行に出かける前に自分のクレジットカードの保証内容を確認しておきましょう。
利用付帯で保険が有効になるのは支払った人の分だけ
次に気をつけたいのが空港までのタクシーの利用。家族みんなで乗車した場合、支払いに利用したカードの海外旅行保険だけしか有効になりません。「移動が楽だから空港までタクシーで行こう」となった場合、いざというときに保険が支払った人しか保証されない、なんてことになるので注意が必要です。
死亡保証は1000万円なのにケガや病気はゼロ
もう1つ気をつけなければいけないのが、保証の内容。クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、カード会社によっては死亡保証が1000万円ついているのに病気やケガ・盗難・損害賠償などについては保証が0、または、治療費の上限が50万円なんてことも。たとえば、アメリカで盲腸の手術をした場合は、300万近くかかるといわれています。カード1枚だとカバーしきれない可能性も……。そんなときのために、複数のカードを持ち保証枠を上げておくことをおすすめします。
子どもを連れて行く海外旅行は思わぬケガや病気で病院のお世話になる可能性が高くなります。海外旅行保険の出費を抑えながらも、必要な保証を確保して、心に余裕を持って家族で楽しい思い出を作りたいものです。
取材、文・長瀬由利子 編集・横内みか