<余命半年の義母>実母が夫に「妻子を犠牲にした親孝行はNG!」私が出した結論は【第10話まんが】
前回からの続き。私は30歳のチハルです。夫のリョウマと結婚して双子の女の子(アカリ、マヒル)を授かりました。妊娠を伝えたとき「1人、堕ろすんでしょう?」と言ってきた義両親。産まれた後はかわいがってくれましたが、私は到底許すことはできません。そんなとき義母の病気がわかり余命半年と言われます。義母は動けるうちに私たち一家と北海道旅行に行きたいと希望してきましたが、私は生後2か月の双子を連れていくのは非現実的だと断ります。「最低最悪の嫁」とののしられ、私はついに堪忍袋の緒が切れました。そしてリョウマは義実家へ、私は子どもたちを連れて実家へ帰ったのです。
母が夕食を終えてひと段落していたときのこと。インターホンが鳴り、やってきたのはリョウマでした。
「チハル以外の『大人の手3人』はきちんと稼働する? 好きなだけ孫を愛でてのんびりゆったり過ごすつもりでいる『大人の手3人』と、チハルの意識や行動はまったく異なるからね? 『チハルの息抜き』を考えるなら、あなたがチハルの代わりにワンオペ育児してあげたらいいんじゃないの?」
「い……いやぁ……ハハハ……」「そういえば結婚の挨拶のときにさ……。『チハルさんを一生大切にします』とか言ってたねぇ。もう約束破るの?」
「さ、今日のところは帰りなさい。今のリョウマ君をチハルやアカリやマヒルに会わせられない。夫として、父親として覚悟が決まったらまた来なさい」そんなやり取りを知らない私は、リョウマが帰っていった後に入れ違いで2階から降りてきました。
「チハル、これからリョウマ君とどうするの?」「ん-、正直わかんないや。こんなに頼れない男だとは思っていなかったし……。今は離婚したくて仕方ない気持ちでいっぱいだけれど、とりあえず1人で生活していけるだけの経済力をつけなきゃかなー……なんて」「そっか。ま、そういう選択もアリだよね……」そして数日後。
リョウマのなかでは改心するきっかけになった何かがあったようです。結局私や子どもたちは旅行へ一緒に行かなくてもいいことになりました。リョウマが頭を下げて謝る姿を見て、私は実家から戻ることを決めました。
旅立つまでの1年間、義母は穏やかな時間をたくさん過ごせたようです。本当のことを言うと、義母の最後の頼みを断ったことに罪悪感がないわけではありません。でもどうしてもあのときは「ムリ」以外の言葉は出てきませんでした。
言い争いになったあの日以来、私は義実家との関わりを断ちました。義両親の顔も見たくなかったし、双子育児に追われて義実家を気にするどころではなかったのです。次に義母と対面することになったのは葬儀のときでした。リョウマは義母の闘病生活に寄り添い続け、最後は後悔なく送り出せたようです。
アカリとマヒルは2歳になりました。最近になってようやく、双子を連れての旅行も現実的に考えられるようになってきたところです。リョウマも父親として、日々一緒に頑張ってくれています。これからも子どもたちのことを第一に考えていきたいと思っています。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・煮たまご 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子