<平等とは>クリスマス会にアレルギー対応ケーキを用意してほしいと言われた。それっておいしいの?
年に1度のお楽しみ「クリスマス会」。子どもたちの喜ぶ笑顔が見たくて、ママたちは早くから準備に追われていることでしょう。しかし、昨今さまざまなアレルギーを抱えている子どもも珍しくなく、せっかくクリスマス会なのにみんなと同じものが食べられない……なんてことも。今回寄せられたのは、食物アレルギーをもつお子さんのママからもちかけられた提案について、どのように対応すればいいか悩むママからのものでした。
『クリスマス会に参加する子のママから、「うちの子は食物アレルギーがあって、用意されるケーキなどが食べられない。みんなと同じものが食べられないのはかわいそうだから、会費を値上げしてでもアレルゲン不使用のケーキにしてほしい」と言われました。みなさんならどうしますか? 会費は1,000円で、値上げ幅は400~500円程度となります』
卵・牛乳・小麦粉が使われているケーキは食べられないわが子のために、みんなで食べられるものを用意してほしいとお願いされた投稿者さん。せっかくだからみんな平等に食べられるように会費をあげてでも対応するべきか、1人のために会費を値上げまでしてやるべきかと悩んでいるようです。もしかすると、みなさんもいつ同じ状況で悩むことが起こるかわからないこの問題。ママたちはどのような反応を見せるのでしょう。
子どもたちが楽しめるなら500円程度の値上げはOK!
『年に1回のイベントだし、別にいいかなって感じ。それで楽しく終わるならいいよ』
『OKだと思う。子どももアレルゲンがどういうものか勉強できる機会になるし』
ママたちからの反応はおおむね「値上げしてもOK」というものでした。声にもあるようにクリスマス会は年に1回しかないイベントですから、子どもたちみんなに楽しんでもらいたい。ママたちはそう願うのでしょう。数百円の差額を払うことで、よその子もわが子も笑顔になれるなら安いものかもしれませんね。また「この機会に食物アレルギーについての食育ができそう」と語るママも登場。1人の困りごとをみんなで学びながらシェアしていく試みも意義があって素晴らしいですよね。本や説明だけでは理解しにくいことも、実際に目にすることで理解度や解像度もアップしそうです。
OKだけど……条件はある
『お金は出してもいいけれど、食べ物類の準備はそのお母さんにお願いする。アレルギーの責任は取れないから』
『賛成だけど、私は準備したくない。アレルギー食に詳しくない私が用意をして、万が一アレルギーのある子になにか起こったら、大問題になりそうで怖い。だから口に入るものはすべて、アレルギーをもつ子の親が用意してほしい』
会費の値上げに異論がないと語るママのなかで目立っていたのは、「誰が準備をするのか」問題。アレルゲンの除去は、なんとなくわかっている程度で準備するのは怖いもの。単純に今回あげられている卵・牛乳・小麦粉を避ければいいというわけでもないでしょうし。市販品に記載されている食品表示などを見ると、アレルゲンが使用されていなくても、生産している同じ工場内でアレルゲンの取り扱いがあるという注意喚起が記載されていることもあります。つまり相当に気を使える・知識がないと難しいだろうとママたちは考えたのでしょう。そうなると、口に入るすべてのものの準備は、アレルギーをもつ子のママが担当する、もしくは買い出しなどに常に立ち会ってもらうほうが安心ですね。
平等って何だろう
『何にアレルギーがあるとか人それぞれ違うので、全員の希望がかなうものを用意するって大変ではないかなあ。それなら自分の食べられるケーキを各自で用意したほうがいいと私は思う』
『アレルギーの子ばかりを優先して、アレルゲン除去ケーキを用意した場合、他の子たちがおいしく食べられるのかな。ならケーキはなしにして、他のものでクリスマスっぽくしたらだめなのかなって思っちゃった』
食物アレルギーをもつ子が、みんなと同じものが食べられず悲しい思いをしないよう、会費をアップしてでもアレルギー除去のケーキや食べ物を用意する。これを平等と言い切っていいものか。ママたちの声を見ていると思わず考え込んでしまいそうです。万が一用意したケーキや食べ物が、アレルギー除去食を食べなれていない子どもたちの口に合わなかったら……どうなるのでしょう。それはそれでかわいそうとなると、平等ではない気もしてしまいます。それならば、それぞれ自分が食べる好きなものを持ち寄ったほうが平等な気もしてきますよね。ケーキや豪華なごちそうなど、食べ物は用意せずクリスマスらしさを演出する方法だってあるかもしれません。
アレルギーをもつ子のママたちからの声
『アレルギー対応のケーキって食べたことある? 私はアレルギーもちだからなれているけど、アレルギーのない子が食べておいしいものではないと思う。だから、かわいそうでもアレルギーのある子は、食べられるものを持参することが一番いいと思うよ。自分だけ同じものを食べられないってことに慣れていかないといけないからね』
寄せられた声のなかには、実際に食物アレルギーがある子どもをもつママや、自身が食物アレルギーをもつというママからの声もありました。みなさん一様に、別途自分たちで用意するので、アレルギーがない子たちは気にせず食べたいものを食べてほしいと話していました。これは遠慮しているという意味もあれば、食物アレルギーがあるわが子を守るためとも考えられそうですよね。親が管理してあげられればわが子の笑顔は守られる。みんなと同じものを食べられなくてもかわいそうなんかではないと、食物アレルギーのある子をもつママたちは日々頑張っていることでしょう。そう考えると、周りが「同じものを食べられなくてかわいそう」と本人たちに聞こえるように言ってしまうことも避けたいですね。
みんなで楽しめる方法、考えてみませんか?
せっかくのクリスマス会、食物アレルギーをもつ子ももたない子も、みんなが同じように楽しめる方法はないものか。なかなかこれといった明確な答えはないかもしれません。しかし、大人も子どもも、食べることについて考えるいいきっかけになるのではないでしょうか。
思い切って参加する子どもたちで意見を出し合って、どのようなクリスマス会にするのかを考えてもいいですね。多様性を認め合う方向に進んでいる世の中ですから、食物アレルギーをもつ子ももたない子もどんどん意見を出し合って、これまでの常識を覆してしまってもいいと思います。ぜひ、みんなで楽しめるクリスマス会を考えてみてくださいね。
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・春野さくら
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