成人の高校生、遊びすぎて帰宅が23時に。「条例違反ではないから」と言うけれど危なくない?
子どもが成長するに連れ、増えていく悩ましい問題のひとつ「帰宅時間」。成人年齢が引き下げとなった2022年4月以降は、「高校生でありながら成人」という区分もできたので、親はわが子を大人扱いするのか子ども扱いするのか、難しい判断を迫られているかもしれません。遅くまで出歩いてほしくない親と遊びたい盛りの子ども、どのように思いをすり合わせていけばいいのでしょう。
『高3になる息子は推薦で大学に合格しました。進路が確定したので、同じように進路が確定した友だちと放課後などによく遊ぶことが増えたのです。しかし、いつも23時前にならないと帰宅しません。わが家の門限は22時。その都度「補導されでもしたらどうするの」と話しているのですが、「県の条例で23時まで外にいてもいいから構わない」と言い返してきます。進路に影響はないかもしれませんが、親としてどう対応すればいいのでしょう』
成人でありながら、まだ高校生のわが子。23時前には帰宅しているとはいえ、門限として決めている22時に帰ってくることはほとんどないのだそうです。万が一補導でもされて、推薦が取り消しにでもなってはいけないとたしなめる投稿者さんに対し、条例を持ち出してまで反論してくるとは、なかなか手強そうですね。この問題、ママたちはどのように受け止めるのでしょう。
県の条例以前に家庭のルール
『「県の条例より家庭の条例を守りなさい!」と言ってやるかな。小さなルールを守れない人が大きなルールを守れるようにはならないからね』
『ことあるごとに条例や法律を盾にしてくる人は、ろくなものではないと私は考えている。そのような大人にさせないためにも、「社会の最小単位は家庭だから、とりあえず家庭のルール・約束を守れる人になってください」と突きつける』
国や都道府県・市区町村が定めたルールは指針にもなりますし、守られるべきもの。しかし家庭のルールもできる限り守るようにしなくては、家庭というコミュニティが崩壊してしまいかねません。家庭内のルールがあまりにも不条理であったり、無理難題であったりするのであれば別ですが、今回は違いますよね。わが子の進路に影響が出ないか、遅い時間に外にいることで不用意な事故やトラブルに巻き込まれるのではないかといった、親が子を心配するからこそ定められたルールです。子どもにしてみれば「大きなお世話」かもしれませんが……。
子どもに納得させられるルールかどうかを考えよう
『22時までに帰宅しなければならない理由は?』
『補導されたら決まっている進路が台無しになる。そのような理由を早く帰って来なくてはいけない理由にしているのなら、息子さんの言っていることは間違っていないと思う』
ルールを決める際に大切なことのひとつは、なぜこのルールが必要なのかを明確にすることです。なんとなく22時までと決めたとか、補導されて進路が台無しになるかもしれないから22時までに帰宅するようにしてもらいたいとか。これでは22時までに帰宅しておかなければならない理由として、曖昧すぎますよね。このような理由で子ども側は納得してくれるでしょうか。友だちとの楽しい時間を切り上げてまで、約束の時間に間に合うよう帰るわけです。それ相応に納得できる理由でなければ耳を貸してくれないかもしれません。そう考えると条例で許可されていることを盾にされても仕方がないかなとも受け取れそうです。
22時までに帰宅してほしい「明確な理由」を考える
『事件に巻き込まれる可能性は、深夜になればなるほど高まるから、22時には帰ってらっしゃい……とかどう?』
『23時に帰宅するつもりで出歩いていると、他人の事故や事件に遭遇する可能性が高まる。そうなると、帰宅は日付を跨ぐ可能性も出てくるよね。たとえば深夜の人身事故とか。下手をすると運行再開が翌朝の始発になるなんてこともあるし。このようなことを伝えて、余裕のある行動ができるよう22時までに帰宅してほしいと話してみたら?』
これはこれで曖昧な理由と感じるかもしれません。しかし、「補導されるかも」とか「大学の推薦が取り消されるかも」という、起こるかどうかもわからない曖昧さとは違い、実際に起こり得ることを想定していますよね。万が一に備え、余裕をもって行動してほしい。だから22時までに家につくよう動き出してほしい。これなら22時までに帰宅することへの意味が出てきますよね。今後の人生で、余裕ある行動を心がけることはさまざまなシーンで必要になりますし、その練習も兼ねてなどと話してもいいかもしれません。
家庭のルールを守ってもらうため親子でルール決めを!
22時と23時では1時間ぐらいしか変わらないと思うかもしれません。もう大学の推薦も決まっているし、成人しているのだからある程度は寛容になってもいいのではという意見もありました。しかしそこは各家庭の判断によって結論が異なります。22時までに帰ってくることが家庭のルールであれば、その理由を明確にし、条例がどうのこうのではなく、まずは家庭のルールを守ってほしいとお子さんに話してみましょう。お子さん自身にも23時までにしてほしい明確な理由があれば聞いてみてもいいかもしれません。
お子さんも家族・家庭というコミュニティに属しているのですから、一緒に納得の行くルール作りをしてみてください。どうしても聞き入れてくれないなら、「せめて高校生の間は家のルールを守る」などの期限を付けてもいいかもしれませんね。
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・カヲルーン
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