<未練でしょ!>ダンナの元妻が、ダンナの名字を名乗っている。さっさと旧姓に戻してほしい!
離婚する夫婦も珍しくなくなった昨今は、その後また別な相手と出会い再婚することもあるでしょう。仮に結婚した相手がバツイチだったら、かつてのパートナーが気になったりもしそうです。ただし、どこまで気にするかは人それぞれ。考え過ぎは自分を苦しめることにもなりかねません。
『ダンナの元奥さんが、ダンナの名字を名乗っているのが嫌』
ママスタコミュニティに、こんな投稿がありました。
迷惑?ダンナの名字をずっと名乗り続ける元妻
「自分なら、離婚した相手の名字なんて名乗りたくない」という投稿者さん。たしかに嫌いになって離婚した相手なら、その名字を名乗り続けることに抵抗感はありそうです。
『さっさと旧姓に戻せばいいのに、いつまで名乗る気? 子どもも大きいのに。元奥さんはダンナのことが好きだったみたいだから、未練かな?』
今の日本では結婚した際、ふたりのうちの一方が必ず姓(名字)を変えなくてはいけません。内閣府の「夫婦の姓(名字・氏)に関するデータ」によると、姓を変えるのは女性が圧倒的に多く、2021年時点の調査でも全体の約95%を占めているとか。夫婦別姓も時折話題になりますが、いまだに実現していないのが現状です。
離婚をするとどうなるのでしょう? 民法によれば結婚時に姓を変えた側は、原則的に結婚するひとつ前の姓(父母の姓など)に戻る必要があります。ただし離婚の日から3ヵ月以内に届け出れば、結婚していたときと同じ姓を名乗り続けることができます。投稿者さんがいう”元奥さん”は、この手続きを踏んだようです。
婚姻時の姓を名乗り続けているのは、子どもへの配慮では
寄せられたコメントのなかには、投稿者さんと同じ状況の方もいました。
『わかります! 普通に迷惑。心のなかでは「同じ名字を名乗るな!」と思っています。離婚時は子どもが小学生だったから、旧姓に戻さなかったのかなと思うけど』
投稿者さんもこの方もそうですが、元奥さんが結婚時と同じ名字を名乗り続けているのは子どものためと想像しているようです。
『子どもにとってみれば、生まれたときからずっと使っている名字。そこを考慮してじゃない?』
『私は今後離婚しても、旧姓には戻さないよ。子どもと違う姓になるのは、抵抗があるからね』
他のみなさんも、やはりそこを一番大きな理由と考えていました。実際に離婚を経験し、旧姓には戻らなかったママたちも「子どもたちが名字を変えたくないと言ったから」「私は嫌だけど、子どもの意志を尊重して」といいます。
法務省が令和2年に行った「協議離婚に関する実態調査結果」によると、離婚をする前に子どもに対して名字変更についての話をした人は全体の32.5%。名字が変わることについて、子どもの意向を反映した人は18.4%でした。
数字だけを見ると決して多いとはいえませんが、話をしなかった理由の80.6%は「子どもが幼かったから」。まだ自分の名字を認識していない年頃の子であれば、配慮は不要と考えたのかもしれません。
両親の離婚により、名字が母親の旧姓に変わった経験者からのコメントもありました。
『子どもからすると、本当に面倒くさい。中学3年生という微妙な時期だったから、中学校の友達にはどちらの名前でも呼ばれた。高校以降の友達といるときに前の名字で話しかけられて、変な空気になったことも』
離婚が珍しい環境にいたそうなので、お友達もそこまで気が回らなかったのでしょう。子どもの意志を尊重したママたちを「やさしいね」と、うらやましく感じるようでした。
旧姓に戻さない理由は、他にもいろいろあります。
『戻すと面倒が多い。日常的に接している人に、いちいち「名前変わりました」と言うのは大変。プライバシーだって守りたいから、「離婚しました」とも言いにくい』
『名義変更は戸籍だけじゃない。運転免許証、銀行口座、会員カード、受診券。仕事なら社員証、名刺、メールアカウント、客先とか。それらを全部変えるのは大変です。子どもがいれば、その人数分の手間も増える』
結婚したときに名字が変わる経験した人は、当時の煩わしさを覚えているのではないでしょうか。同じ面倒を繰り返すのかと考えると、「このままでいいか」となってしまうようです。結婚の場合は「おめでとう!」という周囲の祝福もありますが、離婚の場合は逆に気を遣わせる可能性もあります。
『私は離婚しても、姓はそのままにしておくつもり。気に入っているから』
案外多かったのが、こうした声。「旧姓が好きではない」「旧姓は読み方が特殊なので、いちいち説明するのが面倒」といった人もいました。
名字が同じ他人は、世のなかにたくさんいる。気にするだけ損
投稿者さんは「子どもも大きくなったのだし、戻してほしい」といいますが、一度選んだ名字はそう簡単に変えられるものではありません。
『「子どもが大きくなったから」なんて理由では、難しいのでは? たしか旧姓に戻したい正当な理由がないと、認められないはず』
コメントにもあるように、戸籍の姓を変更するには家庭裁判所の許可が必要です。やむを得ない事情がなければ、認められません。「やむを得ない事情」とは、「姓を変更しないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合」です。事情が「離婚した元夫の、今の妻が嫌だと言うから」だけでは……どうでしょうか。
『同じ「佐藤」でも無関係の「佐藤」だよ』
よほど珍しい名字なら別ですが、同じ名字でもまったく関係のない人は世のなかに多くいます。「それはダンナの名字じゃなく、その人の新しい名字。同じようでまったくの別物だよ」という声もありました。
元奥さんの未練についての言及もありましたが、「むしろ未練も興味もないから、同じ名字でも気にならないのでは?」という声も多数。名字が同じだけの他人を気にする必要は、まったくありません。現状に自信を持てば、小さなことは気にならなくなるのではないでしょうか。過去ではなく、今と未来に目を向けることをおすすめします。
文・鈴木麻子 編集・すずらん イラスト・Ponko
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