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新潟県三条市 滝沢亮市長・第1回「実は周りに助けられているパパ。子育て世代の市長が取り組む支援」

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新潟県三条市で市長を務める滝沢亮(たきざわりょう)市長(37歳)。東京で弁護士として働いたのち、地元、新潟県三条市に戻り市長として活躍しています。現在2児のパパでもある滝沢市長に、自身の子育て話を交えながら、三条市の子育て支援、移住サポート、不妊・不育助成費などについてお話を伺いました。
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豊かな食生活とものづくりの街・三条市

──滝沢市長は新潟県三条市出身ですね。三条市の魅力について教えてください。

滝沢亮市長(以下、滝沢市長):三条市は新潟県の中央部に位置し、約93,000人が暮らす街です。米をはじめ、桃、なし、巨峰、シャインマスカットなどの産地としても有名です。また、海も近く、飲食店や居酒屋では新鮮な海産物が豊富。毎日豊かな食生活が送れます。「金物のまち」「ものづくりのまち」、最近では「アウトドアのまち」としても有名で、産業が発展していることもあり、移住する人も多いです。移住してきた方もお仕事しないと生活することができないと思うんです。働くところがある、産業がしっかりしているのが三条市の特徴であり、強みだと思っています。

弁護士から市長へ。地元に戻って地域貢献を

──滝沢市長は、以前、東京で弁護士をしていました。なぜ地元の三条市に戻り、35歳という若さで市長に立候補しようと思ったのでしょうか?

滝沢市長:一番の理由は「生まれてから高校を卒業するまで育った三条市」が、自分を形成するうえでのアイデンティティになっているからです。現在弁護士は、日本に約4万人います。それにくらべて全国の市町村長の首長は1,720人ほどでしょうか。自分にしかできないことをしたい、地元に貢献できる仕事をしたいとの思いから、34歳のときに市長に立候補しました。

── 滝沢市長は、現在2人のお子さんのパパでもあります。子育てにかける思いなどはありますか?

滝沢市長:私たち夫婦としては、確固たる教育方針や食に対するこだわりなどがあるわけではないんですよ(笑)。子どもの服も、まわりの人から譲っていただいたおさがりなどを着せていますし。しいていうなら、三条市は自然豊かな地域なので、のびのびとおおらかに育つようにと願っています。

──三条市は親子三世代で住む方が多いのでしょうか?

滝沢市長:同居をする人もいれば、実家のそばに家を建てて生活する人もいてさまざまです。ただ地元で育ち、家庭を築く人は多いと思います。それもあって、まち全体で子育てをする雰囲気があります。

わが家も現在親と同居で、かなり手助けしてもらっています。わが家は今年(2023年)2月に2人目の子どもが生まれたんです。私はお風呂当番をしているのですが、2人目にもなると扱いに慣れてきました。それでも、人手があるとやはり助かりますね。

──三条市では、不妊・不育症の助成事業や子どもの医療助成費を18歳まで延長、市内に大学設置など、子育て政策と教育に力を入れている印象があります。

滝沢市長:私の中学校の同級生が、旦那さんと子どもと地元に戻ってくることになったのですが、三条市じゃなくて隣の市に家を買ったんです。「隣の市の方が子育て政策がしっかりしていたから」だと聞きました。今の若い方は、ネットなどでいろいろな市町村の子育て政策や情報をキャッチしていて、すごいですよね。そういった声を聞いて、子育て政策を拡充させようと思いました。

──子育て世代など、引っ越してくる方などに変化はありましたか?

滝沢市長:それはすぐに数字として出るものばかりではないと考えています。移住者を迎え入れることも大切ですが、まずは住んでいる方の満足度を高めることが重要です。これからも市民の方の要望を聞いて、政策に反映させていきます。

※本記事は2023年8月に取材を行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

第2回へ続く。

取材・編集部、文・間野由利子 編集・荻野実紀子 イラスト・善哉あん

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