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声優・能登麻美子さん【第4回】まずはママ自身が笑っていられる事。自分をよしよししてあげてください

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前回からの続き。癒やしを感じる特徴的な声で、幅広い役柄を演じている声優・能登 麻美子さん。1児のママでもあるため、お仕事に育児に家事と、私たちと同様に多忙な日々を送っているようです。
連載最終回となる今回は、そんな能登さんの“自分時間”について。ママたちへのメッセージも含め、穏やかな人柄が見えてくるインタビューとなりました。
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無理なくその日にできることで、自分が機嫌よくいられたら

 ──毎日のなかで、自分の気持ちを切り替えるためにしていることはありますか?

 能登麻美子さん(以下:能登さん):気持ちの切り替えは、大事ですよね。今はよいルーティンをどれだけ見つけてできるかを、自分のなかで模索中ではあるのですが。

私は香りが好きなのでよい香りのルームスプレーでリセットしたり、マッサージ機器を使ったり。ゆっくりお風呂に入れない日が続いた時は、子どもが寝てからもう一度湯船に浸かったりします(笑)。出先でコーヒー1杯のめたら幸せですね。その日その日にできることで自分がなるべく機嫌よくいられて、少しでも笑っていられるように心がけています。

 ──そうした自分のためだけの時間は、意識して作っているのですか?

 能登さん:そういうときもありますね。ただ、以前に“ひとりの時間がないとリセットできない”というように、そこにこだわりすぎて辛くなってしまったことがあって。今はその時間がないときは「じゃあ、近いうち、どこかあるかな?」とか、あまり決め込みすぎないようにしています。モヤモヤが溜まったときは、家の周りをとりあえず走ったりするようなこともあります(笑)。

作品に生身の温もりが感じられるような活動をしていきたい

──走ったりも! ママになってからもたくさんお仕事されている印象があるので、大変でしょうね。

能登さん:みなさんの目にそんなふうに映っていることは、ありがたいです。ただ出産前に比べると、どうしてもご縁をつなぐ難しさもあって。それでも40代50代と、お仕事のご縁がある限りはなるべく細く長くやっていけたらいいなと思っています。

 ──ご縁も大きいとは思いますが、今後やってみたいお仕事はありますか?

 能登さん:私は基本的にはいただいたご縁を大切にしたいと思うタイプで、自分から「これがやりたい!」と強く出ていくことが少ないのですが。ただ子どもを持ったことで、いくつか考えるようになったことはあります。

──例えばどんなことですか?

能登さん:具体的なところでいうと、朗読や読み聞かせです。わが子と密に関わる時間は限られているとは思うのですが、今後子どもが手を離れるようなことがあっても、朗読や読み聞かせはママさんたちの輪のなかでできたらいいなと。人形劇、あと最近は紙芝居もいいなと思うようになりました。作品に生身の温もりが存在するような活動を、この声を通してやっていけたらいいなと思います。

もちろん子ども向けの作品も、ご縁をいただければ以前よりも確実に喜びが増すと思います。

ママが健やかに笑っていられることが、何より一番大事

 ──楽しみにしています。最後に読者のママたちへ、ひと言お願いできますか?

 能登さん:自分も子育てしながらつくづく思うのは、ママ自身が癒やされること、満たされること、笑顔でいられることの大事さです。初めてのことばかりのなかで葛藤したり、苛立ったり。ママはそうしたいろいろなものを抱えながら、家族というチームがうまくやっていけるように頑張っている。本当にすごいなと思います。だからまずは何よりも自分自身をいたわって、大事にしてほしいです。

実は私も産後に、しんどくなってしまった時期があるんです。気持ちの落ち込みがひどく、感情をコントロールできず悩みました。そのときもらって印象に残っているのが「点で見るのではなく、長い目で見よう」という言葉。一生懸命な時期ほど難しいことではあるのですが、長い目で見たときに子どもと自分、家族というチームとその周りが笑っていられればいいなって。だからまずはママ自身が癒やされ満たされ、笑っていられることを強く願います。

 ──それでもすごくイライラしてしまうときも、やっぱりあります。

 能登さん:もちろんです。すぐ笑顔にはなれないので、まずは怒りをワーッと出しちゃうのもアリだと思います(笑)。そのあとで「ああ、やっちゃった……」となるかもしれませんが、そこまで溜まる前に自分を“よしよし”してあげることも大事かなと。

怒りや悲しみも、出すことをそれほどためらわなくていいと思います。出し切ったらそのあとでプラスの気持ちを入れて、上手く循環させていけたらいいのかなって。もちろん私自身も含めてのことですが。ママたちが健やかに笑っていられること、それが一番大事だと思います。

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取材・編集部 文・鈴木麻子 編集・しらたまよ イラスト・金のヒヨコ

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