<貯金ゼロのリスク>奨学金を借りる?借りない?「念のため」利用で助かった体験談も
わが子の将来に備えてお金を貯めている家庭は少なくないでしょう。いまも毎月コツコツ積み立てているママもいるのでは? しかしそうやって貯めてきたお金が、想定していたほどの金額には満たなかったとしたら。もしくは、想定していたよりも出費が多くなりそうだったら。みなさん、どうしますか?
ママスタコミュニティに、奨学金利用について尋ねるトピックがありました。投稿者は、大学進学を目前に控えたお子さんのママ。奨学金なしでも進学できるそうですが、その場合は家の貯金がほぼなくなってしまうリスクがあるといいます。
進学費用はあるけれど、使ってしまうと貯金がゼロに!
お子さんの進学先が国公立なのか私立なのか、進学後も自宅で暮らすのかひとり暮らしをするのかは不明です。具体的にどれくらいの金額を奨学金でまかないたいのかはわかりませんが、「貯金がゼロに近くなる」のはたしかなようです。
『奨学金を利用するかどうかで迷っています。お金に関しては全部私が管理しているので、ダンナは当てになりません。ちなみに奨学金は子どもに将来払わせるのではなく、私が払う予定です』
トピックを見た方々が心配したのは、貯金がほぼなくなってしまうリスクです。
『事故や病気、天災に遭ったらどうするつもり? 子どもに大学を辞めさせるの? 余剰金は最低でも、生活費の1年分は欲しいよね』
コメント欄には心配する声が並びました。お子さんの学費にすべてつぎ込んでしまったあとで、予期せぬことが起きたとしたら。貯金は、いざというときの保険でもありますよね。「そんなに自分の健康に自信があるの? 地震も怖くないの?」と尋ねる声もあります。
そして思い返してみてください。実際にその「いざというとき」が、ありましたよね……最近。
『コロナ禍でバイトができなくなった学生が、大学中退するしかなくなった。そんなニュースが注目されたよね。奨学金を借りていれば、そんなことにはならなかっただろうに』
親が病気や事故などでそれまでと同じように働けなくなるのも、珍しいことではないようです。
『友達のダンナさんが病気になり、在宅ワークに。給料が減って大学費用がまかなえなくなったので、私の友達がダブルワークしている。奨学金を借りていればこんなことには……』
当初は「このくらいの学費なら払える」と考えて、子どもを進学させたのでしょうが……。貯金ゼロだと学費はもちろん、生活自体も危機に陥ってしまうかもしれません。
少なくなかった「払えるけど借りる」家庭。そのわけは?
大学では高校までとは比べ物にならないほど、大きな費用がかかります。投稿者さんのような例はけっして特殊ではないようで、「私も今同じ状況で悩んでいる」といったコメントも。実際に奨学金を利用したママたちからの声もありました。
『一応借りておいて、使わなかったら卒業後に一括返済すれば? うちはその予定で借りて貯めておいたけど、コロナ禍で収入が減ったり息子がバイトに入れなくなったりしたから、借りておいてよかった』
こちらの家庭ではコロナ禍で収入が減額してしまった分だけのお金を奨学金で補い、息子さんが卒業後に返済したそうです。全額返済となると10年以上かかるケースもありそうですが、一部だけであれば負担も軽減されますね。
『うちの子は今年から大学生。奨学金は借りますよ。物価高もあるし、今のご時世どこでどうなるかわからないから。貯金で足りれば手をつけずに、一括返済する予定』
どうやら”保険”という意味から利用している家庭が、実は少なくないようです。このコメントの方と同様に「借りた分に手はつけていない」「卒業後に親である自分たちが一括返済するつもり」という声が目立ちます。もちろん費用がまったく足りずに利用している家庭もあるはずですが、こうした方々のように「念のために」利用している家庭もありそうです。
奨学金は利子が低いって本当?親にもありがたい制度
『子どもに借金を背負わせるかどうか、だよね』
貸与型の奨学金利用をためらう家庭が多いのは、やはりここが理由です。基本的には大学を卒業して働きはじめた子ども自身が、少しずつ返済していく前提です。社会人としてのスタート時から借金を背負わせることを、不安に感じる親は多いでしょう。
しかし投稿者さんの場合は「自分が払う」と決めています。
『選択の余地なし。生活費が足りなくなったらどうするの? 消費者金融やローンを利用するくらいなら奨学金のほうがマシだよ』
『とりあえず少し借りておこうと思っている。急にまとまったお金が必要になったとき、奨学金のほうが金利は安いんだよね?』
多くの学生が利用している「日本学生支援機構」の貸与型奨学金は、無利子で借りられる第一種奨学金と、有利子で借りられる第二種奨学金があります(それぞれ学力など貸与基準あり)。利子がつく第二種奨学金でも、年利3%という利息の上限が定められています。そのため一般的な機関からお金を借りるよりは、負担が少なく済むようです。
けれど一方で……
『JASSO(日本学生支援機構)の人から「すぐに返せるような経済状態なら、借りないでください」と言われたことがあるけどな』
コメント欄で盛り上がるママたちを冷静にさせる、こんなコメントもありました。どれだけ家庭の財力に余裕があるかで、利用できるかどうかが違ってくるのかもしれません。まずは詳しい貸与基準や、返還期間・利率などについて調べてみてはいかがでしょうか。そのうえで、貯蓄のことも考えながら親子で納得できる選択ができたらいいですね。
文・鈴木麻子 編集・千永美 イラスト・Ponko
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