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【後編】<「ごめんなさい」って言っちゃダメ!?>謝罪してばかりだった私が変わったワケ

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前回からの続き。幼い頃から周囲に謝ってばかりだった私。ついに上司から「Aさん、“ごめんなさい”をやめましょう」と言われ愕然とします。それまで“言いすぎ”という自覚はなく、むしろ良かれと思って「ごめんなさい」と言っていたのに……。上司の言葉の真意をつかめずにいた私は、一時「この仕事を辞めたほうがいいのではないか」とまで思い詰めました。しかし「やっぱり、この仕事が好き。自分が変わらなくては」と考えるようになったのです。

なぜ、そんなに謝っていたのか?

謝りすぎを指摘された直後は、ネットで「ごめんなさいを直す」と検索して(笑)、「私だけじゃない。同じような人がいる」とちょっとホッとしたりもしました。当時、とにかく自分に自信がなかったんです。「相手に迷惑をかけているのではないか」「私なんかのために時間を割いてもらって申し訳ない」とネガティブに考えてばかり。しかも仕事は主にチャットなので、相手の表情が見えません。会話の雰囲気が読み取れず、「少しでも良く思われたい」「印象を柔らかくしたい」と絵文字を多用するなどしていました。まず最初に「ごめんなさい」「すいません」と付けていたのも、その一環だったような気がします。

例えば誰かから「今後はこういうところに気を付けてくださいね」と指摘されたとき、今なら業務に対するアドバイスだと思えるのですが、当時は「(私自身が)ダメ出しされた」としか受け取れませんでした。そして「またダメだった」「自分はダメな人間だ」「申し訳ない」がどんどん溜まっていって……自己肯定感は下がる一方。明るく振る舞っているつもりでしたが、たぶん傍から見たら暗かったと思います。周りの人も話しかけづらかったのではないでしょうか。

謝られる方の気持ちを考えると……

ビジネスの場で「ここは次回から直してほしい」「こうしたらもっと良くなるのでは」と伝えるのは当然です。「より良い仕事のため」「仕事面でもっと成長を期待しているから」あえて本人に言うことってありますよね。そこでもし、相手からのひと言めが「ごめんなさい」「申し訳ございません」という謝罪の言葉だったら……

「謝ってほしいわけじゃないのに」と困惑する人もいるのではないでしょうか。あまりにもペコペコされると、何か自分が悪いことを言っているような罪悪感を覚える人もいるかもしれません。相手を追いつめている気がして、距離を取るようになる場合だってあるでしょう。

中高生の頃の私は、人間関係がうまくいかず、相手の機嫌を良くするためにとにかく「ごめんなさい」を言っていました。でもそれって、相手に対して心を開いたことにはならないんですよね。むしろ「ごめんなさい」を必要以上に口にすることで、「謝る人」「謝られる人」という上下関係ができてしまう……そんな関係を望んでいたわけではないのに

仕事の面でも謝罪を多用すればするほど、互いのポジションに上下関係ができてしまって、スムーズなコミュニケーションが取れなくなってしまう気がします。だからこそ上司は「“ごめんなさい”をやめましょう」と言ってくれたのでしょう。一方、これが友だち関係だったら「ごめんね」「いいよー」で私もホッとして終わり……だったはず。もしかしたら私に対して「ちょっと謝りすぎじゃない?」と思っていても、あえて何も言わずに去っていった友人もいたかもしれません。

「ごめんなさい」の代わりに増えたもの

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行き詰まった私を見かねて、上司がいったん、私の仕事を代わりに進めてくれた時期がありました。他の人のやり方を間近に見ることで、気づいたことがたくさんあります。仕事では「ごめんなさい」だけでは解決しない場面が出てきます。そんなとき「こうすればいいのか!」と新たな発見があったのです。

そこから周りの人たちの仕事をよく見るように。例えばメッセージひとつ送るのでも、相手に読みやすく分かりやすい文章のほうが、やり取りがスムーズに進むと気付いたのです。相手に返信するときも「どのチャットの、どの部分に対する返信なのか」「以前の〇〇の件の、どういう点についてなのか」、相手がすぐに理解できるように心掛けました。こうして他の人の仕事をよく見ながら、ひとつずつ自分の中で理解し、落とし込んでいく作業を繰り返したのです。すると次第に自信がついてきました。この1年で仕事ぶりはかなりマシになったはず(笑)。

今でも仕事で周囲に「助けて!」とお願いすることはあるけれど、「ごめんなさい」は減少しました。互いに何かを聞いたりお願いしたりしやすくなってきたと実感しています。何より「ありがとうございます」が増えました。新しい仕事を受けるときの不安もなくなりました。質問しなければいけないときには質問し、楽しくモチベーションを上げることができています。

もしかすると私は「ごめんなさい」を使うことで、自分自身が本当に向き合うべきことから逃げていたのかもしれません。でも上司の一言をきっかけに「ごめんなさい」を減らしてみたら、自分のやるべきことがクリアになり、仕事にも人間関係にもポジティブに取り組めるようになりました。皆さんの「ごめんなさい」はどうですか?

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取材、文・千永美 編集・Natsu イラスト・Ponko

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