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<外資系企業の働き方>「妊娠は職場に迷惑をかける」に違和感。ママが働きやすい職場とは?【ドーモ 川崎友和さん・第3回】

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「ある女性社員から妊娠の報告を受けた際に、‟迷惑をかけてごめんなさい“と謝られたことがあり、違和感を覚えました」と語るのは、外資系企業の日本法人ドーモ式会社プレジデント ジャパンカントリーマネージャーの川崎友和さん。家族ファーストといわれている外資系企業の働き方、産後職場復帰した女性社員への対応など、詳しくお話を伺ってみました。
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家族を大切にしない人はリスペクトされない

――外資系企業は家族ファーストで、子どもの体調不良や運動会などのイベントの際に休みが取りやすいと聞きました。実際どうですか?

川崎友和さん(以下、川崎さん):子どもの体調不良はもちろんのこと、子どもの誕生日、結婚記念日など、家族との用事があればみんな休みますよ。私自身、子どもが2人いますが、子どもの発表会や学芸会があると半日休みを取っています。

「家族との用事があり会議は欠席する」という人に対して文句を言った人は、私の知る限り1人もいないかな。外資系企業では、どんなに仕事ができたとしても家族を大事にしない人はリスペクトされないですね。

海外に行くと、デスクの上に家族勢ぞろいの写真をたくさん飾っている人もいます。もちろん仕事は重要ですが、ワークライフバランスも重要です。弊社では年回、職場満足度調査を行っていて、仕事とプライベートの境界線がしっかり守られているかどうかきちんと見ています。なぜなら、仕事でベストなパフォーマンスを出すためにはプライベートを充実させることが大事だと考えているからです。

妊娠はおめでたいこと。謝るのはおかしい

――日本だと「すみません。明日、子どもの運動会なのでお休みさせてください……」という感じが多いと思います。

川崎さん:外資系企業の場合はポジティブに伝えます。お互い、持ちつ持たれつの話になるのでね。以前、ある女性社員が「妊娠しました」と報告してくれたときに、最初に「ごめんなさい」と謝ってきたことがあって。僕は「なんでごめんなさいっていうの?」と聞いたんです。すると彼女は「自分が妊娠したことで、仕事を休まなければいけなくなってしまった。まわりの人に迷惑をかけて申し訳ない」と。当時はまだ組織が小さくて、一人抜けただけでもまわりへの影響が大きかったのでそう感じたんでしょうね。

とはいえ、本来妊娠はおめでたいことだし、それに対して「ごめんなさい」と謝るのはおかしい。もし妊娠を告げたのが男性なら「おめでとう!」と言われるのに、女性の場合はなぜ謝らなきゃいけないのか。男性は子どもを産まないから働き続けるけど、女性は産休を取ることになります。それを「仕事に穴が開く」と女性が思ってしまうっていうのは悲しいし、組織としてどうなんだろうと強く思いました。

それで職場の環境を整える。安心して産休、育休に入れるような体制づくりをすることが大事だと、あらためて感じましたね。

産後、職場復帰したら以前と変わらず活躍してほしい

――育休明けに職場復帰しても保育園への送迎や子どもの体調不良などの問題から、時短勤務や簡単な仕事しか担当させてもらえないケースもあります。外資系企業はいかがですか?

川崎さん:出産後、女性が職場復帰したら「パワーアップして帰ってきたんだよね! ウエルカムバック」みたいな感じです。本人が希望すれば、出産前とまったく変わらずバリバリ働いてもらいます。この間も、産休明けで戻ってきた女性社員に対して、「よかった! 戻ってきてくれてありがとう」って感じで、同じチームの女性たちがハグしていました。それで彼女も「がんばらなきゃ!」ってスイッチが入ったみたいですね。

最近は、弊社でもワーキングマザーが増えてきたのですが、みんなすごく責任感強いんですよね。なかには「産休で職場を離れていた分、バリバリと働いて挽回したいです」という女性もいます。そういったときは、まわりが「ちょっと働きすぎてない?」という声掛けをして、無理せず働きやすい環境を整えるよう心がけています。

――「彼女に任せるのは心配だから、仕事を減らそう」みたいな話にはならないんですか?

川崎さん:私たちの会社は大企業ではないので、全員がうまく立ち回ってできないところを埋める工夫は必要です。自発的にやってくれている部分もあるし、マネージャーが動く場合もあります。もし人手が足りなければ、派遣の人に入っていただくこともありますね。

社員が正しい環境で働けずやめてしまう、それは絶対に避けたいと思っています。「仕事の負担が大きい」など、その人が適切な環境で働けない阻害要因は、みんなでアンテナを立ててキャッチする。100%改善できるかどうかわからないですが、改善していこうというマインドセットでやっています。

【つぎ】の記事:<外資系企業の働き方>一緒に働きたいのは自主的に考えて行動できる人!【ドーモ 川崎友和さん・第2回】

取材、文・長瀬由利子 編集・荻野実紀子

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