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<旦那が行方不明>仕事を独断で退職、家にも戻らない。全部投げ出したい【第15話:旦那SIDE】

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前回からの続き。会社で怒られている俺に比べ、完璧に家事と育児をこなす妻のゆき。その存在がプレッシャーとなり、俺は家に帰ることに気が重くなってしまう。公園で缶コーヒーを飲んでから重い腰を上げるという日々を過ごすなか、北村るみという同僚と親しくなる。シングルマザーの彼女が、子どもたちと住む団地に遊びに行くようになり、ついにゆきには無断で泊まることとなってしまった。

るみの家に連泊した後、久しぶりに家に戻った。ゆきには怒られると思ったが、予想外に、頭を下げられた。

「今まで帰ってこなかったり、女の人の家に行ってたとしても、そういうことはもう2度と責めたりしないから……。私と子どもたちにはパパが必要なんです。1人で子ども3人は育てていけないの。すべて……すべてをなかったことにするから、だから今まで通りの家族に戻らせてください」

泣いてすがってくるゆきに嫌悪感すら覚えた。どうしてこいつは俺に寄りかかって来るんだろう……。期待されるのも、責任を負わされるのも、もうまっぴらだ……。疲れた……。
「泣く女ってほんと嫌いなんだよね。めんどくせぇ……」

離れたい……距離をおきたい……いったんすべてをリセットしたい……。そう決意して、会社に退職届を出した。半ば強引な退職であったが、もういい……知るもんか。あれだけ家族が足かせになって退職できないでいたのに、北村るみが俺の背中を押してくれたんだ……。なんだかとっても清々しかった……。

るみとLINEで連絡を取った。

「退職届出したよー」
「お疲れ様~。なんか食べたいものある?」
「オムライスかな」
「食べに行く?」

退職の日に食べたいと思ったもの……それは何故だか、ゆきの作ったオムライスだった。結婚してから、いいことがあったときや、俺が落ち込んで元気がないとき、決まってゆきは俺の好物のオムライスを作ってくれる。今日はアレが食べたい気分だ。

「いや、今日は家に帰るよ。明日、行くね」
「りょーかい」

退職が俺の気持ちを軽くしてくれたのか、今日の俺は機嫌がいい。いつもはイライラして見たくもないゆきの顔も、今日は普通に見られるだろう。退職のことは次の会社が決まってから言えばいいと思い、黙っていた。

「あ、パパだ! パパおかえり~!!」「おかえりなさ~い!」

家に帰ると、子どもたちが出迎えてくれた。顔面蒼白のゆきに

「オムライスが食べたい」

と言うと、ゆきの顔がぱっと晴れた。ゆきがオムライスを作っている間、俺はずっと子どもたちと遊んだ。

「パパは疲れているんだから、ほどほどにしてよ~!」

そんな嬉しそうなゆきの声が飛ぶ。

久しぶりに家族で笑いながら飯を食べた。相変わらずゆきの料理はうまかった。

「ありがとう、美味しかったよ。ごちそうさまでした」
「また作るね!」

ゆきの言葉に、俺は笑顔で応えた。

けれど……正直違和感しかなかった。まるで創られた家族のようだ。俺の気持ちが入っていない……そう感じてしまい、笑うだけしかできなかったのだ。

ここは俺の居場所じゃない。そう思うといてもたってもいられなくなり、俺は携帯を置いて、財布と身ひとつで家を出てしまった。

<編集部コメント>
ゆきに相談もせずにサトルは会社を辞めていたのです。それどころか報告したのは、るみにだけ。ゆきには次の会社が決まってから言うつもりだったというのです。ゆきへの負い目で、ゆきが最も嫌がる行動をサトルはとってしまいました。サトルにとって最も相談しやすい人はるみになっていったのでしょう。負い目によってしてしまった行動がまた負い目になってしまう……サトルは負のスパイラルに陥ってしまったのでしょうか。このことをゆきが知ったらショックを受けそうです。でもサトルも苦しい立場にあったようです。もし旦那さんがサトルのような立場に追い込まれていると知ったとき、ママならどんな言葉を掛けますか?

【第16話:旦那SIDE】に続く。

文・渡辺多絵 編集・編集部 イラスト・マメ美

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※この話は体験者本人のご協力の元作成しています。

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