いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

<母親やめてもいいですか?>母が人生をかけて教えてくれた「ありがとう」【第12話:息子の気持ち】

前回からの続き。今から十数年前、俺コウタロウは父さんと、二世帯同居のじいちゃんばあちゃんと暮らしていた。高校生になって母さんが出て行ったけれど、俺たちの生活はとくに変わることはなかった。変わっていないと思っていた。でも、高校生活で友人たちの優しさに触れることで、自分の家庭にはない「温かさ」を思い出していた。それは母さんが俺にくれていた「安心感」だった。
01_01
01_02
01_03

家に帰ると祖父母や父から成績の悪さを責められる。でもそれは母さんが悪いから……。だから俺はこの家を出て行った母さんのように「この世は弱いヤツが負ける」そう信じて、無意識に強くなろうとしていた。でも、違ったんだ。「おかしいのはウチだったんだ……」

本当に弱いのは、祖父母や父さんたちの方だったんだ。弱いから、自分と違うものを排除しようとする……。
02_01
02_02

母さん、ゴメン。俺のために尽くしてくれた母さんに、俺はなんてことを……。
02_03
父さんやじいちゃんばあちゃんは、すべてを「母さんのせい」にして罵倒したり暴力を振るったりしていた。やがて俺も同じことをするようになった。だから母さんが出て行って「この家」の違和感に気がつくと、俺はもうこれ以上ここにいてはいけないと思った。俺のために尽くしてくれた母さんに、どれだけ酷いことをしてきたか。自分が本当に恥ずかしかった。

今すぐでも会いたいけれど、こんな俺じゃ……。しっかり自立をして、今度は俺が母さんを迎えに行こう。俺は必死に勉強して大学へ進学。家をでた。そして一日も早く一人前になろうと頑張った。そしてようやく社会人になれた俺は、母さんに会いに行った。けれど……。
03_01

「最後にコウタロウの成長が見られて、嬉しかった。さようなら……!」母さんはもう、「自分の人生」を生きていたみたいだ。「コウタロウ、体に気をつけてね」「うん、母さんも元気で」
03_02
03_03

母さんは、笑顔で手を振って帰って行った。母さんと一緒に暮らすことはできなかったけれど、これでよかったんだ。俺は忘れない、母さんが人生をかけて教えてくれたこと。

俺はずっと、母さんの姿が見えなくなるまで手を振った。そして帰り道、俺は母さんと同じ、くせのある髪の毛を触りながらつぶやいた。
04_01

「母さん、ありがとう」
04_02
母さんは行ってしまった……もう会うことはないのかもしれない。どんなに後悔しても、もう遅い。俺は自分のために人生をかけてくれた人を裏切ったんだ。親子だからと言って何でも許してもらえるとは限らない。それは逆の立場でも同じことが言えるだろう。これからは恥ずかしくないような自分でいられるように……。母さんが人生をかけて教えてくれた最大の「学び」を、俺はこれからの人生に生かしていきたいと思う。

原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子
【つぎ】の記事:<義母のガラクタ攻撃>敷地内同居で迷惑!「中古家電」「いらない雑貨」押し付けられ【第1話まんが】

※この漫画はママスタコミュニティに寄せられた体験談やご意見を元に作成しています。

猫田カヨの記事一覧ページ

関連記事

<大学生の娘がデキ婚!?>母子ふたりの生活「娘は私のタカラモノ!」必死で働く毎日【第1話まんが】
数年前の話です。私は40代のシズカ。娘のアンナが小学校低学年の頃に元夫と離婚しました。それ以来、私は必死で働きアンナを育ててきました。 しかし元夫は私と離婚後、不倫相手と再婚。立て続けに3人の...
<母親やめてもいいですか?>学校へ行けなくなった息子。いじめ?先生も一緒に……?【第1話まんが】
今から十数年前、40代半ばだった私ユズキは義両親と二世帯同居をしながら正社員として働いていました。家族は夫のリョウヘイさんと、ひとり息子のコウタロウ。休みの日には読書をしたり、身体を動かしたり、家族で...
<義妹と!おもてなしトラブル勃発>遊園地近くに住む弟「泊まっていいの?ラッキー」【第1話まんが】
数年前の話です。私はアヤ、8才のユイと5才のハルトを育てるパート主婦です。わが家は夫タロウの仕事の関係で、地方都市に住んでいます。車を走らせればそれなりに子どもが楽しめる場所はありますが、大型の遊園地...