<ママたちココに怒ってます!>教科書が重い・置き勉なし・PC配布。小学生のランドセル負担問題
こんにちは。ママスタセレクト編集部のMです。小学生の息子がいます。編集部の会議でこんな話が盛り上がったので、広く皆さんの意見を聞きたいと思い、記事にしました。
小学生の「重すぎるランドセル」……あなたはどう思いますか?
たびたびニュースとしても取り上げられている「小学生のランドセルが重すぎる問題」。わが家には小学5年生の息子がいますが、毎日重~いランドセルを背負って、坂の上にある学校に通っています。とくに、まだ体が小さい1年生がランドセルを背負って疲れた顔で歩いているのを見たときなどは、つい「可哀想」と思ってしまいます。
ランドセルが重くなってきている原因は?
なぜ近年、ランドセルの重量化がニュースに取り上げられるようになってきたのでしょうか?
考えられる原因としては、まずランドセル本体の重さ。商品によって重さに幅があるものの、「せっかくならば、いいランドセルを」という親や祖父母の思いが「しっかりした素材・頑丈なつくりのものを」につながり、ランドセル本体が重いものを選んでしまうことがあるようです。
また教科書類のサイズが大型化したり、分厚くなったりで、一冊ずつの重さが増加していることも原因として考えられます。親世代が子どもの頃と比べて、わが子の教科書が分厚くなっていることに驚かれた親御さんもいるのではないでしょうか。
さらに近年、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、児童一人一人にタブレットPCやノートPCが貸与されるようになりました。毎日持ち帰っているお子さんも多いはず。ただでさえ重いランドセルの中身に、それなりに重量のある電子機器が加わってしまったのです。
“置き勉”やデジタル活用には地域差・学校差が
実はランドセル重い問題は、地域によって差があるようです。
文部科学省は、児童生徒の携行品(教科書や教材、学用品等)の過重により身体発達への影響を心配する保護者等から、配慮を求める声が寄せられていることを認めています。子どもたちの携行品の重さや量について改めて検討し、教材の一部を学校に置くことを認めるなど、教育現場に適切な配慮をするよう呼びかけています。また紙の教科書の内容を基本そのまま記録した「学習用デジタル教科書」の活用も推進中です。
これらを踏まえ実際に「教科書類は学校に置きっぱなし、宿題の音読(本読み)の宿題は持ち帰ったタブレットの中にあるデジタル教科書を読めばOK」とうまく運用している地域もあるようです。しかし、わが子の学校では現状「充電するために」持ち帰っているだけ。地域によって配布状況が異なったり、先生によってデジタルスキルの差があったり、いろんな事情があるのでしょう。
また教科書類を学校に置いて帰る、いわゆる“置き勉”も学校によって差があると聞きます。「すべて持ち帰る」「教科によっては置き勉OK」「すべて置いておいてもいい」など対応が異なるようです。ある地域では「子どものランドセルが重くなってから、小学校に車で送迎する親が増えた」といった声も聞きました。もはやランドセル問題は、通学事情まで変えてしまっているのです。
そこへ新たに加わった、PCの持ち運び問題。地域や学校ごとに差は出て当然ですが、デジタル機器に関しては、徐々に格差がなくなってほしいものです。学習用デジタル教科書の活用がもっと進めば、状況は変わってくるのかもしれません。一方であまりにもデジタル機器に向き合う時間が増えると今度は、子どもの視力に影響があるのではないかという心配もあります。
個人的に、小学校からの学校運営に関するアンケートには協力してはいますが、なかなか国に要望する機会がなく……。国からも「子どもたちの負担を減らすために、どうするか」さらに具体的に提案があればいいなと思います。
「ランドセルを背負う」以外の選択肢もある
ランドセル重い問題を解決するための方法は、いくつかあります。
地域によってはランドセルの代わりに、軽量化されたリュックサック型のものが定着しているところもあります。もしわが子の小学校で、入学説明会のときに「ランドセル以外にも、こういったものでも通学OKですよ」と言われたら、選択肢として考えたかもしれません。実際には「ランドセル通学」は言わずもがなで、話題にもあがらなかったのですが……。子ども自身が「ランドセルを背負って小学校に行くのが楽しみ!」「○○色のランドセルがいいな」など、ランドセルを希望しているのであれば、そちらを優先しますよね。「かわいい孫にランドセルを買ってあげたい」という祖父母もいるでしょう。実際にはランドセル以外を選ぶのは難しい場合が多いのかもしれません。
また最近では、ランドセルをキャリーケースのようにひいて歩くことができるグッズが話題を呼んでいます。子どもの身体への負担を大幅に減らせると注目を集めていますが、一方で大人からの批判的な意見もあるようです。接触事故等の懸念は、大人がしっかりと検証しなくてはいけません。が、「子どもたちの辛さを軽減できるもの」を「重いランドセルを実際に背負うわけではない大人」がやみくもに否定するのも、どうなのだろうと感じてしまいます。
先例を大事にしつつも、新しいものに柔軟に対応することを、意識しておきたいですね。
子どもたちのため、ランドセル購入前に「重さ」を意識しておいてほしい
価格、ブランド、デザイン、色、素材。パンフレットや売り場に数多くのランドセルが並ぶ昨今、“いいランドセル”の基準は家庭によってさまざまでしょう。 そんななか“ランドセル本体の軽さ”は、重要と思われにくいのかもしれませんね。それにランドセル本体の重さは売り場やパンフレットで分かっても、実際にどれくらいの重さを背負って通学しなければいけないのかは分かりません。たとえば「平均的な1年生のランドセルの中身はこのくらいの重さですよ」と体験できる場があれば、親も子も入学前から“重さ”を意識するようになるのではないでしょうか。
心身が大きく成長する小学校の6年間。小学生たちの“相棒”であるランドセルの問題には、国、地方自治体(教育委員会等)、学校、そして親など、周囲の大人たちがより一体となって関わっていく必要があるのではと思っています。
【人気】の記事:ママたちがちょっと気になる”日常の当たり前の中にある疑問”とは?
インタビュー、文・千永美