<親子の縁を切る>母親でも、ひとりの人間。娘への愛情が……消えていく【第2話まんが:母の気持ち】
前回からの続き。これは数年前の話です。私カズコは75歳。この度、娘・サエコと親子の縁を切ることにしました。手紙にその旨を書き記し、母子手帳とともに郵送しました。サエコは電話をかけてきたり、自宅へやってきたりしましたが、私はもう話をしたくありません。私とサエコは、いつからこんな風になってしまったのか……はじまりは、サエコが生まれて数年後、義実家で同居をするようになってからのことでした。初孫であるサエコを、義両親はたいそう可愛がりました。
サエコを溺愛する義両親は、どんな理由であれ「可愛いサエコを叱るなんて……」というスタンス。そんな甘い義両親に、サエコもよくなついていました。「夕食前におやつを食べたらいけないよ」「学校で眠くなるから早く寝ようね」「甘いものを食べたらちゃんと歯を磨きなさい」など、しつけのために叱ることはありましたが、怒鳴ったり手をあげたりしたことはありません。それなのに。
義両親はサエコを甘やかし放題、父親は仕事人間で家庭をいっさい顧みない。私しかサエコを叱る人間がいませんでした。だからこそ母親として、子どもをしつける役割を担っていただけです。夫はもともと私よりも義両親の肩をもつ人でしたが、虐待疑惑がかけられるようになると、さらに私に厳しく当たってくるようになりました。
完全に孤立してしまった私は、精神的にどんどん疲弊していきます。私も母親である前にひとりの人間。どうしても心の中で、サエコを許しきれない自分がいるのです。(サエコが悪いのではない、環境のせい……)心の中で葛藤し、もがきましたが……自分の中でどんどん感情がなくなり……。サエコへの愛情は次第に消えていき「必要最低限のお世話をするだけの関係」になっていったのでした。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・加藤みちか 編集・荻野実紀子