<世の中を知る>【後編】小学校で習熟度別のクラスはある?先生の判断だけで分けられてトラブル発生!?
前回からの続き。お子さんの通う学校では算数の授業をどのようなクラスで行っていますか? 小学校の算数の授業で、習熟度別クラスを採用する学校は多いようで、さまざまなクラス分けの決め方が寄せられました。多かったのは、子どもの希望をもとにクラス分けをするといった声でした。また親子で相談してクラスを決める学校もありました。ただ親が介入すると、何を基準に決めたらいいのか判断が難しいこともあり、先生に決めてもらいたいといった声も寄せられました。たしかに「先生に決めてほしい」と感じる人も多そうですよね。ママたちの声を紹介します。
先生が判断してクラス分けをするパターン
『うちは親の介入はない。子どもに聞いてみないとどのクラスで勉強しているのか知らない。先生が振り分けていたらしい』
『うちは先生が決めていた。「授業参観でどう分けているのかな?」と思ったらかなり算数が不得意だった。授業態度も悪い子らがひとまとめにされていた。だいたいクラスの3分の1くらい。そこまで生徒数が減ると先生1人でじっくり面倒が見られるんだなと思った』
『転勤で、まったく違う地域の小学校に2校に通っているけれど、どっちも単元ごとに先生側が決めるし、親はノータッチ。むしろ子どもが話さない限りは、親には詳細もわが子がどこのクラスかもわからない』
少数派でしたが、先生が判断をしてクラス分けをする学校もありました。ママの声によると、テストの結果をみつつ先生が判断する場合と、先生が総合的に判断している場合があるようですね。なかには子どもからの伝聞のため、先生だけで本当に決めているか曖昧なママもいました。習熟度別はママの時代にはなかった制度だからでしょうか。みなさん「らしい」「ようだ」といった自信なさげなコメントが多く見られました。
先生だけが決めると問題もある!?
『6年までランダム。上の子のときは先生が決めた習熟度別だったけれど、「うちの子が下のクラスなのは納得できない」「上のクラスの子にバカにされた」などといった問題があって、廃止になったみたい』
先生だけの判断でクラス分けをした結果、トラブルが勃発した学校もあるようです。親からのクレームやいじめの原因につながるケースもあるんですね。だからといって習熟度別を廃止するのはちょっともったいない気もしますよね。文部科学省の資料によると、習熟度別・少人数制を多くの時間行っている学校では学力上位層が多いといった結果も出ています。ですから問題が起きないよう注意を払いながら、慎重に習熟度別をしてもらうといいのではないでしょうか。さらに現役の教員ママからもこんな声が寄せられていました。
『教員です。うちは、前年度の単元の簡単な復習テストをして、希望クラスを選ばせる欄も作っています。基本は子どもが選んだクラスですが、たまに「テスト結果を見てこっちにしてみたら?」という話もします。少人数になるのは算数だけだし、仮にレベルの違うクラスに入ったとしても授業内容は普段の集団と同じで個別フォローを入れています』
こちらの教員ママによると、客観的なテスト結果と本人の希望のセットで決めているようですね。この方法であれば、親の負担もなく、客観的な判断と本人の希望でクラス分けができるので、トラブルが回避できやすいのではないでしょうか。こちらの先生は個別のフォローもしてくれています。助かりますね。
見栄ははらずに子どもによりよい環境で学習してもらおう
ママたちの声によると、習熟度別のクラス分けは「子どもの希望をもとに決める」「親子で相談して決める」「学校が決める」の3つと副次的にテストの結果も取り入れる場合もあるようです。これだけ学校によっても決め方が異なるところをみると、学校側も試行錯誤している様子が伺えますね。いずれにせよ一番大切なのは、子どもたちにとって学びやすい環境を整えることですよね。算数が苦手な子は算数が少しでも好きに、算数が得意な子はさらに得意に。もし親子で相談してクラス分けをする場合も、この視点は忘れずに、他人の目は気にせず判断すればいいのではないでしょうか。気になるようでしたら、より良い環境で子どもが学習できるのはどのクラスなのか、先生に相談するといいでしょう。クラス選びでは決して見栄をはる必要はないので、子どもがどのクラスなら意欲的に学べるかを考えながら選んでみてはいかがでしょうか。
文・安藤永遠 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko
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