子どもがなかなか食卓についてくれず、料理が冷めてしまう。それでも「おいしい!」が聞きたくて……。
忙しいママたちにとって料理は時おりの難関。ゆっくりと時間を割くことができない日もあり、休日の作り置きに賭けている、そんな人も少なくないでしょう。またせっかく作っても、子どもの宿題が終わらない、いっこうに帰ってこない、お風呂から出てこない、部屋に呼びに行ったら寝てた! といったアクシデントで、家族が実際に口にするまで時間が空いてしまうなんてこともあります。本来作り立てを食べてもらえたらこんなに嬉しいことはありませんが、いっぽうで「冷めてもおいしく食べられるおかずがある」と言ったら、知りたくありませんか?
『冷めてもおいしく食べられるおかずと言えば、何を思い浮かべる?』
ママスタコミュニティにこう投稿がありました。
たとえばお弁当に入れることの多いおかずを想像すると、たいていが冷めてもおいしいおかずに該当するのかもしれません。ほかにも実は冷ましてからの方が味が染みわたりおいしく感じられるおかずもあるのではないでしょうか。ではママスタコミュニティのママたちは「冷めてもおいしく食べられるおかず」にどんなものを挙げてくれたのでしょう?
冷めることで味が染み込む!?「煮物系」
『ひじき煮』
『おから煮』
『かぼちゃの煮物』
『きんぴらとか煮物はおいしい』
『高野豆腐、切り干し大根』
醤油やみりん、酒などとじっくり煮込んだ一品は熱々はもちろんですが、しばらく置いて常温で食べた方がおいしさを感じることがあるのはなぜなのでしょうね。ヒタヒタになって、口に入れた瞬間じゅわっと煮汁が口の中に広がるのをしみじみ味わうのは熱々ではなかなか難しい(ヤケドしてしまう!)からでしょうか。「冷めていく間に具材にいっそう味が染み込んでいく」と母から教えてもらったこともあり、筆者は食べたいのを我慢して、あえて冷めてから食べることが多いほうです。うまみや甘みなど感じられるんですよね。
出汁がさらにきいてくる感じがする「卵焼き」
『間違いなく卵焼き』
ここで言う卵焼きとは、おそらく出汁巻き卵のことだと推測します。お弁当のおかずの定番的存在になっていますから、ずばり冷めもおいしい代表選手なのかもしれません。筆者は高校生の子どものお弁当に毎日卵焼きを入れているのですが、本人も冷めた卵焼きが大好きです。「出汁の風味が強く感じられる」と言っていました。同じ卵料理でも目玉焼きなら熱々の方が断然おいしいと感じることから、個人的には「冷めてもおいしい」を左右するのは、だしの存在が大きいように思います。冷めると卵の甘みが心なしか引いて、その分、出汁のうまみが引き締まって前に出てくる感じがしませんか?
身が締まり、塩気が立つように感じる「焼き魚」
『サバの塩焼き』
『焼き魚。冷めた方が身が引き締まっていて食べやすいし』
焼きたての魚は身がふわっとやわらかく、脂がのっていてご飯にとても合います。では冷めるとどうかと言えば、身が締まり、また異なる食感が楽しめます。加えて焼きたてより塩気が強く感じられることも。そのため筆者はあえて冷ました焼き魚の身をほぐしてフレーク状にし、ご飯に混ぜていただいたりします。熱々のご飯にはこれがすごく合うのです。
衣が決め手の「揚げ物系」
『唐揚げ』
『春巻き』
『ナスの揚げびたし』
意外なようで、揚げものを挙げてくれたママも多くいました。唐揚げはお弁当のおかずにもなるので、冷めても問題なく食べられます。春巻きに関しては、揚げたては皮がサクサクしているのですが、冷めると少し皮がしんなりして、それが好きだという人もいるのではないでしょうか。また揚げびたしは、出し汁や麺つゆに浸けるので、時間の経過とともにいっそう味が深まるのが、冷めてもおいしいポイントなのかもしれません。
そして特に推薦する声が多く届いたのがコロッケです。
『冷めて衣がシナシナになったコロッケが好きな人多いはず』
揚げたてのコロッケは衣がサクサクとして、その食感も楽しめるおかずです。この衣のサクサク感が冷めていくとともに柔らかく、しんなりとなった状態が何とも言えずいいですよね。お弁当箱を開けたらそこに、しんなりした衣にソースが絡まり染みこんだコロッケが入っているのを想像するだけで食欲をそそられてしまいます。
こうして見てみると、食感の変化をおいしさの秘訣のひとつだということがわかりますね。
「焼きそば」と「お赤飯」も忘れないで!
筆者の頭に浮かんだのは、焼きそばとお赤飯です。焼きそばは冷めると麺が少し硬くなりポロポロとなるのですが、それこそがおいしいと感じてしまいます。お赤飯はおかずではないのかもしれませんが、あえて記させていただくと、炊き立てよりも少し時間が経って硬くなってからのほうが甘い気がして好きなのです。ごま塩をかけと紅生姜をのせた状態で少し置いておいて、その2つの味がご飯に染み込んでから食べることもあります。
「冷めてもおいしい」と感じられるおかずは人それぞれ。たまたま冷めてしまい、仕方なく食べたらおいしかった! そんな発見もまた楽しいものです。いずれにしても、「冷めたって大丈夫、じゅうぶんおいしいし、家族も喜んでくれるはず」そんなふうに考えて、気負わずに、今日も台所に向かいましょう。
文・こもも イラスト・天城ヨリ子 編集・blackcat
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