<シングルマザーの恋愛>わが子が再婚反対。母としての私と恋人としての私【前編まんが:母の気持ち】
私はサキコ。子どもが2人いるシングルマザーです。夫は子どもたちが幼いときに突然の病で亡くなりました。夫の死後、私はガムシャラに働きました。子どもたちが寂しい思いをしないよう、できる限り愛情を注ぎました。子どもたちは明るく元気に育ってくれました。
そして娘のユメが高校生、息子のノゾムが中学生になった頃。私は仕事先で1人の男性、ヨシノブさんと出会いました。ヨシノブさんは私より少し年上で、奥さんとは死別したとのこと。お子さんはいません。お互いにパートナーを亡くした者同士、心を通わせ自然とお付き合いをするようになりました。
そしてある日……。
ヨシノブさんからプロポーズされた次の日、私は思いきって子どもたちに声をかけました。
(2人ともあまり快くは思わないみたい……。やっぱりこの子たちのためにはヨシノブさんとの結婚はやめておいたほうがいいのかも……)
父親がいないことで、子どもたちは他の家庭との違いに悩んだことでしょう。そのうえ多感な時期に生活環境が変わるのは、子どもたちにとってはストレスかもしれません。子どもたちの人生にかげを落とすようなことだけはしたくない……。
私はヨシノブさんのプロポーズを断ることを決めました。
「なあに、結婚なんて紙切れ1枚の話さ。僕のほうこそ無神経なことを言ってすまなかったね」
私にプロポーズを断られても、ヨシノブさんは変わらず接してくれました。その後も私たちの交際は続いていきました。ユメは高校を卒業後に就職。実家を出て隣の県で1人暮らしを始めました。その後ノゾムも同じように高校卒業後就職。家を出ていきました。
私はヨシノブさんと暮らすことも考えましたが、子どもたちが帰省したときのことを考えて家で1人で暮らすことを決めました。
そして数年が経ち、ユメとノゾムがそれぞれパートナーを見つけ、結婚することが決まりました。
子育てが落ち着いて、さあこれから……というときに。運命とは皮肉なものですね。
ヨシノブさんに余命のことを伝えると「今までもずっと支え合ってきた。これからもそれは変わらない」と静かに言われました。子どものことで心残りはありますが、いつでも変わらず接してくれるパートナーと余命が許す限り、大切にすごしたいと思います。
中編へ続く。
脚本・子持ち鮎 作画・Ponko 編集・秋澄乃