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【後編】「担任の妊娠は無責任」と怒るマタハラ旦那に喝!先生の働きづらさはここにも……

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妊娠を発表した息子さんの担任教師に「1年間は責任を持って受け持つべき」と怒っている旦那さんに対し、疑問をもった投稿者さん。ママスタコミュニティに集まったママたちからはさまざまな意見が寄せられましたが、本来考えなくてはいけないのは「妊娠した担任の先生」ではなく……?

考えるべき問題は「妊娠した担任」というよりも……

結局「無責任」という言葉を発してしまう原因は、担任の先生がいなくなってしまった後を考えてのことです。担任の先生の妊娠と子どもの最終学年が重なってしまい、混乱した1年を過ごしたママたちのコメントに対しても意見がありました。

『引き継ぎができていないのは担任のせいじゃないような気がするけど?』

『産休代行で来る先生に、引き継ぎがしっかりできてればいいのでは?』

担任の先生と後任の先生との引継ぎがしっかりできていれば、投稿者さんの旦那さんも安心するのではないでしょうか。

『産休に入らないと代わりの先生は来ない。学校って(人員が)結構ギリギリだから、担任を受け持つしかない。だから途中で産休に入ってもしょうがない』

学校側としても、決して潤沢な人数で運営しているわけではなさそうです。「ギリギリ」でやっているからこそ、引継ぎのドタバタが起こってしまうのかもしれませんね。

実際に学校現場で働く女性たちの厳しい状況についてコメントもありました。

『私は幼稚園の担任だったけど、結婚したら理事長から「子ども作らないでね。途中で辞められると子どもが迷惑」って言われたから、辞めてから妊活したよ』

『教員が不足してるから仕方ないね。義妹は妊娠希望で今は担任を外れてるけど、来年はクラスを持たないといけないかもしれないと言ってたよ』

『授かり物だから自由だよねーとは思うけど、幼稚園で先生やってる友達はみんな計画的にしてたな。卒業、または進級する時期には妊娠後期入るか入らないか、または妊娠中期とか……。クラスにも幼稚園側にも保護者にも迷惑かけないように大変そうだった』

「妊活」を加味しての配置は、なかなか難しいものがあるようです。あえて担任を外してもらえたとしても、その期間に必ずしも妊娠できるとは限りませんし、逆に「この期間に妊娠しなくては……」と先生へプレッシャーになってしまう場合もあります。

複雑な気持ちなのは、親だけではない

『子どもの担任のことを思い出した。産休明けて出てきて1年も経たないうちに、介護でまた長期休みに入っちゃって。休み明けの懇談会のときにその先生が泣きながら「この場に戻ってきて良いのか悩みました。戻った日が偶然誕生日だったんですけど、子どもたちが誕生日会を開いてくれました。この場に戻ることができて幸せです」って言ってた。親が思っている以上に、先生本人が葛藤してると思うよ』

忘れてはいけないのは、誰よりも「先生」自身が一番葛藤しているということです。もちろん先生という職種だけではなく、社会において責任のある仕事を任される立場の人が妊娠をしたときも同じです。「妊娠」というおめでたいことのはずなのに、手放しに喜べない現状にもどかしさを感じてしまいますね。その人の「責任感」からくるものなのか、それとも「社会」がいまだに「妊婦」に寛容になりきれていないのか……。妊娠で現場から離れる人の仕事を請け負わなくてはいけない、別の「誰か」も出てくるわけですから、一言では言い表せない難しい問題でもあります。

しかし考えるべき問題の根本は「引継ぎ」がしっかりできて、仕事がスムーズに次の人へバトンタッチができる環境であるかどうか……ということではないでしょうか。そこは「妊娠した人」だけの問題ではなく、働いている職場環境、もっと言えば社会全体の問題になっていくのかもしれません。

「担任が妊娠した」。そこから親がするべき声掛けとは?

では私たちが親として、担任の先生のために、そして子どもたちのために、できることは何なのでしょうか?

『お子さんには「先生の赤ちゃん楽しみだね、みんなで大事にしようね」って話してあげてほしい』

『おめでとうって思う! 子どもにも「先生のお手伝いしてあげなよ」って言う』

『親が「先生、赤ちゃん生まれるね、楽しみだね」「おめでとう! 新しい先生もいい先生だね」ってちゃんと持っていかないと。親が文句言ってるの、お子さんに聞かせてないよね?』

 『夫婦で子どもときちんと向き合えていますか? 赤ちゃんを授かったことを丁寧に優しく子どもに伝えましたか? それは投稿者さん夫婦が、親の役目として伝えるべきことですよ』

子どもが親の言葉を通して社会に触れることもあるでしょう。「先生が妊娠して担任が変わること」を親がネガティブに伝えれば子どもはそのまま受け取る可能性がありますし、前向きに話せば前向きなこととして受け取ることができるのではないでしょうか。

『こんな生きた命の教育ないよ。子どもって人を思いやることで成長するからさ』

先生のお腹には新しい命がいる。お腹に子どもが宿るということ、あなたもかつてはこうだったということ、それがいかに奇跡であるかということを子どもにしっかりと話しておきたいですね。そして「妊婦さん」という存在に対して周りがどういう対応をしてあげるべきか、小さなころから話しておくという親の行為が、もしかしたら未来の妊婦さんを救うことに繋がってくるのかもしれません。

『子育てしてたら分かると思うけど、思い通りに進むことなんてほぼないし。自分の人生も思った通りに生きてる人なんていないと思うよ? 日々起こる変化に前向きに対応していけるような生き方のほうが、子どもや自分のためにも良いと思うけど』

社会のなかで生きていれば、思い通りにならないこともたくさんあります。その都度それぞれに折り合いをつけながら、前を向いて生きていく「方法」を学ぶのが集団生活です。親が思う以上に子どもの順応性は高く、あっという間に新しい先生と仲良くなっているかもしれませんね。ひとりでも多くの妊婦さんが、少しでも働きやすい環境になることを願うばかりです。

文・渡辺多絵 編集・千永美 イラスト・Ponko

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