【後編】いじめの加害者は一生許されないの?子どもも私もちゃんと謝ったけれど
娘がいじめの加害者になりました。私たち親子は謝罪をし、解決したと思っていました。しかし授業参観のときにママ友と談笑をしていたら、被害者の親から「不愉快だ」と言われたのです。謝ったのになぜ? 一生許されないの? と、とても不安な気持ちにもなりましたが、なぜ今更そんなことを言うのだろうと苛立ちも覚えました。
いじめの加害者は一生笑ってはいけないの?
私の娘だって学校に行って勉強をする権利はありますし、授業参観があれば私が参加をする権利もあるはずです。それにいじめとは関係ないママ友と楽しく話をして、何が悪いのでしょう? 私の行動や交友関係にまで口を出されたように感じて、なんだか納得ができません。これはもう言いがかりで、そんなことをするのは、まさに「いじめ」なのでは? とさえ思います。
それほど私たち親子のことが嫌いで不愉快ならば、自分たちが変わればいいのに。いじめられたことをいつまでも引きずっているのは相手の方。ずっといじめのことを心の中に抱えながら、私たち親子を憎み続けて、ずっとそのまま不愉快でいればいい。気持ちを切り替えないと、この先もずっと嫌な気持ちでいることになる。そんな底意地の悪い感情までもが私の心に芽生えました。
しかしここまで考えて、ふと自分に寒気を覚えました。私自身がとてもイライラしている中では、大人として正しい判断ができていないことに気がついたのです。
もし娘がいじめられていたら、私は許せるのだろうか?
気持ちを落ち着けて、そしてちょっと立場を変えて、今回のいじめのことを見直してみました。
もし逆の立場だったら? 娘がいじめられて辛い思いをして登校拒否になったり、自殺まで考えるほど追い詰められてしまったら……。謝ってもらっても、その場では許したように見せても、心の中ではずっと憎いと思ってしまうでしょう。しかも憎い相手が何事もなかったように学校で勉強をしていたり楽しそうに笑っていたら、不愉快と感じるのは当然。そして私でもその気持ちを抑えることができずに、相手にぶつけていただろうと。なにせついさっきまで、私は被害者の親にあれほど攻撃的になっていたのだから。被害者親子の気持ちを理解できたことで、参観での出来事については少し心が落ち着いてきました。
相手の親が言った「不愉快」の言葉の中には「どんなに誠心誠意謝ったところで、ひどいいじめをしたことが“なかったこと”にはならないんだからね」、「土下座されようがどんなに謝られようが、心の傷は治りません」といった、私たち親子への憎しみが込められているように感じました。きっと何度謝っても、それは意味をなさないのでしょう。
結局のところ、いじめを許すかどうかは私たち親子が決めることではなく、被害者側の気持ち次第です。相手の親子からすれば、今はまだいじめを許せる時期ではなかった。てっきり「許された」と思ってしまった自分は、浅はかでした。今後は加害者の親として、娘がいじめをしたという事実と真摯に向き合っていきたいと思います。
文・こもも 編集・清見朱里 イラスト・なかやまねこ
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