<離婚してバラバラになった家族>口うるさい母親を捨てた中学生の長女【第5話】まんが
前回からの続き。ウチのお母さんはとっても口うるさい人だった。いつも子どもの行動に先回りして口出ししてきては、「アレしろ」「コレしろ」ばかり。
「そこに私たちの意思はないの……?」「どうしてもっと話を聞いてくれないの……?」
上の弟はいつもそんなお母さんに思いっきり反抗していた。家にいると息が詰まる……。私はお母さんがイライラしているときはなるべく空気を読んで静かにしていた。
そんなとき両親の離婚が決まった。
私は思わず「お父さんについていく」って言ってしまった。ひとりぼっちになってしまうお父さんが寂しそうに見えて、可哀相になってしまって。(お母さんも毎日余裕がなくて大変なら、子どもはひとりでも少ない方が楽だろうな……)そう思った。
私は別にお父さんのことは嫌いじゃないし、離婚するのはお父さんとお母さんの問題だし。お父さんと暮らせば家もこれまで通りだし、生活もそのまま。
お父さんとの生活は順調。
そのまま時は過ぎ、大人になった私は結婚をして母親となった。私が結婚してからお父さんは再婚し、幸せそうな生活を送っている。
そして現在。私には8歳と5歳の子どもがいる。「あのとき毎日眉間にしわを寄せていたお母さんのようにはならない!」そう心に誓い、毎日穏やかに過ごそうとしていたのだけれど……。
ハッキリ言って子どもは思う通りに動かない。
自分の時間はほとんどなく、毎日怒鳴ってばかり。もっと優しく接してあげたいのに、「何度も同じこと言わせないで!」「早く片付けなさい!」「好き嫌いをしない!!」と怒鳴っている。私、お母さんと同じことをしてる……。
子どものことを愛しているからこそ、将来を心配し、しっかりしつけけなければと自分自身にもプレッシャーを感じてつい口うるさく怒ってしまう。そして1日が終わったあとは、子どもたちの寝顔に「ごめんね」と謝る日々。きっとお母さんも同じ気持ちだったんだろうな……。
「時間がかかっちゃったけど、今ならあのときのお母さんの気持ち、すっごく分かるの。いつも私たちのことを一番に考えていてくれていたんだよね。気づかずにゴメンナサイ……」
「いいのよ。親が子どものためにしていることなんて、自己満足に近いんだから。あの頃は自分の理想だけで精いっぱいで、あなたたちの気持ちに目を向けてあげる余裕がなくてごめんね」
あのとき私はお父さんを選んだ。それは後悔はしていない。
でも選ばれなかったお母さんはどう思ったのだろう。数十年のときを越えて、改めて感じるお母さんの本当の愛……。これからはちょくちょく孫の顔を見せたり電話で連絡を取ったりと、私なりに親孝行しながらもらった愛情を返していきたい、そう思っている。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ
【つぎ】の記事:【前編】幼い子どもを置いて離婚していた過去!「なぜ…」亡くなった母が隠していた驚きの事実……