<離婚してバラバラになった家族>口うるさい母親を捨てた小学生の長男【第3話】まんが
前回からの続き。俺は口うるさい母さんが嫌いだった……。毎日勉強しろ、宿題しろ、うるさいし。 ゲームなんか1日1時間しかやらせてもらえない。ちっとも進まなくて、友達とも話が合わなくなってしまう。 「早く宿題しなさい!」 「片付けなさい!」 「好き嫌いしないで食べなさい!」 「早く寝なさい!」 何をするにもガミガミ、鬼みたいに眉間にしわを寄せて口を出してきて、家にいるのが息苦しかった。
親子らしいまともな会話をした覚えもなく、叱られることしかなかった。オヤツだってイマドキ芋をふかしたやつって。(昔っぽい、ダサいんだよ!)
それに比べてばあちゃんの家は最高だ。ばあちゃんは優しいし、ゲームの時間とか食べ物のこととか俺の自由にさせてくれる。好きな物を買ってくれるし、好きな物を食べさせてくれる。
「子どもは遊びが仕事だから~」 が、ばあちゃんの口癖。勉強なんかしなくたって、少しくらい寝るのが遅くなったって、うるさく言ってこない。口うるさい母さんは嫌いだけど、ばあちゃんが近所に住んでいてくれるのが何よりの救い。「このままばあちゃんの家で暮らせたらなー」って何度も思っていた。
そんなとき、ウチの親の離婚が決まった。
まぁ父さんは前から全然家に帰ってこないし「おかしいな」とは思っていた。だから離婚には別に疑問は持たなかった。さらに父さんは「お前たちは誰と暮らしたい?」 と言った。え? これからどこで暮らすか、自分で選んでいいの? 家にいない父さんや、口うるさい母さんと暮らすなんてまっぴらごめんだ!
俺はすかさず「おばあちゃんの家に行きたい」 と言った。
(後からばあちゃんに連絡したら、喜んでくれていたみたいだった。良かった……)
姉ちゃんは父さんのところに行くようだ。うるさい母さんと居たくない俺と同じ気持ちなんだろう。
ただ母さんは驚いたような顔をして涙を流していた。泣くようなことかよ。今まで俺にどれだけ口うるさくしてきたと思ってんだよ……。俺らがいなくなって、今までのこと少しは後悔すればいいさ。
最後に母さんは言った。「困ったことがあれば、何でも言ってね……」
今さら困ることなんかねぇよ。むしろ今までの方が困ってたし。これからは自由なばあちゃんの家でのびのび暮らすんだ――!
両親の離婚はそれなりにショックだったけれど、俺は前向きにばあちゃんの家での暮らしをスタートさせた。
ところがしばらく経つと、自由な生活は良いことばかりじゃないと知ることになる……。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ