カジサック第1回:「家事や子育ては女性がやるもの」と思っていた
毎年10月19日は“イクメンの日”。毎年10月半ば頃に開催される「イクメン オブ ザ イヤー」では、その年に育児を楽しみ、頑張ったパパたちが部門別に表彰されます。「イクメン オブ ザ イヤー 2020 イクメン動画クリエイター部門」は登録人数200万人以上をかかえるYouTuberとして活躍中のカジサックさんこと、お笑い芸人の梶原雄太さん。現在5人のお子さんのパパでもあり、毎日仕事と子育てに奮闘中です。
そんなカジサックさん、実は奥さんと付き合う前から結婚宣言をしていたそうです。今回は奥さんとの出会いからプロポーズ、子育てをする中で奥様に謝りたいことなどについてお話を伺いました。
「次に付き合う女性と結婚をしよう」と決めていた
――カジサックさんは、2006年に未来子さんと結婚されていますが、結婚の決め手は何だったのでしょうか?
僕は元々結婚願望がなかったんですよ。25歳のときテレビ番組の『はねるのトびら』に出演し忙しくしていて周りから見れば順風満帆だけど、いまひとつギアが入らない自分がいたんです。何をしたら自分自身にギアを入れてがんばれるんだろうと考えた結果「家族を持つことだ」と思ったんです。自分のためじゃなくて、誰かのためにがんばりたい。それで次に出会った子と結婚しようと思って付き合い始めたのが今の嫁さんでした。
――付き合うときに、奥様にも結婚の話はしていたんですか?
はい、いっていましたね。後日嫁に聞いた話ですが「出会ってすぐにいきなり結婚なんて。芸人だし」と、めちゃくちゃ引いていたらしいです(笑)。
当時の僕は仕事が忙しい時期だったんですが、仕事が終わると東京から彼女がバイトしていた千葉の居酒屋へ車で迎えに行き、家に送って、また東京の自宅に戻ってくるということをほぼ毎日していました。
僕、そのときに絶対に「家に上がらせて」といわないと決めていたんですよ(笑)。だから本当にマンションの前でさよなら! といって帰っていました。出会ってから付き合うまでほぼ毎日、そんな感じでしたね。その様子を見て嫁さんが「この人、意外とまじめかも」と思い始めていたそうです。
――当時何歳だったのでしょうか?
僕が25歳で、彼女は20歳のときです。当時の彼女は読者モデルとして活躍していて、いくつかの事務所から声をかけていただいていた時期でした。
ただ僕の思いとして、結婚するなら同じ業界の人は嫌だと思っていたんです。モデルの道に進むか自分と結婚するか、どちらか選んでほしいと頼みました。振られても仕方ないくらい覚悟していいましたね。しかし彼女は僕を選んでくれたんですよ。僕は芸人なので将来的なことはわからないのに、よく決断してくれたなと感謝の気持ちでいっぱいでした。
プロポーズはサラッと一言。「照れ屋なんです」
――奥様にはどのようにプロポーズをされましたか?
結婚する前に、一緒に住んでいたんですよ。結婚前から「次に付き合う子は結婚を考えている子だから」と話していたんです。それに付き合っているときから「子どもがほしいね」という話はしていたし。だから改まって結婚しようというよりも、サラッとプロポーズしたいなと思ったんです。
ある朝僕が仕事に行く直前に「行ってきます!」と一度家を出て、忘れ物をしたかのように家に戻ってきて「結婚しようか」とだけいい残し、再び玄関の扉を閉めて家を出るというプロポーズでした(笑)。
――奥様はそのとき何といったんですか?
答えは聞いていません。というのも「結婚しよう」とだけいって、ドアを閉めてしまったので……。あとで彼女から「ありがとう、嬉しかった」とメールが来ました。泣いて喜んでくれていたので、良かったなと思いました。僕、照れ屋なんですよね(笑)。
「家事や育児は女性がやるもの」と考えていた自分に反省
――結婚して2人の生活はどのように変わりましたか?
結婚して生活が激変したのは嫁でしょうね。彼女はこれまで読者モデルとしてさまざまな人に会って、華やかな生活をしていたんですよ。当時は雑誌でもてはやされていたのに、結婚して子どもが生まれたら家にこもって毎日子どもと2人きり。相当しんどかったと思います。
僕は結婚してからギアを入れて仕事をがんばれたから良かったんですよ。しかも僕は「男は外で仕事をして、家事や育児は女性がやるもの」と考えていたから、手伝いもまったくしていなかった。でも彼女はそれについて何もいわなかったんです。最近になって「実はあのときは大変だったんだよ」といってくれましたが、それくらいでした。今さらですが、申し訳なかったなと思います……。
もし当時に戻れるのであれば、言葉だったり行動だったりで、彼女のことをめちゃくちゃサポートすると思います。今となってはただ「ごめんなさい」としかいえないです。
深夜2時。ラジオを聞きながら皿洗い
――今は家事や育児も積極的にやっているそうですが、なぜ変わったんですか?
子どもの人数が増えるにつれて徐々に手伝うようにはしていたんですけど、大きく変わったのは3人目が生まれてからですね。3人目が生まれて、洗濯だったり、部屋の片づけだったり、単純にやらなければいけない家事や育児が多すぎると感じたんです。そこで自分もやらないといけないなと感じ始めました。子どもにミルクをあげることはやっていたんですが、それ以外にも家の片づけや皿洗いなどをするようになりました。皿洗いは、毎晩深夜2時くらいからやっていますよ。
――なぜ深夜に皿洗いを?
僕が仕事から帰ってくるのが夜10時くらい。そこからYouTubeに来たコメントすべてに返信をして、と終わった頃には夜中の2時頃になってしまうんですよね。みんなが寝静まった後、ラジオを聞きながら動画の企画を考えながら皿洗いをしています。それはそれで楽しい時間です。これからも「子どもたちの世話と皿洗いは任せとけ!」という感じですね(笑)。
(編集後記)
結婚当初は、家事などを奥さんに丸投げしていたというカジサックさん。現在は家事も担当するようになり、子どもたちからも慕われ、明るい家庭を築いています。次回は奥さんが5人目の子どもを無痛分娩で出産したことについて、男性の立場から意見を聞かせていただきます。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶