高橋ユウ:第2回「得意分野の違うきょうだい4人に親がしてくれたことが、大きな自信に」
前回からスタートした、高橋ユウさんのインタビュー連載。高橋ユウさんはファッションモデル・俳優であり、男の子のママでもあります。
今回はユウさんを含めた4人きょうだいのお話です。お姉さんは同じくファッションモデル・俳優の高橋メアリージュンさん、お兄さんは絵画アーティストの高橋源治さん、さらに弟さんはプロサッカー選手の高橋祐治さんと、それぞれの分野で才能を活かした活躍をされています。いったいどんなふうに育てれば、それほど才能を伸ばせるのか……? 子育て中のママとしても、気になるところですよね。
「あなたはスペシャル」いつも自信をくれた両親の言葉
━━ごきょうだい4人それぞれの分野で活躍されていますが、仲がよさそうですね。
仲はよいですね! たまにぶつかることもありますけど、それも含めて仲がよいと思います。
子どものころはしょっちゅうケンカしていましたけど。取っ組み合いというよりは、口ゲンカが主ですね。私は姉に嫌われていたので(笑)。
━━あれっ? 嫌われていたんですか?
私は都合が悪くなるとすぐに泣くので、姉からしたら「また!」っていう思いがあったみたいです。泣いてすぐに母のところに行くので、「はい、出た!」みたいな(笑)。今は仲がよいですけど、子どものころはケンカをしまくっていました。
━━ユウさんには、次女らしい要領のよさがあったわけですね(笑)。
まさにそんな感じです。私がご飯を食べ切れなくて残しちゃったものは、こっそり兄のお皿に乗せておいたり。兄は黙ってそれを食べてくれていたんですよね。今思えば”ごめん”ですよね。
大人になってからそれぞれが、子どものころに謝れなかったことを謝るようになったんですよ。謝られたほうは「そんなん、あったっけ?」という感じなんですけど、謝るほうはずっとそれを抱えていたりして。
━━おもしろいものですね。ごきょうだい4人というのは、さぞにぎやかだったのでしょうね。
はい。きょうだいがたくさんいてよかったなーって思います。子どものころは、子ども4人でどんな遊びもできるのがよかったです。2対2で対決できるんですよ。外で遊ぶときはチームを組んで遊べるし、ゲーム機で遊ぶときも大体4人までつなげられるので、ちょうど全員でできるんですよ。
大人になってからは、家族のことを4人で相談できる。「じゃあ、俺はこうするわ」「じゃあ私はここをサポートするね」とか、それぞれ役割分担できるのはいいなって思います。
━━みなさんそれぞれの才能を活かした活躍をされていますよね。どんな子育てをすればそうなるのか、ママたちも興味のあるところだと思います。
どうなんでしょうね? やっぱり自由にやらせてくれていたこと、かなぁ……? やりたいと思ったことを否定せず、応援してくれたからかもしれません。あと、それぞれを特別扱いしてくれるんですよ。「あなたは絶対に大丈夫よ」という言葉をいつもくれるので、「私、いけるかもしれない」って思えるんです。
私が小学生でオーディションを受けたときも、母は「あなたはスペシャルよ」という感じだったし、1次審査2次審査と通過するたび父も「ユウちゃんのペースでいったら、大丈夫や」って。いつも背中を押してくれる感じがありました。それをきょうだいそれぞれが言われていたので。
母は太陽のような存在。自分が今子育てしながら意識するのも、母
━━お母さまはどんな方ですか?
とにかくチャーミングです。うちは6人家族ですけど、母が一番子どもなんじゃないかというくらい(笑)家をにぎやかにしてくれますね。すごく明るくて、太陽みたいな母。ただ実はすごく芯が強い女性でもあると思います。
私たち子どもにはお茶目で抜けているところを見せてくれるんですけど、母自身は7人きょうだいの長女なんですよ。家族を養うためにフィリピンから日本に来たという背景があるので、内側には「家族を守るんだ!」という強い意志があると思います。だからこそ「家族を守る」「家族を明るくするのは自分」という行動が、自然にできているのかなと思います。
━━お母さまのそうした部分を、ユウさんが受け継いでいると思えるところはありますか?
めちゃくちゃあります! 「私、お母さんのことを意識している」と思うときが、とくに最近すごくあるんですよ。息子と接していても「お母さんだったら、どうするだろう?」って、すぐに考えていて。「こういうときお母さんは一緒になって、子どもみたいに遊んでくれたな」とか、「いっぱい歌ってくれたな」とか。母だったらどうするかを想像しながら、子育てしています。
━━ご家族はユウさんの出産を喜んでくださったのではないですか?
すごく喜んでくれましたね。とくに母と姉が。母は自分の娘が産んだ子ということでさらなる感慨があったようで、溺愛してくれています。姉も……すごかったんですよ。「この子のために、私、頑張るから!」みたいな(笑)。甥っ子のためならどんなことでも頑張れる、って。
明るく太陽のようなお母さまを意識しながら、自分も今子育てをしているというユウさん。お話をされている様子からも母さまへの絶大なるリスペクトが伝わってきました。
次回はご主人であるK-1ファイター卜部弘嵩さんとの出会いについてお聞きします。キューピッド役になってくれたのは、子ども時代は犬猿の仲だったという(笑)お姉さんだとか。どうぞお楽しみに!
取材、文・鈴木麻子