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平 愛梨:第2回「はじめて母に反抗したのは、27歳のとき。自立したいと考え、ひとり暮らしをはじめました」

プロサッカー選手の長友佑都さんとご結婚され、現在トルコに暮らすタレント・女優の平愛梨さん。お母さまの厳しい教育方針のもと、大切に育てられたという愛梨さんは、制限も多かったそうですが、反抗期が来たのはずいぶん遅くなってからだったのだとか。今回はご両親とのエピソードを伺います。
平愛梨

母に厳しく育てられたけど怒りや不満は感じなかった

――お母さまから厳しく育てられたというお話でしたが、愛梨さんはそれに対して不満に思うことはなかったのですか?

それが……“不満”というのもそうですけど、なにかに対して“怒る”という感覚をまったく知らない子で。今振り返ると、たぶん母が怖かったのだと思います。私が怖いものといえばカラスと幽霊と、母。今でもこれがベスト3として出てくるくらいなんですよ(笑)。だから母に対して不満を感じることはなかったです。何か言ってもどうせムダなんだろう、と思っていたというか。

――不満を感じないなら、ストレスもたまりませんね。

そうなんですよ。ただ完全に無意識でしたけど、ストレスはあったのだと思います。私は長風呂派なんですけど、小学生の時はお風呂に入ってよく歌っていましたね。たぶんそれがストレス発散になっていたんじゃないのかなって。
母のほうでは、私が階段をドンドンッ! って大きな音を立てて上っていったのを聞いて「あの子なりに、私に対して思うことはあるのね」と思っていたらしいです。無意識でしたけど、何かしらの行動には出ていたというか。

――その気持ちが爆発することは、なかったんですか?

はい。反抗期もなかったです。兄の反抗期はあったんですけど、母がそれを見ていた私たちに「あなたたちがお兄ちゃんみたいなことをしたら、お母さんはもう生きていられないからね!」って(笑)。だからもう、反抗することもできなくて。

躾が厳しいと気づいて初めて反抗したのは27歳のとき

――「うちはよそのお家とちょっと違う。厳しいぞ」と気づいたのは、いつのことだったんですか?

えーっと、27歳のときです。

――え! もうお仕事をされていましたよね?
平愛梨
していましたよ。そのときはドラマの撮影で、現場が女の子ばかりだったんですよ。共演者の方々がちょっと過激な恋愛トークみたいなのをしていて、「周りにバレないように……」とか言うので「え? それって、お母さんにはなんて言うの?」って聞いたんです。そうしたら「言わないよ!」って言うので、「えっ?」ってびっくりしちゃって。なぜかわからないけど、私はずっと母には“すべて言っておかなくちゃ”と思いながら育ってきたので。「お母さんには言わないの? 怒られないの?」と尋ねたら向こうも驚いて、「じゃあ、今まで何でも言ってきたの?」と。それを聞いて「そうなんだ……」と思いましたね(笑)。たしかに私もお母さんには秘密にしておきたいことだって少しはあるなと初めて思って。
それで「ひとり暮らしがしたい」と言い出したら、「あなたは変わったわ! 勝手にしなさい!」と言われちゃって。母の「勝手にしなさい」はそれをしたら怒られる、ということなんですけど、“よし、本当に勝手にしてみよう”と思って、事務所のスタッフさんに「ひとり暮らしをしたいんですけど」って相談しました。今思えばそれが初めての反抗でしたね。

――それまでは、たとえば好きな男の子ができるたびに報告していたのですか? 

していました! ただ男女共学でしたけど、学生時代はとくに好きになるような子もいなくて。年ごろになったときに「好きな男の子がいる」という話をしたんですけど、びっくりした母に「ダメよ!」と言われました。私もびっくりして「えっ? 人を好きになったら、ダメなの?」って。

――それって愛梨さんの恋愛観に、大きな影響を与えませんか?

すっごく影響を受けていると思います。そのうち「そうか、私の好きな人とお母さんが仲よくなればいいんだ!」って考えるようになりましたけど(笑)。

――それじゃあ「結婚する」となったときは、もうどれだけ大変だったんだろうと想像してしまいます。

あ、結婚するときには私も30歳を過ぎていたので。父はすごく安心していましたね。母のほうも、もう年齢が年齢だけに覚悟があったのかな? あとは、妹がいたので! そのころには母の意識が、妹のほうに向いていたんですよ。今から思えば、そのおかげでラクになったかもしれない(笑)。

バラエティ番組などでよく見せてくれていた愛梨さんの天真らんまんなキャラクターの秘密は、ご家庭にあったのかもしれませんね!
さて次回はご主人である、長友さんとの出会いについてです。どうぞお楽しみに!

取材、文・鈴木麻子 撮影・泉 三郎

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