【第七夜】墓地での肝試しのルール「空席は作るな」!?何も起きずに終わったはずが…… #身の毛もよだつ恐怖の体験
前回からの続き。これは私が10代のころの話です。ある日の深夜、友人に「肝試しに行かないか」と誘われました。その日、私の母親はちょうど夜勤で不在。私はひとりで留守番をしていましたが、「ちょっとならバレないかな?」なんて軽い気持ちで、家を抜け出し肝試しに参加しました。
そして当時肝試しスポットとして有名だった墓地へ。その墓地への肝試しのルール……それは「車で行くときには、絶対空席を作らないこと」。空席がある状態で墓地へ行くと、その席に霊が乗ってしまい、連れて帰ってきてしまうからだというのです。当時、地元の若者の間ではこの墓地とともに有名なルールで、必ず大人数で行くことになっていました。私たちもほかの友人を誘って車を満席にしてから出かけました。
何もなさ過ぎて全員「なんだ~(笑)」と笑いながら、少々つまらない気持ちで肝試しを終えて解散しました。何事もなく終わったはずの肝試し。しかし、その翌日……
夜勤を終えて帰宅した母が、私を見るなり怪訝な表情をし「……あんた。どこ行ってきたの?」と言うのです! 私は昨夜の悪行を思い、ドキリとしましたがバレる要素はありません。当然しらを切りました。けれど、ウソを言うなと私の肩を指さし「どこでそんなの連れて帰ってきた?」と、とんでもない方向から尋問をされました。実は母は霊感のあるタイプで……私は驚き、一気に青ざめました。
母は「はっきりとはしないけど、人のようなイヤ~なものが憑いてるから取るよ」と私の背中を数回叩き祓ってくれました。そして「昨日はこんなものいなかったのに……憑いてるのはおかしいでしょ?」と言われて、私は観念し夜遊びに出たことを白状しました。
ルールを守っていれば大丈夫と思っていたけれど、幽霊相手にそんなことは関係なかったようです。幸いその後も何事もなく無事ではありますが、夜遊びがまさかの形でバレてしまった苦い思い出です――
脚本・たかおぎ なる 作画・Ponko