【第4話】ある日突然、夫が失踪しました 〜「行方不明から1ヶ月」編〜
【第3話】からのつづき
夫がいない――
いつもなら無断外泊をしても必ず2~3日に1度は帰宅していた夫ですが、1週間たっても帰ってきませんでした。いったいどこに行ってしまったの? 携帯を持たずにいなくなってしまったので、連絡の取りようがありません。悩んだ末、意を決して会社に連絡してみると……なんと「夫は退職した」と聞かされたのです……!
義母に聞いても一方的に責められ、警察に行って捜索願を出そうとしても「事件性がない場合は探すことができない」と言われ。話は聞いてくれたものの捜査はしてくれそうになく……
「ただいま……」私は帰ってそうつぶやきました。
「……っているはずないか……」
そうして「今日こそは……」「今日こそは……」と毎日夫の帰宅を願い続ける日々が過ぎ……。「もう夫は戻ってこないんだろうな……」と心の底で覚悟をしはじめたのは、夫がいなくなってから一ヶ月が過ぎようとしたころでした。
三人の子どもたちが私の顔をのぞきこみます。この子たちの目は、こんなにもキラキラ輝いているのに、私の目は死んでしまったみたい……。子どもたちの未来を、大人の勝手で摘んではいけない。そしてこの子たちに未来があるように、私にだってまだまだ未来はある……。
今思うとこの瞬間が、今まで無意識に夫に寄りかかっていた私が、しっかりと自分の足で立った瞬間だったかもしれません――
とりあえずこれからのことを一度でいいから直接会って話し合わなければ……。
子どもたちが寝たあと、私はパソコンを開きました。まずは「るみ」の居場所を突き止めよう。恐らく夫と一緒にいるであろう「るみ」の家を調べるべく、SNSをひらきます。SNSで夫の職場の同僚で、何度か家族ぐるみで会ったことのある青木さんという男性を見つけ、メッセージを送りました。
すると、すぐに連絡がとれ、会えることに。そこで詳細な事実が浮き彫りになってきました。
夫が私たちにここまでのことをするということは、よっぽどのことが起きたのだ――
それはなんとなく理解しています。
それでも子どもたちを不幸にすることは、私は絶対に許さない。夫にどんな想いがあったとしても、相談もなく勝手にいなくなって勝手に仕事も辞めるなんて“家族”じゃない……。「子どもたちのためにも、私は白黒つけたい」という決意を青木さんに話し別れました。
そしてその数日後……
脚本・渡辺多絵 作画・加藤みちか