偏食・少食の子どもをもつママたちに聞きました!子どもの偏食・少食克服のためのアイデア
幼稚園や保育園に子どもを通わせてるママと話すと、よく話題にのぼるのが子どもの食生活についてです。偏食のお子さんや極端に食べる量が少ない少食のお子さんなど、子どもの食事内容に困っているママたちは意外と多いようです。じつはわが家にも炭水化物が大好きな偏食男児がおり、こんな食生活で良いのだろうか……といつも不安です。そこで今回は試行錯誤しながらも、偏食・少食を克服するためにどんな工夫を重ねているのか知り合いのママたちに聞いてみました。
偏食の子どもをもつママたちの工夫
偏食のお子さんをもつママたちに教えてもらった偏食を克服するための実践例をご紹介します。
一緒に育てて一緒に料理。家庭菜園は食育に効果抜群
「野菜嫌いの息子と一緒に、親子で昨年初めて野菜作りに取り組みました」と話す小学生の息子さんをもつママは「キュウリとトマトを育てて収穫し、一緒にサラダを作ったところ、意外とあっさりと口に運びました」と話してくれました。ベランダのプランターでも手軽に育てられることを知り「今年は息子の苦手なナスや枝豆にも挑戦したいと思っています」と張り切っています。
農林水産省でも幼児期や学童期に田植え、稲刈り、野菜の収穫、家畜の世話などの農林漁業体験をすることを推奨しています。幼児や小・中学生を対象とし、園や学校での作物栽培に関する研究結果では、
1:食べ物に関する意識や知識と関係している
2:食べ物の嗜好と関係している
3:食べ残しなどの食行動と関係している
4:心の健康と関係している
と報告されています。
自分が育てた野菜は愛着が生まれるだけに、買ってきたものとは別ものに感じられるのかもしれません。すぐに食べられるようにならずとも食に興味や関心がわくようになるだけでも大きな一歩といえますね。食への関心や食物への感謝の気持ちが高まることにも効果があるとのことですから好き嫌いが減り何でも食べられるようになるのでしょう。
料理に興味をもったら絶好のチャンス!
「料理に興味をもち始めたので、時間のあるときには出来るだけ一緒に台所に立つようにしています」と言うのは4歳の女の子をもつママです。「苦手な野菜が多くて困っていたのですが、初めて一緒に野菜炒めを作ったところ、驚くほどよく食べたので……」と嬉しそうです。料理中に子どもがママの真似をしたがり「やってみたい!」と言っても、怪我や火傷が心配でつい子どもを台所から遠ざけてしまいがちです。しかし野菜を洗ったり皮をむいたりといったことから始めて、葉もの野菜は手でちぎるなどの簡単なことを手伝ってもらうだけでも、子どもたちは料理をした気分になるようです。自分が手伝った料理はいつもの完成して出てくるだけのママの手料理以上に美味しく感じるようですね。「この野菜は自分で洗って皮をむいたんだ!」と喜んで笑顔で食べてくれることでしょう。お手伝いやいつもは食べられなかったものを食べられたらしっかり褒めてあげるのも大切ですよね。成功体験があればきっと子どもの食事に対するイメージが変わるはずです。
幼稚園や保育園の給食で偏食を克服した人も
周りの環境によって偏食を克服したというお子さんもいました。「3歳で保育園に入園するまではかなりの偏食だったのですが、毎日の給食で先生に励まされたおかげで今では何でもよく食べます。苦手だった苦味のあるピーマンやゴーヤーも食べられるようになったんですよ」というママや「幼稚園でお友達と一緒に給食を食べるようになって、急に好き嫌いが減りました」というママもいます。
いずれも集団で食べることの良さが発揮された例といえるでしょう。食わず嫌いのお子さんは、周りが楽しそうに食べることに影響を受けたり、お友達が好き嫌いなく何でも美味しそうに食べる姿に引っ張られて一緒に食べられるようになるということもあるようです。
少食の子どもをもつママたちのさまざまな工夫
少食のお子さんをもつママたちに教えてもらった少食を克服するための実践例をご紹介します。
おやつを減らして夕飯の時間を早くする
少食で困っていたという年中男児をもつママは「おやつの量を減らしました」と言います。おやつは小袋のラムネ1つか一口サイズのゼリー2つ程度と決めたところ、夕飯を完食する日が増えたそうです。「おやつを少なくした分、夕飯は5時半からと早くしました」とママの工夫が感じられます。少食のお子さんにとっては食事の時間に空腹であることもポイントのようです。
キッズプレートで子どもの気分を盛り上げる
気分を変えることで、食べる意欲をはかろうと工夫するママもいました。「時間のあるときには、キッズプレートを作っています」と話すのは3歳と5歳の女の子をもつママです。「お子様ランチ風に、ご飯を山型にして旗を立て、小さめのハンバーグ、型抜きした茹で野菜、デザートに小さなゼリーも乗せると、気分が上がるようでよく食べてくれます」と言います。見た目が変わると、気分も変わるもの。仕切りのあるプレート皿にかわいらしく盛り付けるという工夫だけでも子どもは楽しめるのでしょう。
天気の良い日はお弁当を持ってピクニック
「食べることに興味がないのかと思うほど少食なので、天気の良い日にはお弁当を持って出かけます」と言うのは小学生と幼稚園の2人の男の子をもつママです。午前中に思いっきり体を動かして遊ぶと、お昼にはしっかりお腹が空くようです。また、空の下で食べるという環境も気持ちの良いもの。ぐっと食欲も増すのでしょう。外出するのが難しい小さなお子さんのいる家庭では、ベランダにシートを敷いて家族でお弁当を食べるだけでも気分が変わって楽しいかもしれません。
食事の時間が楽しくなるように
成長期の子どもにとって食事はもちろん大切なことですが、食べるものや量を気にしてママが叱ってばかりでイライラしていては、せっかくの食事の時間を親も子どもも楽しめませんよね。子どももますます食事の時間に嫌悪感をもってしまうでしょう。今回ご紹介した先輩ママの食事を楽しめる、子どもが自然と食事に興味をもつ工夫で気になるものがあればぜひ試してみてください。それがきっかけとなって、家族みんなで楽しい食卓を囲める日が増えると良いですね。楽しい食事の時間こそ子どもにとってきっと「心の栄養」にもなるはずですよ。
文・すずらん 編集・秋澄乃