ママたちの今。保育園・幼稚園の休園・登園自粛要請を受け「困っている」が6割超
新型ウイルスの感染拡大を防ぐため、2020年4月下旬は全国に緊急事態宣言が発令されています。保育園・幼稚園でも休園などが相次いでいる地域もあります。とはいえどうしても仕事を休めない、保育園・幼稚園に子どもを預けたいママたちだっているでしょう。実際のところは今どんな状況にあるのでしょうか? 先日その調査結果が発表されました。
登園自粛したいけれど……できない保護者も
ベビーシッター・家事代行サービス「キッズライン」を運営する「株式会社キッズライン」が、独自に調査を行いました。2020年4月7日に緊急事態宣言が発令された時点での対象地域だった、7都道府県在住者2,529名に聞いたものになります。
「緊急事態宣言を受けて、保育園・幼稚園の対応はどうなったか?」という質問に対して、もっとも多かったのが「登園自粛を要請(64.6%)」。「休園(30.7%)」がそれに次ぎ、双方を合わせると95.3%の園がなんらかの対応に迫られたことがわかります。ただ「平常どおり」も4.7%。苦渋の決断に迫られながらも、まだ開けている園はあるようです。
そんな状況の中、保護者たちはどんな対応をしているのでしょうか? もっとも多かったのが「登園を自粛している(43.2%)」、さらに「登園できない(30.7%)」が続きます。前の回答で「休園」していたのと「登園できない」は同じ数字なので、おそらくほぼ同じ保護者の回答と推察できそうです。
一方でおそらく「自粛を要請」している園に通わせている中で実際に「自粛している」のは、全員ではないようです。数字だけで考えると、自粛要請をされていても21.4%(前の調査の登園自粛を要請された64.6%から、あとの調査の登園を自粛している43.2%を差し引いた結果)は自粛していないことになります。
では登園自粛をしていない保護者はどう対応をしているのでしょうか? 「登園回数を減らしている」と回答した人が14.9%いました。仕事のシフトをやりくりしたり、ママパパ交代で子どもの面倒を見るなどしているのかもしれません。さらに「登園している(11.2%)」も、およそ10人にひとり。自粛を要請されてもどうにもできない、保護者のジレンマがうかがえますね。
実際に休園や登園自粛要請にあたり、「困る」と回答した保護者は全体の64.3%(「とても困る(26.9%)」を含む)もいました。以下「どちらともいえない(24.9%)」、「困らない(8.2%)」、「まったく困らない(2.5%)」でした。
子どもを見ながらの在宅ワークで、毎日ヘトヘト
全体の過半数もいたのが、「困っている」保護者のみなさんです。調査ではどんなことで困っているのかを尋ねています(複数回答)。
トップになったのは「子どもを見ながら仕事をするのが難しい(59.4%)」。仕事との両立が困難になっていることがうかがえます。「友達とも会えなくなるので、子どものストレスが心配(46.4%)」「食事の準備や栄養面が心配(42.7%)」など、自分自身のことだけでなく子どもを心配する声も多くありました。
実際に、それぞれの家庭ではどんな対応をしているのでしょうか? 困りごとで「子どもを見ながら仕事をするのが難しい」が最多だったことからもわかりますが、この質問に対する回答のトップも「在宅ワークをしながら自分で子どもを見ている(51.3%)」。ほかに「有給休暇を習得(15.9%)」、「両親に子どもを見てもらっている(7.4%)」などがありました。
保護者たちからのコメントからは、それぞれの家庭の苦労が伝わってきます。
『感染防止の面からも保育園への登園自粛の必要性は理解していますが、自宅保育をしながらの在宅勤務はかなり難しく困っています。毎日3食、子どもの栄養も考えながら食事を作らないといけないのも大変ですし、規則正しい生活を送るのも大変』
『子どもの命を守るためと頭ではわかっているものの、仕事は休めない。保育園の休園にはとても困っています』
『医療従事者のお子さんや、スーパー・薬局・物流関係のお子さんなど優先的に保育園に預けて安心して働いてもらいたい気持ちは、もちろんあります。ただやはり子どもが家にいながら、リモートだとしてもふだんと同じパフォーマンスはできません。仕事中は子どもにも静かにしていてほしいため、スマホやテレビに頼らざるを得ないのがジレンマです』
ともすれば、休園・登園自粛要請がさらに延長となる可能性もあるでしょう。どうすれば親子にとって一番快適な形で毎日を送れるのでしょうか。試行錯誤しながらでも、なにかしらの形が整ってくればいいですね。
期間:2020年4月13日(月)〜15日(水)
対象:キッズライン会員2,529名(20代〜50代)
対象地域:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県
方法:インターネット調査
文・鈴木麻子 編集・しのむ