在宅の時間が長いと家族関係は悪化する?新型コロナで「気持ちに変化が生まれた同居人」のトップは?
感染症拡大防止のため、自宅にいる時間が増えた家族が多いであろう今。ママスタコミュニティにも「子どもたちのきょうだいゲンカが増えた」「テレワークでずっと自宅にいるダンナにイライラ」といった声があがるなど、家族関係の変化もあるようです。
そこでふと気になるのがもともと”家族内でもちょっと遠慮のある人”、たとえば義親などと同居している場合です。一緒にいる状況がもう何週間も続いている現在、ストレスもかなり膨らんでいるのではないでしょうか?
”おうち時間”が増え同居人に対する気持ちに変化が生まれた人は約半数
緊急事態宣言が出され外出自粛をする人も多い今、同居人との関係にどんな変化が出ているのか? 「株式会社エアトリ」が先日調査を行いました。
家にいる時間が長くなった人に尋ねたアンケートの結果です。「長くなったことで、心理的・身体的に変化はありましたか?」という問いの回答で、もっとも多かったのが「変わらない(49.3%)」。一方でなにかしらの変化を感じている人も約半数(50.6%)。その中では「心理的にも身体的にも変化があった」と回答した人が最多でした。
なにかしらの変化があった人のほとんどは「ストレスを感じる」「イライラする」と、マイナス面での内容だったそう。それぞれの具体的な内容を見てみましょう。
「子どもが在宅しているので、毎日3度の食事作りが苦痛。子ども自身も飽きているものの、といって外食はこのご時世でどうかと思うので、結局家で食べることになる。運動量も減っているので、大丈夫かなと少し不安(50代・女性)」
「義母と顔を合わせる時間が増えてつらい(40代・女性)」
「在宅ワークをしていると夕方あたりに閉塞感を感じ、もやもやとした気分になることがある。また勤務中のふとしたときに、自分について考えてしまう。転職や移住を考えたり(30代・女性)」
「ひとり暮らしだとしゃべる相手がいないので、寂しい(20代・女性)」
家族構成やライフスタイルなどは違っても、それぞれに抱えるストレスがあるのがわかります。
次に自宅にいる時間が長くなったことで「心理的変化があった」と回答した割合を、同居相手別で調べています。もっとも多かったのが「義親(71.4%)」。やはり遠慮がある同居人がいるほど、心理的な変化が生まれやすいのかもしれません。「実祖父母(52.6%)」「実親(46.7%)」は約半数、それよりやや少ないのが「子ども(43.8%)」「配偶者/パートナー(40.2%)」でした。子どもや配偶者に関しては、ふだんから深くつきあっていることが変化の少ない理由なのかもしれません。
家族同士の理解を深められる時期。明るく乗り切ろう!
家にいる時間が長いと家族関係が悪化する? と、つい考えてしまうかもしれませんが、どうやらそれは違うよう。
同調査では家にいる時間が長くなった+同居人がいる人に、「自宅にいる時間が長くなったことで、同居人との関係に変化があった?」とも尋ねています。
その結果、関係が「よくなった(7.8%)」、「悪くなった(6.3%)」がほぼ同率。大多数は「変わらない(84.0%)」という回答になりました。最初の質問で「心理的な変化があった」と回答した人が4割いたことを考えると、多くの人はストレスを感じてもそれを同居人にぶつけることがないのかも?
さらに同居相手別に、関係性が「よくなった」あるいは「悪くなった」かを聞いています。
その回答をグラフにしたのが、こちらです。
「関係が悪くなった」のトップは、「実祖父母(10.5%)」。ふだんより関わることが増え、ともすれば世代間ギャップを感じることが多くなったのかもしれません。あるいはできるだけ感染させないようにと、意識的に距離を取っている人もいそうです。一方「関係がよくなった」のトップは「子ども(10.8%)」。「配偶者・パートナー(9.2%)」もそうですが、これまでよりゆっくり話す時間が増えたことが理由なのかもしれません。
と、ここでグラフを見て気になったのが……「義親」の項目がないこと。なんと「義親」については関係が「よくなった」「悪くなった」ともに0%だったのだそう! 前出の調査結果では「心理的な変化があった」相手のトップ(71.4%)が「義親」だったことを考えると、不思議な気もしますよね。これはストレスを感じていてもグッとこらえて関係性をキープしている、あるいはもうあきらめの境地にいる、ということなのかも……。
「関係が悪くなった」と回答した人の意見
「学校から具体的な学習の指示があまりないまま休学になり、家でのんびりしすぎていると感じる。心配なのと腹立たしいこともあって小言が多くなり、関係が悪くなることも(子ども)」
「ご飯を作る回数が増えているのに、女がやるのが当たり前という感じが許せない(配偶者/パートナー)」
「家にいる時間が長くなったので、私のひとつひとつの行動が気になるよう。以前より口出しされることが多くなった。お皿洗い、洗濯、掃除、お風呂、育児(子どもへの接し方)、だらだら過ごすことなど(配偶者/パートナー)」
「関係がよくなった」と回答した人の意見
「反抗期でなにかと口答えして、まともな会話にならなかった我が子。この数週間で、笑顔で会話ができるようになりました(子ども)」
『今までは配偶者が留守番、自分は趣味の外出という過ごし方が多かった。休み中はずっと一緒なので、ふたりでできる暇つぶしを探すようになった。その結果会話が増え、思いやりをより持てるようになったと思う(配偶者/パートナー)」
「以前からも家事などの手伝いは積極的だったが、より声がけをしてくれるようになった(配偶者/パートナー)」
今はよくも悪くもずっと一緒にいることで、家族のことをより深く理解できる時期なのでしょう。ストレスやイライラが溜まるのは仕方ないにせよ、逆に考えればこれまで知らなかった家族の意外な一面を知る機会にもなりそうです。どうせ同じ時間を過ごすのなら、プラス面を考えながら明るくこの難局を乗り越えたいですね。
タイトル:「同居人との関係の変化」に関するアンケート調査
対象:20代以上の男女1,035名
期間:2020年4月5日~7日
方法:インターネット調査
主体:株式会社エアトリ
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ