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【眼科医・佐藤美保先生】スマホやタブレットで子どもの目は悪くならない?近視にならない生活習慣とは

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子どものテレビを見たりゲームをしたりする時間が増えたと感じる方はいませんか?

子どもはテレビやゲームで目を酷使して、近視になってしまうのでは……と心配になる親御さんは多いのではないでしょうか。

浜松医科大学の眼科医、佐藤美保先生にお話を伺いました。

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ブルーライトは視力に関係するの?

――スマートフォンやタブレット、パソコンなどは、LEDディスプレイはブルーライトと呼ばれる光を発しています。ブルーライトは目に良くないというイメージがあるのですが、タブレットのブルーライトカット機能を利用したり、子どもにブルーライトカットのメガネをかけさせたりする方がいいですか?

佐藤美保先生(以下、佐藤先生):ブルーライトによって、目が悪くなることはありません。問題はブルーライトを含む画面を長時間見ることで睡眠障害を起こしたり、眼精疲労が起きたりすることです。睡眠障害や眼精疲労が起こるという点ではブルーライトをカットすることに効果があると思いますが、「ブルーライトカットレンズを使っていればモニターを長時間見ても大丈夫」ということにはならないですね。お子さんはモニター画面を見る時間、見る距離、あるいは見る時間帯をコントロールすることが大切です。

子どもが近視にならないようにするためにできることとは

――そのほか子どもが近視にならないようにするために、あるいは近視の進行を遅らせるためにできることはありますか?

佐藤先生:近視にならないような生活習慣をすることが求められます。いったん近視になるとだんだん症状は進む一方となってしまいますので、近視にならないようにすることが大切ですね。近視にならないようにするための方法ではっきりわかっているのは、「1日に最低2時間は太陽にあたって活動すること」です。

――太陽にあたることと視力には関係があるのですか?

佐藤先生:あります。太陽にあたって活動することで近視の進行を妨げることができることは世界的な研究で証明されています。中国では窓の多い教室を作ったり屋外で授業したりしていますね。

――外出自粛が求められるなかでも家庭ごとにできることはありますか?

佐藤先生:屋内での活動が多すぎると近視が進みやすくなってしまいます。天気の良い日はできるだけ外で活動してほしいですね。ちょっと外を散歩するだけでも違いますよ。

子どもが近視にならないような生活習慣を。毎日少しでも太陽を光を浴びよう

太陽にあたることと近視には密接な関係がある、とのことでした。外を散歩できないときはベランダに出たり、窓とカーテンを開けて太陽の光を浴びたりする方法があるでしょう。公園などに出かけることは難しいとしても、晴れた日に自宅の周りを少し散歩することはできそうです。散歩するだけでも太陽の光を浴びられますよね。散歩することで親子ともに気分転換もできるでしょう。お昼ごはんを食べた後には親子で少し散歩をするなど、生活リズムの中に太陽を浴びるための習慣を組み込んでみるのもいいのではないでしょうか。

取材、文・しのむ

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