【眼科医・佐藤美保先生】休校でテレビやゲームの時間が増加!?子どもの目はどうやって守ればいいの?
子どもたちがゲームをしたりテレビを見たりする時間が増えると、ママは心配になりますよね。
保護者として気になるのが、「子どもの目の健康」です。ゲームをしたりテレビを見たりする時間が増えると、目が悪くなるのでは……と心配になる親御さんは多いのではないでしょうか。
子どもの目はどうやって守ればいいのでしょう? 浜松医科大学医学部付属病院の眼科医、佐藤美保先生にお話を伺いました。
ゲーム機や教科書、テレビから最低どのくらい離れればいいの?
――「テレビから離れて見なさい、目が悪くなるよ」と親から言われてきましたが、教科書や本、タブレットやゲーム機を見るときは、具体的にどれくらい目から離せばいいでしょうか?
佐藤美保先生(以下、佐藤先生):いすに座って教科書や本、タブレットやゲーム機を見るときには、最低30cmは離してほしいですね。
――30cmというと、A4サイズの教科書やコピー用紙などの縦の長さくらい(29.7cm)ですね。
※編集部注:A4サイズの冊子が入るクリアファイルだと30cm強でした。
――テレビはどうでしょうか? 夢中になると子どもがテレビに近づいてしまい、近視になるのではないかと心配になります。
佐藤先生:近視にならないように予防したいということであれば、テレビから離れるほど良いことになります。しかし部屋の広さによって距離には制限がありますし、テレビの大きさやモニターの種類によって適切な距離は異なります。一般的な液晶画面だとテレビの高さの1.5倍離れることが推奨されています。
ゲームは何分ごとに目を休めたらいいの?
――ゲームの後は目を休ませたいところですが、「ゲーム○分ごとに×分」というような目安はありますか?
佐藤先生:30分間ゲーム機などのディスプレイを見続けたら、次の10分間は部屋の外などの遠くを見て目を休めるようにしましょう。ただ自分がゲームをしていないからといって、きょうだいや友達がやっているゲーム機をのぞき込んでいては、目を休めたことにはなりません。必ず部屋の外を見て目を休めましょう。
――ゲームの時間について他に注意するべきことはありますか?
寝る時間ぎりぎりまでゲームをしていると睡眠にも影響することがあります。よい睡眠をとるためにも、寝る2時間前までにはゲームをやめてディスプレイを見ないようにするといいですね。
子どもの目の健康を守るのも親の仕事!
子どもたちは部屋の中でドタバタと走り回って遊ぶわけにはいかず、かといって1日中ずっと勉強するのはつまらない……。ママは子どもたちに「テレビや動画を見るな」「ゲームをするな」とは言いづらいのではないでしょうか。しかし長い時間テレビやゲーム、タブレットなどを見続けると、子どもたちの目に負担がかかってしまいます。
「30分ゲームをしたら次の10分はゲームをやめ、窓からでも外の景色を眺めて目を休めること」。言葉で伝えただけでは具体的にどうしたらいいかわからない子どもには、ゲームの時間を計ってあげたり、窓の外を見るようにママが声をかけたりしてあげてくださいね。
取材、文・しのむ 編集・しらたまよ