自他ともに認める「天然」義母の正体【後編】
義母は「天然」だそうです。
初めて義母に会ったとき、はじめて義実家に泊まったとき、私は義母の「天然」によるトラブルに巻き込まれていました。
あれから数か月後。年が明けて義実家へ新年のあいさつに行きました。義母は開口一番「あ~。優子さん待ってたわよ~。お料理手伝ってくれるかしら~?」
私は「あ、あけましておめでとうございます。もちろんです~」と言って手伝いはじめました。
私は義母に言われたとおりに、煮魚やら煮物やらいろいろ作ったり、片づけたり、ずっと台所にいると……いつの間にかひとりだけで作業していることに気づきます。あれ? 義母は……? と思っていると、なんと! 私以外の皆で、食事を囲んでいるではありませんか。
義父も「まったく母さんは相変わらずだな~」と笑いながら呆れます。ちなみに旦那はいつの間にやら同窓会に出かけたらしいです。
夕食は唐揚げにすることに。案の定、義母に言われて大量の唐揚げを揚げました。今度は私も含めて全員揃ったところで、「いただきます!」。私もできたての唐揚げを食べようとしたら……。
「あ! 優子さん~! これ昨夜の残りの鮭なんだけど、良かったら食べて~。あと、これもこの間の残りなんだけど」と、目の前に鮭やら煮物やらを義母に置かれました。
旦那は「も~。おふくろ、そんな残り物ばっかり優子に渡すなよ~。優子だって唐揚げ食べたいだろ?」と言ってくれましたが、義母は「えーー! だって、この鮭も美味しいのよ~」とかなんとか。旦那は「だからって今出すなよ~。ほんと天然だなー」と笑っていましたが……。
これって……私に唐揚げを食べるなってこと? 義母のことを「天然だ」と言いながら笑い合う家族を横目に私は、もしかして……義母……わざとやっているのでは……と考えるようになりました……。
怒りながら帰っていく義母の後ろ姿を見ながら、私は考えていました。目には目を、歯には歯を、天然の名を借りた嫁いびりには、ふさわしい対応を……。これからもその「天然」、続けていくつもりですか、お義母さん。
脚本・渡辺多絵 作画・イチエ
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