電車ではベビーカーを畳まないといけないの?ママたちの負担と乗車マナーを考える
電車に乗るときにベビーカーを畳むのかどうか……。折に触れては議論の対象のなるこのテーマを当事者であるママたちはどのようにとらえているのでしょうか。
『ベビーカー畳んで電車に乗れって意見、無理じゃない? 子ども連れて荷物持ってベビーカー担いで乗り降り? 無理無理、絶対無理。危ないわ。子どもを連れて出かけるって体力いるし。子どもを産むことって自分の都合じゃなく当たり前だよね。今生きてる人はそうやって存在してるんだから。子育てしてたら電車乗っちゃダメなの? 子ども育てている間は周りに迷惑かけるかわりに、そうでない時は周りを許したり手伝ったりする人でありたいわ!』
ベビーカーがあるということは歩けない、あるいは長距離を歩くことが難しい子どもがいるということでしょう。子どもの荷物はママが持つことになります。おむつや着替え、おやつなど……。せっかく気軽に移動できる電車に乗るのにベビーカーを畳み、子どもを抱っこし転倒して怪我をすることがあれば、本末転倒のような気もしますよね。ママたちは当事者として、あるいはかつて当事者であった立場としてベビーカーを持って電車に乗るマナーについてどのように考えているのでしょうか。
抱っこひもではダメなのか。ママたちの間でも議論が分かれる
抱っこ紐ではダメなの?
『無理なら最初っからベビーカーなんて使わずに抱っこ紐で乗れば良いと思う』
ベビーカーを使わず、抱っこ紐を使っては? というコメントがありました。一理ありますね。しかし現状は……。
抱っこ紐だけではダメなのです!
『抱っこ紐だけで対応出来ない時あるよ。私は腰痛で抱っこ紐出来ない時があった。生まれつきの病気だから、どうしようもない』
ママが身体を傷めている場合は、抱っこが難しくなってしまうでしょう。あるいは身体に問題がなくてもママと赤ちゃんの荷物ですでに重かったら、赤ちゃんはベビーカーに乗ってほしいですよね。
ラッシュ時を避ければよいのでは?こちらも議論が分かれる結果に
ベビーカーはラッシュを避けるべき
『混雑する時間帯を避ければ良いだけだわ。何でそれができないのか』
『仕方なくだとしても、ラッシュ時にベビーカーは危険だよね。ラッシュの度合いにもよるけど、ベビーカーの周囲の人が倒れ込んだら赤ちゃんを潰しちゃう危険もある』
『乗らないよ。混雑しているならね。まずは子供の事を考えようよ。時間が無いならタクシー使おう』
『ベビーカーで足踏まれるし、混んでるときに赤ちゃんに荷物当たるでしょ。もし怪我させたらこっちの責任になるんだから畳んでよ』
ベビーカーはラッシュ時を避けては? という考え方もありますね。実際にラッシュ時に電車が急停車するなどした場合、大人の身体がベビーカーに倒れこんでしまうことも考えられます。”誰よりも赤ちゃんのために”ベビーカーでラッシュ時の乗車は避けてほしい、というコメントがありました。
ベビーカーでもラッシュ時に乗車していいはず
『混んでる時にベビーカーが乗ってきても何とも思わないけどな。それが移動手段なんだしその時間にどうしても乗らないといけなかったんだろうし。タクシー使えとか言う人いるけど、そう言う人こそタクシー使ったらいいよ、タクシーはベビーカーが乗ってきたりしないで快適なんだから』
『あれ、無理だよね。なるべく混んでない時間帯選んで、ベビーカーマークの所に畳まず乗ってたよ。出かけているんだから、子どもの荷物や買い物袋あってもおかしくないのに、畳め畳めうるさい人、なんなんだろ? 危険だから畳まなくていいってならかったっけ?』
一方でラッシュに関係なくベビーカーで電車に乗っていい、という考え方もあるようです。ラッシュかどうかに関係なく赤ちゃんをベビーカーに乗せて外出しなければならない事情もあるでしょう。ママが選べることではありません。ベビーカーを電車に乗車したとき畳むかどうかについては東京メトロからひとつの見解が出されています。
東京メトロの取り組み―「ベビーカーと一緒に乗る」
では電車を走らせている鉄道会社はベビーカーについてどのような見解を持っているのでしょうか。東京都内を中心に路線を展開している「東京メトロ」ではベビーカーの乗車について、お知らせを公開しています。メトロ全体の取り組みとしてベビーカーで外出する人が利用しやすいように段差をなくしたり、改札からホームまでエレベーターで移動できるようにしたりするなどの対策を講じているのです。その対策のひとつとして電車内でベビーカーを”たたまずに乗車できる”取り組みもあります。
1編成に2ヶ所の多目的スペース
東京メトロでは各電車1編成あたり2ヶ所の多目的スペースが設けられているとのことです。多目的スペースの目印は車椅子マークと、ママがベビーカーを引いて歩いているシーンをデザイン化したマークであるベビーカーマークの2種類。他のお客さんとベビーカーの乗車スペースを明確に分けることで、思わぬ事故から赤ちゃんを守ることもできるうえに、ベビーカーを利用しないお客さんにも快適に電車を利用してもらえる、というわけですね。今後は全車両にこの多目的スペースの設置を進めていくとのことです。さらにベビーカーを利用する方々の利便性が向上しそうですね。
マナーはルールではない。お互いに思いやりをもって公共交通機関を利用していきたい
『お互いに思いやりが大切だよね。みんな子どもだったのに、これから老人になるのに、もっと子どもにも老人にも寛容になれないかなと思う』
マナーはあくまでマナーであって明文化された法律やルールではありません。しかし挨拶と同じようにお互いが気持ちよく過ごすために守っていきたいことではありますよね。ラッシュ時のベビーカーの利用について”赤ちゃんに危険がおよぶ可能性がある”という指摘は、もっともなことです。ママだって赤ちゃんがケガをすることは望んでいないでしょう。
筆者個人の考えではありますが、ママも赤ちゃんも周りの人も望んでいないことならば東京メトロの取り組みのように、他のお客さんと明確に利用スペースを分ける方法も有効なのではないでしょうか。車両を分けるまでにはいかないまでも、利用するスペースを分けることでお互いが不快に感じるシーンは減っていくでしょう。
ベビーカーで電車に乗るママはまだしばらく肩身の狭いおもいをするかもしれません。電車そのものの環境が少しずつでも整っていくことで社会全体のベビーカーでの電車利用に対する考え方も変わっていけば……と筆者は期待しています。同時に、ベビーカーと電車に乗るときも電車内でベビーカーを見かけたときも、お互いに思いやりをもって接していきたいですね。
文・しのむ 編集・しらたまよ
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