いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

性交渉はいつからしてもいいの?学校では教えてくれない「性交渉」についての教育とは?

性教育が欧米に比べて遅れていると言われる日本。学校では中学生にすら性交渉の知識を教えていないと語るのは『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』の著者であり、性教育アドバイザーで元泌尿器科看護師である、のじまなみさんです。ママたちは子どもたちへどのように性教育を行えば良いのでしょうか。

今回は性教育の中でも特に子どもに話しづらいと感じる方も多い「性交渉」にスポットを当て、子どもにどのように教えるべきか、何を伝えるべきかについてお話を伺いました。
prof_nojima

正しい性交渉の知識はどう教える?どこまで教える?

――性交渉については何歳から教えればいいですか?

『性教育』そのものは「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の中で、5歳からとなっているので、世界の標準的な性教育は5歳からです。子どもの年齢に合わせて、5~8歳で赤ちゃんがどこから来るのかを説明し、9〰12歳ではどのように妊娠するのか説明し、性感染症に関することや避妊方法も伝えます。

――のじまさんは性教育は3歳から始めるのがいいとおっしゃられていますよね。
3歳ごろから親子で言葉のコミュニケーションをしっかりできるようになってきて、性別についても認識し始めるので、それぐらいから性教育を始めましょう、と話しています。
性教育は2,3歳から

――3歳の子どもにどの程度の性交渉の知識を教えればいいですか?

3歳くらいから、子どもは「命のはじまり」について質問をしてくるようになります。最初は「赤ちゃんてどこから生まれるの?」、そしてレベルが上がると「赤ちゃんて、どうやってできるの?」といった具合です。この質問がきたら絶好のチャンスだと思ってください。この時期の子どもは下ネタワードを頻発しますし、こういった命に関する質問を純粋な気持ちできいてくるので、性の話を一番しやすい時期なのです。
性交渉についてと言ってもリアルな生々しい話をするわけではなく「膣にペニスを入れることで、卵子と精子が出あい、受精卵が誕生するんだよ。これが受精といって奇跡の卵なんだよ」というように普通に伝えるだけでいいですよ。

――外で話してしまわないか心配ですよね……

「このお話はママとあなただけのお話だから、外ではいわないでね」ということを、きちんと伝えていくことが大事ですね。「こういう話を見たり聞いたりすることがすごく嫌な人もいるので、おじいちゃんやおばあちゃん、先生やお友だちの前でも言わないんだよ」と教えておくと、3歳の子でも判断できるようになります。「お友だちの前で言っても良かったかな?」と聞くと「だめー」と答えたりするので、大事な話だということを子どもも理解しているのです。

アダルトサイトやインターネットの情報を真に受けないように伝える

――スマホネイティブの世代である子どもたちは性的な情報が簡単に手に入ってしまう環境ですよね。子どもが性交渉について間違った知識を持ってしまいそうで不安です。
アダルトサイトは大人の男性が見るためのもので、あれは男性にとってのファンタジーなんだよということを小さな頃から教えるようママたちに言っています。真に受けない、鵜呑みにしないことが大切です。男の子にも女の子にも参考にしてしまわないよう、ママたちがブレーキをかけてあげなくてはいけません。

――避妊や中絶の話は学校の授業では教えないのでしょうか?

避妊や中絶についてインターネットで少し調べただけでも何百万という情報が出てくるのに、学校では教えてくれません。避妊や中絶の話以前に、中学校ではセックスについてすら教えられていません。その情報を得るために子どもたちが頼るのはインターネットです。では「避妊」「中絶」という言葉で検索をかけるとどうなるか? 膨大な情報が出てきますね。中には有害な情報があったり、「避妊 したくない」などの関連ワードで予期しない検索結果に誘導される危険性もあります。だからこそ家庭で伝えていくのが一番いいと思います。

学校では教えてくれない性教育

――妊娠や出産、中絶のリスクを知らないからと興味本位に行動に移してしまいそうですよね。

そうですね。セックスをすると子どもができるリスクがある。そのリスクは、現在頑張っている部活や、将来の夢や目標、頑張って勉強していい中学、高校に行こうとか思っていることが全部できなくなるということだと教えるべきですよね。そのリスクを早い段階で学ぶ欧米では、知識があるから初体験の年齢が18~19歳に上がってきています。ちなみに日本の場合は平均が18歳。ですが、早い子は小学生というデータもあるのです。

性交渉を禁止するのではなく、リスクやマナーを教える

――性交渉はいつから許していいのでしょうか?

例えば18歳になったらいいのかというと、それは断言できません。子どもにいつから性交渉をしていいか聞かれたら「自分で判断責任が持てる年齢になってから」と伝えていいと思います。その時に「責任って何だろう?」と話し合うことはコミュニケーションにもつながります。安易に禁止だけしても興味のあることはやるものですから。子どもには「なぜ?」という理由が必要なのです。

――性交渉をする際に必要になる避妊の話ですが、どのように子どもに伝えるのでしょうか。

性交渉について男の子には「必ずコンドームをつけなさい」、女の子には「必ずコンドームをつけてもらいなさい」と話すことも必要です。子どもができてしまうリスクをよく考える必要があると教えておかないといけません。

子どもに話す際には、男の子には「もし彼女とするときには必ずコンドームをしてあげること。それが男のマナーだよ」と伝えましょう。女の子には「彼氏ができたらコンドームは絶対につけてもらいなさいね」ということはいつも話したほうがいいと思います。

コンドームは避妊以外に、性感染症から自分を守る唯一の手段です。「自分の体を守るのは自分だよ」と伝え続けることが大切です。

――禁止するのではなく、リスクを教えるということですね。

リスク以外に「性交渉をしなくてもいい」という選択肢があることも教えています。周りがしているからするとか、まだしたことのない自分に劣等感を持ってしまうからするとか、そのような子どもが案外多いので、「しない」選択肢もあることを教えてあげてください。

――初体験が早ければいいというわけではないですよね。

20歳を過ぎてからでもおかしくないですよね。10代のすごく早い時期にセックスした子たちに聞くと、もっと遅くても良かった、もっと自分を大切にすれば良かったという子が本当に多いのです。それまでも十分に性に関する話をしてきたのなら、このような話もしながら「責任とは何か」「恋や未来パートナーについて」などいろんな話をしていきましょう。

守らないといけない夫婦生活のマナー

――夫婦生活を子どもに見られてしまうことがあったという話も聞いたことがあります。

それは子どもに対してマナー違反ですよね。親の性交渉を子どもに見せるのは「虐待」とも言われています。夫婦生活は子どものわからないところでするのがマナーだと覚えておいてください。

――十分注意していても万が一見られてしまったときは、どのように子どものケアをしたらいいですか?

マナー違反ですが、実際には「子どもに見られてしまったけれどどうしたらいいですか」という相談は多いですね。これまでに性教育についてきちんと話ができていれば、「ママたちは大好き同志の夫婦だからセックスをするのは当たり前の行為なんだよ」と話ができますよね。ママとパパは夫婦だから当たり前のことだよと伝えることと同時に、今の子どもたちの年齢で性交渉をすることはまだ早いのはなぜか?話し合えればいいと思います。

性交渉についての話からそれにまつわることも含めて、子どもたちに教えることはまだまだありそうです。性交渉の正しい知識や、それに伴うリスク、しないという選択肢、そして避妊や中絶の話。
大切な話だからこそ、早いうちから少しずつ話してみてはいかがでしょう?

取材・編集部 文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ  イラスト・ももいろななえ

櫻宮ヨウの記事一覧ページ

関連記事

性教育って何からはじめたらいいの?1番最初にしたい「水着ゾーン」のお話
「性教育」といわれると、ハードルが高いと感じてしまうママもいるかもしれません。しかし女の子は10歳、男の子は12歳までに性教育はするべき、と語るのは『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれ...
男の子も性被害は起こる!公衆トイレやお風呂・プールなどで起こる危険性って?
普段の買い物で使うスーパーや週末に行くショッピングモール、温泉や銭湯など、至るところに子どもたちを狙う性犯罪者が潜んでいます。 性犯罪と聞くと女の子ばかりだと思われがちですが、現代では男の子でも多く...